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「前代未聞の規模」東京メトロ銀座線・渋谷駅の大改造が始まる

漆舘たくみ

2019/12/28(最終更新日:2020/01/01)


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銀座線・渋谷駅の移設工事の現場=2019年12月28日未明、東京メトロ提供映像からキャプチャ

東京有数のターミナル駅である渋谷駅で、歴史的な工事が進んでいる。

銀座線・渋谷駅が81年目にして場所を移動

東京メトロは12月27日深夜から、東京都渋谷区にある銀座線・渋谷駅の線路切替・ホーム移設工事に取り掛かっている。現在、東急東横店3階にある駅ホームを表参道駅方面(東側)に約150メートル移動し、明治通りの上空に移す。2020年1月2日までの予定で一部区間(渋谷-表参道、青山一丁目-溜池山王)を運休し、延べ5000人が24時間体制で取り組む大工事となる。連絡通路にあった周辺案内図では、さっそく新しい位置に移っていた。▼新しい駅舎の位置を示す周辺案内図。これまでは写真中央左側の位置にあった。
渋谷駅の連絡通路にあった案内地図=2019年12月28日午前に撮影

渋谷駅の連絡通路にあった案内地図=2019年12月28日午前に撮影

ちなみに、地下鉄にもかかわらず駅が地上の高い位置にあるのは、地形に理由がある。地名の通り「谷」の底にある渋谷駅は周辺より低い場所にあり、銀座線は表参道駅方面から地上に出てくる形となっている。

安全面の課題解決を目指す

渋谷-浅草駅間を結ぶ銀座線は、赤坂、新橋、銀座、神田、上野など都内の主要なビジネス街をつなぐ重要路線。中でも渋谷駅は1日約22万人(2018年度)が利用しており、東京メトロにとっても重要な拠点のひとつである。同社によると、都市部の駅では当たり前となった「整列乗車」も、戦後すぐの渋谷駅で誕生したと言われており、その混雑ぶりがうかがえる。しかし、ビル内に収まる駅舎は1938年(昭和13年)12月10日に開業して以降、大規模な改修が施されていない。乗車口と降車口が分かれていたり、ホームが狭かったり、さらにトイレやエスカレーターも設置していないなど、都心の主要駅として安全・サービスの両面で大きな課題を抱えていた。 ▼移設前の銀座線・渋谷駅の乗車口(ハチ公交差点改札)。平日朝の通勤ラッシュの時間帯はこの狭い階段に乗客が密集していた。
移設前の渋谷駅乗車口=2019年12月27日午後撮影

移設前の渋谷駅乗車口=2019年12月27日午後撮影

▼移設前の渋谷駅降車口(JR中央改札前)
移設前の渋谷駅降車口=2019年12月27日午後撮影

移設前の渋谷駅降車口=2019年12月27日午後撮影

新しい駅では、ホーム幅を6メートルから12メートルと倍に拡張。エスカレーターは2基、トイレも1カ所を新設する。2020年夏の東京オリンピック・パラリンピックまでには、エレベーター1基、ホームドア、男女仮設トイレを増設する計画だ。

社内からも「前代未聞の規模」

工事担当者によると、この大改造は社内でも「前代未聞の規模だ」という声があがった難工事。まず、高頻度で電車が走る位置に駅ホームを造ることが異例だった。主な作業時間は、終電から始発までの数時間に限られる。東京メトロは2009年から工事に着手し、これまで2回の運休伴う線路切替工事などを経て10年がかりで準備を進めてきた。また、新しい駅舎の特徴的なM字形の屋根は、資材搬入の面で対応が必要だったといい、機材を分解したり、表参道駅から運んできたりして工夫を重ねたという。移設先の直下にはJR埼京線の渋谷駅もあるため、JR側も対策本部を設置して協力体制を敷いた。
報道陣に工事概況を説明する東京メトロの担当者=2019年12月28日撮影

報道陣に工事概況を説明する東京メトロの担当者=2019年12月28日午前撮影

▼渋谷駅の線路切替工事の現場。画像手前が新駅、奥がこれまでの駅ホーム。
銀座線・渋谷駅の移設工事の現場=2019年12月28日未明、東京メトロ提供映像からキャプチャ

銀座線・渋谷駅の移設工事の現場=2019年12月28日未明、東京メトロ提供映像からキャプチャ

「渋谷のシンボルに」

移設工事は2020年夏にいったん完了するが、駅全体の改良工事は渋谷の再開発と連動しながら、東京オリンピック以降も続く。説明にあたった工事担当者は「銀座線は地下鉄だが、渋谷駅はパッと地上に出て明るくなる駅。新しい駅が街のシンボルになってほしい」と力を込めた。新しい渋谷駅は1月3日朝、供用が始まる。
新しい渋谷駅の外観=2019年12月28日午前撮影

新しい渋谷駅の外観=2019年12月28日午前撮影


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