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海に落ちた遭難者を助けたのはジーンズだった

Sophokles

2019/03/16(最終更新日:2019/03/15)


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Lowe Corporation Rescue Helicopter Service/Facebook

Tシャツにジーンズという格好で船から海に落ちた人が、膨らませたジーンズを浮き輪代わりにし、約3時間半後に救出されるという出来事がニュージーランドであった。

仕事でヨットを搬送中に

ドイツ出身のArne Murkeさん(30歳)はその日、兄弟のHelgeさんと2人で、全長12メートルのヨットを走らせていた。ニュージーランド・オークランド市からブラジルまで、そのヨットを運ぶ仕事を請け負ったからだった。兄弟は、ヨットに関して20年の経験がある。ニュージランド北東部のギズボーン市沖28キロメートル付近に差しかかったとき、突風で動いたブーム(帆を下から支える支柱)がMurkeさんを甲板から叩き落とした。ブームを固定するロープに緩みがあったのがいけなかった。3月6日午後2時のこと。この時、Murkeさんの腕はロープに絡まった状態でしばらくヨットに引きずられたが、数秒後にロープは自然に解けたそうだ。Murkeさんは海外メディアにこう話している。
幸運にもロープは解けました。けれど、ライフジャケットなしで海に浮かんだ状態になったんです。身につけていたのはTシャツとジーンズだけでした。Helgeは最初、手を伸ばして私を引き上げようとしましたが、うねりの高さが3メートルくらいあって無理でした。次に彼は、ロープ付きのライフジャケットを私に向かって投げましたが、船から遠ざかりすぎていた私には届きませんでした。

ジーンズに空気を入れて

Murkeさんは咄嗟に考えをめぐらし、ジーンズで浮き輪を作った。生きて帰れたのはそのせいだと彼は言う。
ジーンズのトリックを知っていたのは幸いでした。ジーンズがなければ、今私はここにいないでしょう。まさに、ジーンズに命を救われたと言っていい。
海外メディアによれば、ジーンズの中に空気を閉じ込めて浮き輪代わりするテクニックは、米国海軍特殊部隊(Navy SEALs)で使われているのだそう。Murkeさんは数年前に、何かでそれを見て知っていた。
何年も前にそれを見てから、ライフジャケットなしで海に落ちたああしよう、と思っていました。そこで私は、1度大きく息を吸ってから、海中でジーンズを脱ぎ、それぞれの裾に結び目を作り、それを水の上に持ち上げて中に空気を入れてから、再び水の中に入れました。つまり、即席のライフジャケットを作ったようなものです。

救助隊が3時間半後に発見

海を漂っている間、彼は何度かジーンズに空気を入れなおさなければいけなかった。もうだめだと思ったことが2度あったという。だが、その度に、生後10カ月になる愛娘を思って疲労と戦い続けたそうだ。沿岸警備隊と海軍が捜索に出ていたが、Murkeさんを見つけられず、結局救出できたのは3時間半後だった。ヘリコプターで引き上げられるMurkeさんの姿が、救急ヘリコプター会社のFacebookに投稿されている。危うく命を落としそうになったMurkeさんだが、海への愛は変わらないと言う。
危険は承知しています。でも怖くはありません。これからはもっと慎重にやるだけです。海に出たくないなんてことは、絶対に言いませんよ。

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