一昔前ならば、営業の腕は接待で決まると考える人も多かったようですが、現代では不況による交際費削減の影響で、接待の機会そのものが減りつつあります。高額な飲食などを提供する事で仕事に便宜を図ってもらうなんて、考えが古臭いと嫌がる考えを持つ人は今後も増えていく事でしょう。しかし、営業の仕事をする上で接待に全く意味がないと断定するのは早計というもの。営業の数字として直接的に表に出る事はなくても、接待の持つ効果は意外な所にもあるのです。
接待の目的は「ご機嫌取り」に非ず
美味しい物高価な物をご馳走してもらえたら、誰でもいい気分になるでしょう。ですが、相手をおだててこちらの目的を飲んでもらおうという意図が透けて見えてしまったら、相手の機嫌が悪くなるだけならまだしも、「自分を馬鹿にしているのか!」と怒りを買いかねません。接待を「取引先のご機嫌取り」と考えるのが、そもそもの間違いなのです。考えても見てください。貴方が高額な飲食を提供して仕事をくれるようなクライアントならば、他の競合相手が更に高額な接待をすれば、すぐにそちらの方に流れていくでしょう。高いお金をかければ仕事を取れる訳ではありません。貴方の仕事内容を吟味した上で取引をする相手でなければ、どちらにせよ長く続かないのです。
クライアントの情報が営業の成否を決める
飲酒を含めた食事の場を設ける最大のメリットは、クライアントの本質を見る機会が得られる事です。貴方自身、仕事中は社会人らしく振舞うように努力してはいませんか?それは、相手もおそらく同じです。営業の間は、お互いに会社の代表として相対しているはず。けれども接待の場では、クライアントと営業という間柄は変わらないとしても、幾らかは警戒心や緊張感が緩みます。貴方の過去を振り返ってみてください。気になる女性と食事に行って、食べ方が汚くてガッカリした、そんな記憶はありませんか?食事をする時、人は自分で思っている以上に素の自分が出るもの。
神経質で付き合いづらそうに見えたので、苦手に思っていたクライアントが、接待の場で意外と茶目っ気のある人だと判明した、なんて事も十分にあり得ます。逆に、こんな人だったのかと失望する可能性もありますが。どちらにせよ、相手が普段見せない側面を見られるという事は、非常に大きな意味合いがあります。営業を効果的なものとするには、個々のクライアントに応じたやり方が必要です。相手が見せようとしない人間性を把握しておくと、後々まで役立つ武器を一つ手に入れられるに等しいのです。
クライアントのオフィスでの営業は、どうしても相手のペースになりがちです。相手のオフィスという、アウェイの真っ只中にいるのですから、それも当然といえば当然。接待のお店が貴方にとって馴染みのないような場所であったとしても、クライアントもまた馴染みのない場所である可能性が高いのですから、緊張せずに大きく構えていてください。こちらのペースで関係を深められるのも、接待の効果の一つなのですから
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