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【取材】“発達障害の人ための婚活サイト”が開発中、一度はボツになったアイデアを諦めず実現へ

長澤まき

2018/05/25(最終更新日:2018/05/25)


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提供:ちくちく

「発達障害の方のための婚活サイト」について、株式会社ちくちくに取材した。

発達障害のための婚活サイトを制作へ

オタク限定の婚活サイト「アエルネ」を運営する株式会社ちくちくが、「発達障害のための婚活サイト」作りに取り組んでいる。発達障害の当事者だけの婚活サイトで、プロフィール交換やメッセージ交流、コミュニティ交流といった一般的な機能に加えて、発達障害ならではの「お悩み相談フォーム」や問題解決サポート、交流支援スケジューラなど独自の機能を盛り込む予定だ。すでにプロトタイプは出来上がっており、クラウドファンディングで資金を集めてさらに改良するという。
提供:ちくちく

提供:ちくちく

当事者の担当者が経験を基に提案

なぜ、発達障害を持つ人のための婚活サイトを作ろうと思ったのか。ちくちくによると、プロジェクトの担当者も発達障害の当事者だという。
担当者自身も当事者(ADHD)で婚活をしており、定型の方との結婚は難しいなと感じておりました。そのため、発達障害でも安心して使える婚活サイトがあればと常々考えていました。
数年前に会社に提案したが、その時は「まだまだ一般的でなく、ニーズが読めない」と見送られたそう。しかし、2017年ごろからさまざまなメディアで発達障害が取り上げられる機会が増え、「そろそろ時期かな」と再び提案。会社のゴーサインが出て、ようやくプロジェクトを立ち上げたという。
提供:ちくちく

イメージ図 提供:ちくちく

当事者に限定する理由は「安心感」

対象を当事者に限定する理由は、「安心感」の一言だと話す。
当事者に理解があるとおっしゃる定型の方を含めてもいいのですが、それがどの程度の理解なのか、正しい理解なのかが読めません。理解が誤っていた場合の行き違いやトラブルを避けるため、現時点では当事者限定とさせていただきます。
独自機能として予定しているお悩み相談フォームや問題解決サポートは、基本的に同社の婚活コンシェルジュと担当者が対応するが、発達障害の専門家に依頼することも検討しているという。
発達障害ならではの悩み(ADHDであれば段取りがわからない、ASDであれば自然な会話が難しい等)はもちろん、一般的な婚活の悩み(交流が続かない、温度差を感じる等)にもお答えします。また、当事者同士で解決を図るフォーラム形式のものも実装を予定しています。
提供:ちくちく

提供:ちくちく

居心地の良さも重視

ちくちくが運営するオタクのための婚活応援サイト「アエルネ」は、リリースから約4年で登録者数が延べ約4万人となり、カップル報告や成婚報告も多く届いているという。同サイトも「オタク同士だから分かりあえる、支え合える」がテーマ。登録者を限定することで、「安心感や居心地の良さを提供できていると思う」と話す。「オタクに理解がある」と言う一般の人まで含めると、その人の理解や許容範囲がどの程度のものなのかが読めず、オタクの人が委縮してしまうからだという。
たとえば、「ワンピースを毎週見ている」という程度の方に、同人誌やボーイズラブの話を振っていいものか…その点、オタク同士なら遠慮もいらず、自然体で交際できるというメリットがあります。
実際に、成婚報告でも「自然体の交際」「ありのままの自分」という言葉が多く寄せられているそうだ。

「生きづらさを減らし、当たり前の幸せを」

発達障害のための婚活サイトも、オタク婚活と同様に「安心感」と「居心地の良さ」にこだわりたいと考えているそう。安心して利用してもらうため、登録時は「公的証明書による本人確認」を必須に。また、「24時間体制のメッセージチェック」や「通報機能」など、万全の体制を敷くという。
同じ悩みと目的を持った者(結婚したい当事者)同士で支え合うことのできる、コミュニティ要素の強い婚活サイトにできればと思っています。このサイトによって当事者の方に「生きやすい世界」を提供したいです。QOL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)向上というと大げさですが、少しでも生きづらさを減らし、当たり前の幸せを当たり前に享受できる、そんな仕組みづくりの一助になればと思っています。

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