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【取材】元ガングロギャルが「東北にセンター街」をつくるプロジェクトを進行中

長澤まき

2018/02/25(最終更新日:2018/02/23)


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提供:Next Commons Lab 遠野

岩手県遠野市に「センター街」をつくるプロジェクトについて、一般社団法人Next Commons Lab遠野に取材した。

「多様な人が生きやすい拠点」づくり

地域に新しいコミュニティや産業をつくる一般社団法人Next Commons Lab(NCL)が、遠野市に多様な人が生きやすい拠点スペースをつくるプロジェクト「元ガングロ。東北にセンター街をつくる!」を進めている。市内の商店街にある空き店舗を改修し、小中学生が立ち寄って宿題をできるようにしたり、映画鑑賞やワークショップを開催したりなど、多様な人が行き交う空間をつくるプロジェクトだ。プロジェクトリーダーの家冨さんは、多感な時期を東京で過ごした元ガングロギャル。クラウドファンディング「CAMPFIRE」で2月25日まで支援を募集している。
提供:Next Commons Lab 遠野

提供:Next Commons Lab 遠野

自身が「居場所を見つけた経験」から発案

同プロジェクトは、リーダーの家冨さん自身の、東京・渋谷のセンター街で自分らしく生きることができる「居場所」を確保した経験から生まれたという。家冨さんはかつて都内で暮らしていたときに、さまざまな苦労を感じて“居場所のない生活”を送っており、当時流行していたガングロギャルとして、親や世間への反発精神をエネルギーに生きていたそう。そんな家冨さんを救ってくれたのが、多様性あふれる「渋谷センター街」だったという。奇抜な服装や髪型、個性の強い人たちなど、それぞれが個性を生かして自由に生きている渋谷センター街に、これまで感じたことのない居心地の良さを感じたそうだ。

東日本大震災を機に東北へ

家冨さんは2011年3月の東日本大震災を機に、12年に遠野市に引っ越した。ボランティアなどで地域活動に関わり、16年にNCL遠野に立ち上げメンバーとして参加。17年には市内でスナックをオープンした。
震災を境に、生きる力を見つめ直すこと、そして生産の現場を知ることを目的に東京から遠野へ移住しました。「みどりのふるさと協力隊」という1年の農村ボランティアでしたが、その後も遠野の郷土芸能や地域づくりの面白さから遠野に住み続けています。
提供:Next Commons Lab 遠野

提供:Next Commons Lab 遠野

「個性を認め、自由に生きれる社会」を目指す

センター街化プロジェクトを「遠野」で始めるのは、自分が住んでいるというシンプルな理由に加えて、「地域で生活していると、人口が少ない分、顔も知ってるし、誰がどこで何をしているかという情報が入りやすくなる」という背景もあるという。その関係性と距離感は、そばに味方がいるという安心感がある一方で、固定されたコミュニティ特有の動きづらさ、生きにくさようなものを感じる人もいるそうだ。
ですので、そこに居づらくなると、途端に逃げ場のない苦しい場所になってしまうという問題があります。そういう意味でも、このプロジェクトを地方で立ち上げることにしました。
「生きづらさ」と向き合い、社会・地域の中で多様性を担保していくための解決策の1つとして、多感な子どもたちと大人がスペースを共有し、自由に交流できる場所をつくるのが、同プロジェクトの取り組み。それぞれの個性や特性が認められ、自由に生きることができる社会を作りたいと思っているという。
提供:Next Commons Lab 遠野

提供:Next Commons Lab 遠野

風通しの良い空間に

拠点づくりあたっては、「とにかく風通しの良い空間にすること」にこだわっている。
誰でも気軽に立ち寄れる居場所であることが何より大事ですので、雰囲気や環境は設計士さんと綿密にプランを作っています。
「交流を生むこと」も工夫しているという。
講義などの学びの場、年代問わず参加できるイベント、外部から来た人が泊まれる機能をつくることで、大人やこども、外の人と中の人が交わり、新しいことが生まれていく場所にしたいと思っています。特に地元の中高生と移住者である我々が交流することはとても重要であり、幅広い生き方を若いうちから知って欲しいですね。
拠点は年齢や理由を問わずに誰でも利用可能。講義やワークショップ、映画やイベントなどを用意したいと思っているそうだ。180122_CF繝倥z繝シ繧キ繧咏エ譚・cf40

地元の人も、新しいアクションを応援

プロジェクトの拠点は、かつて「ひと千、馬千」と言われる賑わいを見せた遠野の中心地・一日市通りに位置しており、隣にはNCL遠野の活動拠点がある。NCLの取り組みを、商店街の人たちも応援してくれているという。
商店街の方々には立ち上げ時からなにかとお世話になっていました。今回のプロジェクトやNCL遠野の活動が、商店街を利用する人が増える一つの理由になればいいなと思っていて、商店街組合の方々と意見交換をしたり、相談をさせてもらいながら進めています。うまくいくことばかりの毎日ではないし、場づくりって時間のかかるものだと思っているのですが、新しいアクションを応援してくれています。
提供:Next Commons Lab 遠野

提供:Next Commons Lab 遠野

ゆくゆくは商店街全体を「センター街」へ

今回の拠点づくりをきっかけに、将来的には商店街の空き店舗や空き駐車場も活用してさらに多様な人の流れをつくり、商店街全体を多様な人々を受け入れてくれる「センター街」にしたいと思っているそう。
拠点のある商店街には、とてもお世話になっていますので、商店街全体が元気になってくれると嬉しいと思っています。
最終的には日本各地にこういった「誰にでも開かれている場所」を作ることで、「生きづらさを抱える若者が減り、それぞれの個性や特性を生かすことのできる社会になって欲しい」と考えているという。
提供:Next Commons Lab 遠野

提供:Next Commons Lab 遠野

人生をかけて、遠野を全力でいい場所に

家冨さんが同プロジェクトで自身の過去や伏せておきたい思い出などもすべて公開した理由を、こう話す。
すぐ近くで同様な問題で悩む高校生がいたり、生きづらさを抱える人がスナックに来たり、別の地域でも同じような悩みを抱えている人がいると聞いて、「地域における生きづらさ」を解決しなければいけない、と思ったからです。私自身の人生を懸けたプロジェクトだと考えておりますのでこの拠点を通じて、様々な人が新しい道を歩み出すきっかけが作り出せたら嬉しいと思います。
180122_CF繝倥z繝シ繧キ繧咏エ譚・18641508_10203058034767295_1045687519_o 縺ョ繧ウ繝偵z繝シ 2今回の発信で他地域に住む人からも反響があったといい、将来的には他の地域での拠点づくりにも関わりたいと思っているという。
その時は移動型スナックなども含めて、大人も子供も交流できるような企画などを考えられたらいいですね。ただ、今は遠野を全力でいい場所にしたいと思っています!

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