
愛車前で合格証を掲げる大日方さん=本人提供
一言、夢は叶います!
合格証を手にしているのは、長野県の会社員・大日方夢(おびなた・ゆめ)さん。現在、大手自動車メーカー系のディーラーに勤める26歳だ。このほど「2級ガソリン自動車整備士」の技能検定を通過した。2級はほとんどのガソリン車で一通りの整備を行える資格だ。エンジンの分解や車輪周りなど、自動車の要の部分も扱えるようになる。注目を集めたのは、次の投稿だ。私事ですが、一般会社員で就職したけど、整備士になりたくて、働きながら取りました!6年かかりました。 町工場で実務経験1年→整備士3級→ディーラーで経験3年→整備士2級女だから馬鹿にされたり、投げ出したくなることもあったけど、諦めず最後まで続けて良かったです。一言、夢は叶います!

愛車前で合格証を掲げる大日方さん=本人提供
正直、自分でもそんなにいいね!が付くと思いませんでした。たくさんのコメントやDMをいただきました。今、整備士目指してますとか、今、こんな資格を目指していて元気をいただきました。頑張ります!という声です。私の投稿によって、何かを目指している人の励みになってくれたら嬉しいです。(大日方さん)
安定企業で抱いた違和感
物心がついた時から自動車を見ることや、ゴーカートに乗ることが大好きだったという大日方さん。自動車整備士だった父の背中を見て育ち、自身も「車いじり」が趣味になった。休日にはサーキットで車を走らせるほどの車好きだ。短大を卒業後、ものづくりが好きだったことから、いったんは安定したシェアを持つ県内の電機部品メーカーに就職。自動車部品も扱う企業で、技術職として1年間ほど働いたが、自分には合わないという違和感をぬぐい切れなかったという。そんなある時、実務経験があれば自動車整備士の受験資格を得られることを知る。実務経験を積み6年間かけて合格
専門学校への入学は学費面から断念し、大日方さんは働きながら学ぶ道を選んだ。電機部品メーカーを退職すると、翌月に自動車整備を行う町工場に就職。2級の受験要件である3級合格を目指して動き始める。点検整備や一般整備など、先輩の指導を仰ぎながら1年間の実務経験をみっちり積むと、さらに週2回の半年間の講習と実技試験などを経て、見事に第一段階をクリアした。
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なんでも直せる整備士になりたい

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(2級合格は)ディーラーにいる先輩たちから分からないところを教わったり、励ましの言葉などをいただいたりしたおかげだと思っています。試験に合格した時は、とても嬉しかったです。父親のような、なんでも直せる整備士になりたいと思います。(大日方さん)若き整備士の挑戦は、これからも続く。
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