HOMEストーリー コンクリート人形に恋したシロカツオドリ、虚しく命絶える

コンクリート人形に恋したシロカツオドリ、虚しく命絶える

Sophokles

2018/02/05(最終更新日:2018/02/05)


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Friends of Mana Island/Facebook

ナイジェルと名付けられたその海鳥は、おそらく世界で最も孤独な鳥と言っていいだろう。シロカツオドリのナイジェルは、ニュージーランドのマナ島に設置されたコンクリート製デコイ(鳥をおびき寄せるための人形)の中で3年間暮らし続けた。デコイを本物の仲間だと思ってのことだ。

鳥の繁殖を狙ったデコイ設置

マナ島にいくつものデコイが設置されたのは、1976年のこと。そこで海鳥を繁殖させようという自然保護団体の狙いがあったからだ。デコイはシロカツオドリそっくりの姿で、太陽光発電装置が内蔵されており、シロカツオドリの鳴き声を発し続ける。そこにやって来た最初の1羽がナイジェルだった。

デコイに求愛し続けた3年間

ニュージーランドの自然保護区を管理するレンジャーによれば、ナイジェルがやって来たのは2015年のこと。その後デコイの中で1羽で暮らし、毎年繁殖期になると周囲のデコイに求愛を続けていたという。孤独な3年間を過ごしたナイジェルに仲間が出来たのは先月のことだった。デコイの鳴き声を再調整したのが良かったのか、新たに3羽のシロカツオドリが島にやって来た。しかし、ナイジェルには孤独が運命づけられていたようだ。先週、命絶えて冷たくなっているのが発見された。

愛の巣づくりまでしていた

ナイジェルが死んでいるのを見つけたレンジャーのChris Bellさんは、海外メディアにこう語っている。「まったく悲劇的なエンディングです。やっと希望が見えて来たというのに、こんなふうに終わってほしくなかった」デコイを設置した自然保護団体は、シロカツオドリがつがいでやって来るのを想定していたそうだ。しかしナイジェルは1羽でやって来て、コンクリートのデコイに求愛し続けた。求愛の儀式のひとつである巣作りをせっせと行ない、くちばしの先を触れ合わせる求愛行動を繰り返していたという。「ナイジェルがもう少し生き長らえれば、新しく来た仲間とカップルになって子孫を残せただろうに。残念だ」とChrisさん。3羽のシロカツオドリが住み着いたマナ島は、今後のコロニー形成が期待されている。ナイジェルは子孫を残せなかったが、「コロニーの第一発見者として名を残すだろう」とChrisさんは言う。

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