HOME特集 地学オリンピックでも日本勢が大活躍!金メダル獲得の高校生「特に勉強という意識はしていません」

地学オリンピックでも日本勢が大活躍!金メダル獲得の高校生「特に勉強という意識はしていません」

漆舘たくみ

2016/09/22(最終更新日:2020/01/23)


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大会5日目。実技試験に挑む生徒たち

日本勢がともに過去最高のメダル数を記録し、大盛り上がりだったリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック。連日の熱戦報道の裏、いや、まさに地球の裏である三重県でもオリンピックが開かれていた。しかも、リオ同様、日本勢が過去最高成績を出している。

集合写真に収まる参加者

第10回国際地学オリンピックが日本初開催

国際地学オリンピックは科学オリンピック7つのうちの1つで、地学や惑星科学に秀でた学生たちの交流を促進しようと、2007年から毎年開催。世界中の高校生に相当する学生たちが集まり、地学の知識と技能を競う。参加者の成績で優秀な上位約10%に金、同約20%に銀、同約30%に銅メダルを授与する。10回目の今回が日本で初の開催。当初は2012年に茨城県つくば市で開催予定だったが、福島第一原発事故の影響で会場を変更していた。
大会5日目。実技試験に挑む生徒たち

大会5日目。実技試験に挑む学生たち

8月21~27日までの6日間、世界26か国・地域から学生100人が津市に集まり、筆記試験や実地調査などで頭脳戦を展開した。日本は国内予選を通過した男子学生4人を派遣し、みごと全員がメダルを獲得。金3、銀1という成績は、金3、銅1だった2013年スペイン大会を越えて史上最高だ。
国際地学オリンピックの競技風景

国際地学オリンピックの競技風景

化学で金、地学で金の学生が語る勉強とは

獲得した4人のうち、海陽中等教育学校(愛知県)の2年・坂部圭哉さん(16)は開催地となった三重県の川越町出身。坂部さんは地学五輪だけでなく、7月に米ジョージア州であった国際化学オリンピックでも日本勢唯一の金メダリストである。金メダル獲得について、「単純にうれしかったです。地学五輪のほうが、日本大会なのでプレッシャーもありました」と語る。
国際地学オリンピックの日本代表メダリスト4人

国際地学オリンピックの日本代表メダリスト4人。右から2人目が坂部さん

きっかけは、友達に数学オリンピックに誘われたこと。数学には参加しなかったが、好きな科学分野で国内予選を通過していった。「よりハイレベル、より高度な大会に進んでいくのが楽しかった」と振り返る。そんな坂部さんだが、五輪に向けて特に意識して勉強する時間を区切っていたわけではないという。
「勉強だけする時間が1日3~4時間。あとは気が向いたら大学の教科書を読んで覚えるようにしていました」
まさに、好きこそものの上手なれとはこのことだろう。大会本番は地元代表として注目されていると感じたという。しかし、「やっていることはどこでやっても変わらない」と競技に臨み、実力を出し切った。地元ながら初めて訪れたという熊野市の浜辺での地質調査は特に思い出深く、「写真より景色がきれいなことを体感した」という。
地学五輪5日目の実地調査風景

地学五輪5日目の実地調査風景

代表選手以外も大活躍

同大会では、開催地ゲストとして地元の生徒らも同じ競技にチャレンジした。
金メダル相当に小山雪乃丞さん(武蔵高)、銀メダル相当に大小田智暁さん(広島学院高)と山川隆良さん(開成高)、銅メダル相当に柵木裕さん(三重県立四日市高)と松山拳大さん(三重県立伊勢高)の計5人が、輝かしい成績を修めている。
地学五輪4日目の様子

地学五輪4日目の様子

坂部さんは将来について、「実は全然決められていない」と明かす。
「サイエンス(科学)全体に興味があって、物理もやっています。どの分野がいいかを決めて、サイエンスに携わる人生を送りたい」
科学の理論は万国共通。共通の体験を通して交流を深めた将来の科学界を担う学生たちの活躍を祈りたい。
※写真は地学オリンピック日本委員会の許可を得て公式サイトより転載しています。

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