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人は高い場所にいると大局的な意思決定をするとの研究結果

近藤辰也

2014/07/12(最終更新日:2014/07/10)


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123RF

いつも使っている椅子より高さのある椅子に座ったり、高い階から外を見たりすると、なんとなく気持ちが大きくなるような感じがするが、カナダのトロント大学の研究により、自分がいる高さをどう認識するかで物事の決め方に違いが出ることが分かった。

高さの異なる状況を設定

研究を行ったのは、マーケティングを専門とする、経営学部准教授、Pankaj Aggarwal博士とMin Zhao博士。46~107人の大学生を被験者とし、高さの異なる椅子に座らせる、地上レベルの景色もしくは高層ビルから見える景色の映像を見せる、あるいは自分が高さの異なる特定の場所にいると想像してもらうなど5種類の状況を設定して、それぞれの状況で言葉を選択したり、職業の選択をしたりするテストを行った。

高い場所にいると解釈している場合、大局的な考え方をする

実験の結果、自分が高い場所にいると解釈している被験者は、意思決定をする際、より大局的なアプローチを取る傾向にあることが分かった。

こうした傾向は“心的解釈”と呼ばれる現象に関係しており、人は自分が高い場所にいると解釈している場合、「なぜ?」(理由)をベースに意思決定をし、低い場所にいる場合、「どのように?」(手段)をベースに意思決定をするのだとか。

たとえば、新しい机を買うかどうか考える場合、高い場所にいる人は「自分にはなぜこれが必要か?」と大局的に考えるが、低い場所にいる人は「これをどうやってオフィスに置くか? どのような配置にするか?」など、より現実的な視点で考える。

マーケティングに応用可能

この現象を販売促進に応用することも可能だそうだ。たとえば、ショッピングセンターやデパートの上層階では、より多機能、高機能の商品(実際にその機能が活用されるとは限らない)を販売し、下層階や地下では実用性の高い商品、格安の商品(実際に活用される可能性が高い)を販売する。

自動車販売業者が顧客に売り込みをする場合、車高のあるSUVを試乗した顧客には値引きではなく、付加価値のあるオプションをサービスとして提供し、セダンを試乗した顧客には値引きによるサービスを提供する。

今回の研究は実験に基づくものだったが、今後は高層階に住む人に大局的アプローチを取る傾向があるのかどうか、このような現象がどの程度持続するのか、といったことも検証していきたいと研究者は述べている。

Aggarwal博士らの研究は米国マーケティング協会の専門誌『Journal of Marketing Research』に発表された。[netarika href="self"]「IRORIO」でこの記事の完全版を読む[/netarika]


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