取引先に電話をする際に、相手企業が「昼休み」の時間帯に連絡をしていいのか悩むこともあるでしょう。休憩時の連絡は避けたほうがよいのかな、とも思いつつ、緊急で連絡をとりたいケースもありますよね。
本記事では、昼休みや休憩時間における電話ビジネスマナーや、電話をするのにベストな時間について解説します。
- 昼休みや休憩時間に電話をすることはマナー違反になるの?
- 昼休みの時間帯に電話をするときのビジネスマナー
- 電話をかける時間帯に関するビジネスマナー
そもそも昼休みや休憩時間に電話をすることはマナー違反なの?
「相手企業の昼休みには電話をかけないように」と上司から指示を受けたことがある人もいるのではないでしょうか。また、「昼休みに電話をすると、仕事をさせることになってしまって迷惑かな……」と悩む人もいるでしょう。
そもそも、相手企業が昼休みや休憩時間に電話をかけることはマナー違反になるのでしょうか。
担当者が席を外していると想定される場合は電話は避けたほうが無難
結論からいうと、昼休みの時間帯を把握してる場合に、担当者が席を外していると想定される場合は避けたほうが無難です。昼休みの時間帯は食事を取っている可能性もありますし、外出している可能性もあります。そのため電話をしてもつながらない可能性も高く、つながってもすぐに対応が難しいケースも考えられます。しっかりとコミュニケーションを取りたい場合は、業務時間内に連絡するほうが、対応してもらいやすくなるでしょう。
ただし、昼休憩の時間が明確に決まっているわけではなく、それぞれが柔軟に休憩している企業も多いものです。その場合は、「いつ休憩しているのか」まで検討する必要はありません。
相手の休憩時間がはっきりしていている場合は気を使えるととベターですが、そもそも電話をするときには「今通話できるか」を確認するケースがほとんどでしょう。そのため、昼休みが不明な場合は「昼休みかどうか」を気にしすぎる必要はなく、後に紹介するマナーを守って電話をかけると問題ないでしょう。
飲食店など接客対応がある業種は昼休みの電話のほうがいいケースもある
オフィスワークや、接客以外のデスクワークなどは、昼休みの時間の電話は避けたほうがいい傾向にありますが、一方接客対応をしている業種の場合はお客様の対応をしていない昼休みの電話のほうが、相手にとって都合がよいケースもあります。
特に、飲食店は、ランチの時間帯→休憩時間→ディナーの時間帯のように間に休憩を挟んでいるお店も多いでしょう。ランチタイムやディナータイムはお客様への対応や調理のため、電話対応が難しいこともあります。このようなケースでは、ランチ時間帯が終わる時間や休憩時間に電話をしたほうが繋がりやすくなります。
昼休みの時間帯に電話する際の3つのビジネスマナー
昼休みに電話を避けるべきかどうかは、電話をかける相手によっても異なることがわかったのではないでしょうか。
大切なのは、「相手に対する気遣い」です。相手の都合を正確に把握することは難しいですが、「昼休みが始まったばかりだから、もしかしたらご飯中かな?」「ランチの時間だから、レストランは忙しいかな?」など、想像できる範囲で気遣いができるとよいですね。
では、次に昼休みの時間帯に電話をする際のマナーについて確認しておきましょう。
昼休みの時間帯に電話する際のマナー1:電話相手の都合を確認する
昼休みの時間帯に電話する際の1つ目のマナーは、「電話相手の都合を確認すること」です。
電話をかけて相手が出た際は、挨拶をしたあとに「今、お時間少々よろしいでしょうか」と相手の都合を確認しましょう。
とくに携帯電話の場合、相手は外出中の可能性もあります。落ち着いて電話ができる状態であるのか、確認しておくことが大切です。
また、急ぎの用件・用事の場合は「急ぎでお伝えしたいことがありまして」などと伝えることで、電話相手も対応してくれやすくなるでしょう。
昼休みの時間帯に電話する際のマナー2:一言お詫びを伝える
昼休みの時間帯に電話する際の2つ目のマナーは、「一言お詫びを伝えること」です。
電話をした際は、挨拶の後に「お昼時に申し訳ありませんが……」「お昼休みに申し訳ありませんが……」などの一言を加え、「今、お時間大丈夫でしょうか?」のように続けます。お詫びの言葉を添えるだけで、相手に対する気配りを伝えることができます。
もし、相手が昼休みだとわかっていた場合は、お詫びの言葉を伝えたあと、昼休みの時間に電話した理由を一言伝えるのもよいでしょう。
昼休みの時間帯に電話する際のマナー3:留守電にメッセージを残す
昼休みにの時間帯に電話する際の3つ目のマナーは、電話がつながらなかった際には「留守電にメッセージを残すこと」です。
相手が電話に出られないときは、留守番電話にメッセージを残しておきましょう。相手に折り返しの電話を求める場合は、用件の緊急度や、自分が電話に出られない時間も伝えておくとスムーズです。
【状況別】昼休み以外の時間帯の電話ビジネスマナー
「昼休み以外にも、就業時間以外の電話は避けたほうがいいのかな?」と不安な方も多いでしょう。次に、夜遅くや朝の早い時間などの就業時間以外に電話をするケースについて確認していきましょう。
夜分遅くに電話をかける場合のビジネスマナー
多くの企業にとって夜分、つまり20時はほぼ確実に就業時間外だといえるでしょう。そのため、夜分に電話をかけるときは、「夜分に恐れいります」や「夜分遅くにすみません」などと必ずお詫びの言葉を入れるようにしてください。
また、夜分に電話する際は、相手の就業時間外であることを認識し、なるべく用件を手短に済ますように気をつけるとよいでしょう。
朝の早い時間に電話をかけるときのビジネスマナー
始業前や、始業してから30分以内に電話をかけることは避けたほうがよいと聞いたことがある人もいるかもしれません。出社をしていたとしても業務時間外の場合は避けたほうがよいと考える人もいますし、就業してから30分以内は朝礼をしている可能性もあることが理由です。
緊急時や急ぎの用件がある以外は、なるべく就業時間を待って電話をすることが好ましいですが、朝の早い時間に電話をかける必要がある場合は、「朝早くに申し訳ありません」「就業時間前にすみません」などと相手を気遣えるとよいでしょう。
電話をかけるのがNGの時間帯とは?
では、ビジネスシーンで電話をするのがNGの時間帯はあるのでしょうか。
電話をかけるときにNGの時間帯
電話をかけるタイミングに迷ったときは、相手が今、どのような状況にあるのかを想像すると判断しやすくなります。
たとえば、朝一番に相手の会社の始業時間直後に電話をするのは、仕事の準備で忙しい可能性や朝礼の可能性がある。これから昼休みに入ろうとするタイミングや、食事中は好ましくない。就業時間後は退社している可能性がある、などは想像しやすいのではないでしょうか。
他にも、相手の会社の終業時刻直前も、帰宅準備をしている可能性もあることから適切だとは言いづらいでしょう。
電話をかけるときにベストな時間帯
上記のような業務前後、昼休み中などの時間帯を外して相手の会社に電話をかけられれば、基本的に電話相手に迷惑をかけることは少ないでしょう。
とくにベストな時間帯は、1日の仕事を始めてから少し経った午前10時から11時ごろと、昼休みモードが完全に抜けた午後2時から3時ごろ。この時間帯なら業務に当たっている可能性が高く、電話対応してもらいやすいといえます。
ただし、相手がミーティングや外出中などの可能性もあり、一概にいつがよいとは言い切れません。繰り返すように、相手の状況を配慮し、電話をした際に都合を確認することが重要です。
緊急時や急ぎの要件はマナーにとらわれない
就業時間前後は電話を避けたほうがよいと伝えましたが、電話をかけるのにベストな時間帯でなくとも、緊急時や急ぎの用件がある場合は例外です。
一刻も早く用件を先方に伝える必要があるときは、上記の電話マナーにとらわれる必要はありません。緊急時だけでなく、すぐに伝えるほうが相手のためになるような内容の場合もあるでしょう。
このようなインシデントが発生しているときは、時間にとらわれすぎないように、「今どうすることがベストか」を考えて判断するようにしましょう。
電話を受けた際に担当者がいないときの電話マナー3つ
これまでは、電話をかけるときのマナーについて紹介してきましたが、反対に昼休みに電話を受けることもあるでしょう。昼休みの時間帯の場合、担当者が外出しており、代わりに電話を取るケースも考えられます。
では、電話を受けた際に担当者がいないときにはどのように対応したらいいのでしょうか。3つのポイントについて確認しておきましょう。
担当者がいないときの電話マナー①:相手への誠実な対応を心がける
電話を受けた際に担当者がいないときの1つ目の電話マナーは、「誠実な対応を心がけること」です。
担当者が休みのときは、電話を受ける人の印象が電話相手に影響します。直接の担当者でなくても、電話を受けた際は丁寧で適切な電話応対をすることが基本です。
昼休みの休憩時間や始業時間外の電話は、相手にとっても重要度や緊急度が高いケースが考えられます。会社の代表として対応をしていると意識して、誠実に対応するようにしましょう。
担当者がいないときの電話マナー②:用件・担当者への申し送りの内容を確認する
電話を受けた際に担当者がいないときの2つ目の電話マナーは、「用件・担当者への申し送りの内容を確認すること」です。
担当者への申し送り事項は必ずメモをしたうえで、内容に間違いがないか繰り返し確認するようにしましょう。特に、会社名・名前・電話番号・用件については確実に把握することが必要です。聞き取れなかった場合は、再度尋ねるようにし、後で「申し送りできなかった……」なんてことにならないようにしておきましょう。
内容によっては、担当者が休みの場合でも、迅速に対応しなければならないこともあるでしょう。担当者以外が電話を受けたときは、用件の緊急度や重要度を相手から聞き出すことを心がけましょう。
緊急の用件の場合、不在の担当者でなければ対応できないものなのか、他の人でも対応できるものなのかなどを、メモをとりながら整理できるとよいですね。
担当者がいないときの電話マナー③:申し送りを確実に行う
電話を切った後は、すぐに担当者へ申し送りをしましょう。担当者が休みの場合は、申し送りをしても見逃してしまう可能性があります。
「伝えたからOK」とするのではなく、申し送りをした相手からリアクションがない場合は、リマインドをするなどして確実に伝わったことを確認するようにしてください。
電話をかける時間に悩んだら、相手の立場に立って考えてみよう
- 昼休みの時間帯に電話をする際には、相手の状況を配慮して「お昼時にすみませんが、お時間大丈夫でしょうか」と伺う
- 就業時間前後の時間帯の電話は避けたほうがよい
- 緊急事態や、相手にとって早く伝えたほうがよい内容はマナーにとらわれずに連絡する
本記事では、昼休みの時間帯に電話をする際のマナーについて解説しました。
相手の昼休みの時間が明確にわかっているときには避けたほうが無難ではありますが、昼休みが明確ではない企業も多いため、電話をした際に「お昼時にすみませんが、今お時間大丈夫でしょうか?」などと気遣えると、電話をしても問題ないでしょう。
また、業種によっては休み時間の電話のほうが出やすいケースもあります。
電話は相手とのコミュニケーション。内容にとっては早く伝えたほうがいいケースもあります。相手の都合を配慮して、電話する時間を検討してみてはいかがでしょうか。
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