
提供:氏くん「金星時間」
新感覚のショートストーリー「54字の物語」
「54字の物語」が盛り上がりを見せている。9マス×6行の54字の原稿用紙1枚に綴られる新感覚のショートストーリーだ。
提供:氏くん「絶望への通り道」

提供:氏くん「盗まれた皿」
インスタの枠に収まり、可読性が高い
同物語を考案したのは、普通のことをポエム調に述べる「あたりまえポエム」や、お笑いのフレーズを使った「ツッコミかるた」を生み出した氏くん(@ujiqn)。氏くんによると、初期は 「#インスタ小説 」という名前でつくっていたという。インスタグラムで楽しめるようなテキスト作品をつくりたいと思ったのがきっかけです。なぜ「54文字」なのか。
試行錯誤の結果、インスタグラムの正方形の枠に収まって、可読性が高く、ある程度内容も詰め込めるのが、9マス×6行の54字でした。

提供:氏くん「監視の連鎖」
「説明しすぎない」などコダワリ
54字でストーリーをつく作るのは、やはり大変だという。次の点にこだわって作成しているそうだ。こだわりは、説明しすぎず、説明不足にもならない、上手いバランスを保つこと。あとは句読点を増やしたり漢字をひらいたりするような小手先の文字数調整はできるだけ避けることです。書籍では作り方のコツも紹介しているという。

提供:氏くん「20年前からの災い」
一押し作品を紹介!ネット初公開も
一押しの作品を紹介してもらった。【消えた贈り物】「先日研究室に送ってくれた大きなエビ、おいしかったよ。話は変わるが、例の新種生命体のサンプルはいつ届くのかね?」書籍の表紙にも載せている作品です。

提供:氏くん「消えた贈り物」
オチを直接的な表現で書かないのがポイントです。

提供:氏くん「磁石のような恋」
ネット初公開です!!このようにちょっとした知識(金星の1日の長さ)が必要な話もいくつか収録されています。

提供:氏くん「金星時間」
「教科書に載せること」が目標
今年2月に「意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語」として書籍化。4月には出版元が開催した「54字の文学賞」にSHARPの公式Twitter中の人が応募し、話題となった。書籍化した感想を聞いた。小さなお子様にも楽しんでいただけているようで、それが一番嬉しいです。

提供:氏くん「笑菌」
今後目指したいことは、学校の国語の教科書に載せることです。小中学生の「作文」といえば昔も今も400字詰めの原稿が一般的だと思います。ただ、400字、800字埋めるのを退屈に感じる子どもたちも多いでしょうし、それを読む先生も大変です。今回開発した54字詰めの原稿は、その問題を解決できると思っています。たったの54文字であれば、飽きっぽい子どもたちでも意欲的に取り組めそうです。また、簡単そうに見えて、400字を埋めるのと同じくらい、もしくはそれ以上に頭を使います。読む先生もラクができるでしょう。そして何よりも、この情報過多の時代には400字の原稿を埋められる力よりも、54文字でまとめられる力のほうが大事だと思います。54字の物語を単なる1書籍として終わらせるのではなく、新時代の原稿用紙としてもっと広めていきたいです。
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