HOME特集 恋人は銭湯でGET?女湯・男湯に分かれて短歌詠みあう合コン「歌垣風呂」が斬新

恋人は銭湯でGET?女湯・男湯に分かれて短歌詠みあう合コン「歌垣風呂」が斬新

漆舘たくみ

2016/06/11(最終更新日:2020/01/23)


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会場の桂湯 提供:エリッツホールディングス

合コンといえば、笑顔を固めて相手の外見や年収などを厳しく査定する戦場を想像するだろう。そんな常識に異議を申すユニークな合コン「歌垣風呂」(うたがきぶろ)を、6月17日夜に京都市西京区の銭湯「桂湯」が開く。「恋の相手を条件じゃなく、直感的に決めてほしい」と語る発案者の陸奥賢(むつ・さとし)さん=大阪市=に、企画の裏側を聞いた。
イメージ画像 出典元:123RF

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壁を挟み、声だけで交流

歌垣風呂は、まず、独身の男女各8人ずつが男湯と女湯に分かれて入浴。仕切りの壁を隔てて、3つのお題に沿った情熱を込めた31字を語り合う。参加者は適度に湯船に浸かりながら、声や歌の内容だけを頼りに、“ほぼ直感で”気に入った異性を番号で指名。入浴後に初めて全員で対面し、マッチしたカップルで連絡先を交換する。その後は店内で交流会を行い、お風呂上がりのリラックスムードで仲を深める予定だ。
会場の桂湯 提供:エリッツホールディングス

桂湯の浴室 提供:エリッツホールディングス

着眼点は銭湯特有の構造

陸奥さんが着目したのは、互いの容姿が見えないのに声だけは聞こえる公衆浴場の特殊な構造だ。これまでも銭湯文化の発信のため、落語会や音楽ライブを開いてきたが、出演者から「壁が邪魔」との声が絶えなかった。歌垣風呂は、まさに弱点を逆手に取った。当初はカラオケを想定したが、歌唱力だけで印象が決まってはつまらないと一考。奈良時代に男女が恋歌を掛け合ったという民俗行事「歌垣」をモチーフに、アイディアを練った。「即興で歌をつくるので、詠み手の実体験や性格を反映しやすい」利点があるそうだ。
桂湯の天井を飾るアート作品 出典元:エリッツホールディングス

桂湯の天井を飾るアート作品 出典元:エリッツホールディングス

2015年12月に、友人が経営する大阪市内の銭湯で第1回を開催。20~40代の男女が集まり好評を得たため、第2回を決めた。1回目では短歌の上手下手より、声質や口調で選ぶ傾向がみられたという。

アイディアの根源は淡い思い出?

一見すると奇抜な発想には、青春の甘酸っぱい思い出も絡む。中学生時代、銭湯によく通っていたという陸奥さん。たまにクラスの女子と出くわす場面があり、「いつもの学校と違って、風呂上がりの姿が妙につやっぽくて」と懐かしんだ。

お風呂屋を元気に、自由に真似して

とはいえ、歌垣風呂の最大の狙いは、「風呂屋を盛り上げたい」という熱意だ。陸奥さんは、「風呂場だからこそできる会話がある」としたうえで、「全国のつぶれていくお風呂屋さんがもったいない。この企画はオープンソース。自由に真似してもらえたら」と語った。ちなみに、独身者限定イベントながら、なぜか既婚者からの問い合わせが少なくなかったという。

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