営業、企画、マーケティング……、どのような職のビジネスパーソンに共通して求められるスキルの1つが「問題解決能力」だ。問題解決能力を身につけるためには「自分で考える」ことが欠かせないが、そもそもどうすれば自分で考えられるようになるのか分からないという人もいるかもしれない。
今回は、問題解決能力を身につけたい人に向けて、問題解決フレームワーク「空→雨→傘」を紹介したい。このフレームワークは、たとえばマッキンゼーのようなコンサルティング業界で広く親しまれているものだ。
基本の説明や具体的な使用例から問題解決フレームワーク「空→雨→傘」を学んでいこう。
マッキンゼーも使う、問題解決フレームワーク「空→雨→傘」
問題解決フレームワークの「空」「雨」「傘」はそれぞれ何を現している?
この「空」「雨」「傘」という三要素は以下のようなフレームを指している。
問題解決フレームワーク「空→雨→傘」の三要素
- 空…出かけようと思って空を見上げると雲がかかっている。(=事実認識)
- 雨…これは少ししたら雨が降りそうだ。(=事実解釈)
- 傘…傘を持って出かけよう。(=判断)
基本を抑えて「空→雨→傘」フレームワークを反復的にトレーニングすることで、問題解決能力を高められるだろう。物事を判断する時に「空→雨→傘」の流れをきちんと押さえることが、自分で考えるスキルを身につけるために必要なのだ。
問題解決フレームワーク「空→雨→傘」を使うとどうなるか
問題解決フレームワーク「空→雨→傘」を実際に使ってみよう
それでは具体的にこのフレームワークを具体的な問題に当てはめてみよう。
問題解決フレームワーク「空→雨→傘」の使用例:事実認識
たとえばある飲食店が「お客さんがなかなか来ない」という問題を抱えていたとしよう。お客さんが来ないことは三要素の中の「空」にあてはまる事実認識だ。事実認識は問題解決の入り口であり、この認識を間違えてしまうとその後の判断も意味がなくなってしまう。
自分に見えている状況だけで判断せず、全体を客観的に見る必要がある。「お客さんがいない」という事実をきちんと認識することが問題解決の第一歩である。
問題解決フレームワーク「空→雨→傘」の使用例:事実解釈
次に考えるべきなのは事実解釈である「雨」である。多くの人は、「空」で事実認識をした後にすぐ「傘」にあたる判断を下そうとしてしまう。“「お客さんが来ない」→「広告を打とう」”という「空」→「傘」の流れで判断をしてもそこには根拠がない。
「お客さんが来ない」という事実をどう解釈するかは問題解決のためには欠かせない。「そもそもお客さんがその店のことを知らない」のかもしれないし、「料理がおいしくない」のかもしれない。事実解釈に対して何らかの仮定を立てなければ適切な判断をとることは難しくなるのだ。
空に雲がかかっている様子を「雨が降る」と解釈するか「雨は降らない」と解釈するかは人によって異なるし状況によっても異なるだろう。空を見るときと同様に、事実解釈はなるべく全体を見て3つ程度の仮定をおくと、その後の軌道修正もしやすいだろう。
問題解決フレームワーク「空→雨→傘」の使用例:判断
導かれた解釈に基づいて具体的に何をするのかが「傘」にあたる判断だ。「お客さんが来ないのはそもそも店のことを知っている人がほとんどいないからだ」と解釈して初めて「広告を打とう」という判断に意味が生まれるのだ。
問題解決フレームワーク「空→雨→傘」の使用例まとめ(飲食店の場合)
- 問題解決フレームワークの「空」:事実認識……お客さんが来ない
- 問題解決フレームワークの「雨」:事実解釈……お客さんが店の存在を知らない
- 問題解決フレームワークの「傘」:判断……広告を打とう
問題解決フレームワーク「空→雨→傘」を使って目指すもの
問題解決能力がある人は、他人に依存せず適切な自己判断ができる人
問題解決能力をつけるためには、「空→雨→傘」のフレームワークを何度も実践することが大切だ。「勘がいい」人は、この一連の流れを脳内で反射的に行える人物だといえるだろう。
様々な情報があふれている中、自己判断能力はすべての人に求められる。自分で判断できないと他人に依存することにつながる。まずは小さなことでもいいので、自分で判断したり考える時に「空→雨→傘」の三要素を意識するだけで、ビジネスに活かす力をつけることができるだろう。
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