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注文から片付けまで「完全セルフの焼肉店」に注目、IT企業代表が飲食店の課題解決に挑む

長澤まき

2020/01/30(最終更新日:2020/01/30)


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出典元:十六プレスリリース

完全セルフシステムの焼肉店「焼肉じょんじょん」について、運営する株式会社十六に取材した。

セルフ焼肉専門「焼肉じょんじょん」

用意から片付けまで、全てを利用者がセルフサービスで行う焼肉店が注目を集めている。「焼肉じょんじょん」は、東京・恵比寿にあるカウンター焼肉専門「焼肉おおにし」の兄弟店として2016年4月に東京・高円寺にオープン。セルフにすることで、焼肉おおにしと同品質の肉を同店の半額で提供することを可能にした。現在は高円寺と東新宿、神奈川・川崎に計3店舗を展開している。
出典元:十六プレスリリース

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注文から片付け、会計までセルフ

利用者は入店時、店内にある電子決済付自販機でドリンクを購入。着席後はテーブル上に設置されたモバイルオーダーQRコードを読み取り、肉や野菜をモバイルオーダーする。おしぼり・紙皿・エプロン等の備品は、利用者が自分で席まで持っていく。
出典元:十六プレスリリース

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料理は番号がアナウンスされたら利用者が自分でカウンターまで取りに行く。スタッフの手が空いている時は、席まで持ってきてくれるそうだ。会計は席でキャッシュレス決済(2020年春実装予定)。食事後は、席で出たカップや紙皿などのゴミを自分でゴミステーションに捨てて帰る。
出典元:十六プレスリリース

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未経験の飲食店経営で課題に直面

完全セルフシステムの焼肉店はどのような経緯で誕生したのか?株式会社十六のおおにしじゅん代表取締役は、WEB製作やシステム開発をメインとした会社を事業の中心とするかたわら、2015年に初の飲食事業として恵比寿にカウンター焼肉専門「焼肉おおにし」をオープンした。全く経験が無かった飲食店の経営に挑む中、店舗だけではどうにもならない社会的問題として、人材不足(雇用額の高騰)・原価高騰・スタッフ教育という3つの大きな課題に直面したという。
私自身が飲食の経験が少なく、事業を進める過程で危機感がとても大きくなってきました。料理もできない・飲食店の現場もしっかりできない僕にスタッフがついてきてくれるわけがない。そこで、こんな僕でもできる=誰でもできるお店という事をずっと考えるようになりました。従来の飲食経営という概念を一切捨てて、先述の3つの問題のクリアを前提にできる業態はないのかと日々考え、そしてひとつの答えが見つかりました。それが「セルフ焼肉」でした。
提供:十六

おおにしじゅん氏 提供:十六

セルフ導入で人件費が3分の1程に

セルフシステムの導入により、人件費を従来の3分の1程度にまで圧縮することに成功。通常スタッフが行う作業の90%を利用者がセルフで負担。スタッフが担当しているのは、利用者へのセルフシステムの説明と案内・ロースターの着火・鉄板の交換・利用者が片付け終わった後のテーブルの再度のクリンリネスだけだという。
但し、とても大事なことなのですが、スタッフが余裕がある場合はお料理をお持ちしたり、ドリンクを代わりに購入して持っていったり、お片付けをお手伝いさせてもらったりします。スタバでカップを片付けようと席を立って探してるときに、近くにスタッフがいたらかわりに片づけてくれるあの感覚です。
セルフを面倒くさいと思われないような仕組み・仕掛けを作りを工夫しているという。
みんなで楽しくBBQをしているような感覚でセルフを楽しんでもらえる工夫を、今後も作っていきます。
出典元:十六プレスリリース

出典元:十六プレスリリース

スタッフ教育が最短2時間に短縮

スタッフの業務を最大簡素化したことで、スタッフ教育にかける時間も短縮できたという。
ホールスタッフは2時間、キッチンは1日の研修でそのまま即戦力に。誰でもできるを目指しました。週2日はアルバイトだけで営業してます。それ以外にも大きな利点やメリットが多数あります。・店舗開業費用や準備の大幅なコストカット・外国人労働者採用・食材ロスの解消お客様にウォークインのコンビニ感覚でお店を使ってもらう。このような観点からお客様目線を少々逸脱した感はございましたが、セルフ焼肉専門店「焼肉じょんじょん」をオープンいたしました。
場所や立地に依存しない店舗づくり・どこでも出店できる業態にこだわっているという。
セルフとキャッシュレス化により店舗管理部分は不要になります。誰でも低コストで開業できる・調理技術が必要なく料理人というカテゴリーの人材を登用する必要がない・アルバイトだけでもお店が運営できる仕組み作りをしています。
出典元:十六プレスリリース

出典元:十六プレスリリース

人件費を削減した分、安く美味しい肉を提供

削減した人件費の一部を原価に充てることにより、原価が高くてもおいしいお肉を安く提供。セルフだからこそ、満足してもらえる肉を提供することにこだわっているという。
おいしいお肉を安く食べてもらうこともこだわりです。お客様に協力して頂くのであれば、それなりにしっかり対価を提供しなければならないと思ってます。
提供:十六

提供:十六

FC展開など、更なる進化を目指す

同店には、若い学生チームから家族連れ、サラリーマンの団体、女子会、ひとり焼肉まで、様々な層の利用者が来店しているそうだ。
現在の特に若者は、「集団行動はあまりしたくないけど集団の中にいる個」としての環境を好んでいる傾向があり、同店は特にそういった世代や考えのお客様に支持されていると思います。カフェがいまやワークスペースと考えられるように、間接的コミュニケーションを苦手とする若者たちが、自分のペースでゆっくり一人で焼肉を食べたいといったニーズで訪れます。店員を呼ぶのも面倒臭い。店員を呼んでドリンクをオーダーしてドリンクが来るまでの時間すらもったいないと思う傾向もあり、新しい層が育ってきていると実感しており、今後この傾向がもっと強くなると感じてます。いろんな目的での焼肉の使い方を自由自在にアレンジできるような空間が求められていると思います。
出典元:十六プレスリリース

出典元:十六プレスリリース

同店に込める思い・ビジョンを、こう話す。
飲食店の経営と運営の厳しさや難しさは実際やってみると想像以上です。その経験から、素人でもおいしい焼肉店をもっと気軽に楽しく作れないかと思い、チャレンジとして焼肉じょんじょんをオープンしました。4年前はセルフがまだ浸透していなかったので浸透するまでにかなり時間と苦労がありましたが、ようやく時代も追いついてきており、今後モバイルオーダー・キャッシュレス・自販機等のセルフキーワードと供に、セルフ業態はどんどん加速していきます。その追い風にのりながら、FC展開も含めたセルフ焼肉の更なる進化とチャレンジを進めてまいりたいと思っています。

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