HOME特集 お、お前は…!詐欺防げ、芸大卒お巡りさんが描く4コマ漫画

お、お前は…!詐欺防げ、芸大卒お巡りさんが描く4コマ漫画

漆舘たくみ

2016/06/04(最終更新日:2020/01/23)


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ATMから登場するだまされんこん 提供:岐阜羽島警察署

「だまされんこんっ!」還付金を受け取れると信じ込み、ATMでお金を振り込もうとするお年寄り。危機が迫る彼の前に、小さくて愛らしい輪切りのレンコンがよいしょと現れた。これは4コマ漫画「だまされんこん。」の一場面。詐欺の手口を分かりやすく紹介し、被害防止を呼び掛ける啓発漫画である。岐阜市の岐阜羽島(ぎふはしま)警察署が、公式に発行している。
だまされんこん表紙 提供:岐阜羽島警察署

だまされんこん表紙 提供:岐阜羽島警察署

作者は現役のお巡りさん

作者は、なんと同署の現役巡査長・近藤秀哉さん(25)=愛知県日進市出身=だ。普段は駐在所のお巡りさんだが、名古屋芸術大学で建築デザインを学んだ異色の経歴を持つ。岐阜県警に採用後は犯人の似顔絵や現場の見取り図を担当し、捜査の最前線で画力を発揮してきた。
提供:岐阜羽島警察署

提供:岐阜羽島警察署

そんな近藤さんの能力に注目したのが、岐阜羽島署の田代成樹署長。文章だけの注意喚起では力不足という考えがあったといい、2015年末に近藤さんにキャラクター制作を提案した。こうして誕生したのが、羽島地域特産のレンコンをモチーフにした「だまされんこん。」だ。学生時代に友人と趣味で漫画をつくった経験があったため、漫画化することになったという。

慣れぬパソコン執筆、試作は20本超

近藤さんはまず紙粘土で人形をつくり、キャラクターのイメージを固めてから執筆に臨んだ。慣れないペンタブレットを使い、パソコン上での制作。作品1本あたり2時間以上掛かったが、「ネーム」と呼ばれる試作は20本以上に及んだ。掲載した6本は、詐欺事件の担当者に確認しながら厳選した力作だ。
提供:岐阜羽島警察署

提供:岐阜羽島警察署

「もっと印象に残る作品で」詐欺防止へ

「だまされんこん。」は4ページの小冊子にまとめ、管内で配布している。分かりやすいと好評な一方、近藤さんによると、「今回は字が小さすぎるという声が多かった」という反省点も。警察庁の統計によると、全国の特殊詐欺による被害額は今年2016年1~3月だけで、すでに90億円以上に上る。警察官である叔父の姿に憧れ働く道を決めたという近藤さん。「もっと印象に残る作品をつくり、特殊詐欺の被害防止に役立ちたい」と力を込めた。※記事中の画像はすべて、岐阜県警の許可を得て転載しています。

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