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買い物をするときになかなか決断ができない、レストランで注文が決まらない、いったん決めたあとも「これでよかったのか?」と思ったり、ほかの人が買ったり注文したりしたものを見て「あっちにすればよかった」と後悔する。こんな経験は誰にでもあるだろう。いわゆる「隣の芝は青い」というやつだ。
消費者行動研究の専門誌『Journal of Consumer Research』に発表予定のロンドンビジネススクールの研究によれば、自分がした選択を「これでいいのだ」と締めくくるには、それに関連する、具体的な“身体的経験”をすると、選択後の後悔を回避できるのだとか。
たとえば、すでに多くの人が無意識のうちに行っているかと思うが、レストランでオーダーをする場合、メニューをぱたんと閉じる行為が「これでおしまい、締めくくり」と自分に認識させることになる。また、企業の人事担当者が採用を検討している応募者の書類や履歴書をクリップボードに挟んだりする行為は、そのようにして書類に実際に「重さ」を加え、「これは重要なもの」と自分に認識させている。
選択後に後悔をしないようにするには、一度排除した選択肢を「ドアを閉める」「蓋をする」といった具体的な行為を通じて視界からも排除することが効果的なようだ。商品やサービスを提供する側であれば、レストランではメニューをカードタイプではなくブックタイプにする、衣料品店では客が複数の選択肢からいったん排除したものを視界から消してあげるといった配慮をすると、選択に関する顧客の後悔を最小限にとどめ、満足度を上げることができる。
「自分は優柔不断だ」と思う人は、こうした実際の行為で認識させるというやり方を試してみるといいかもしれない。
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