
道外からの「買って応援」
同社のある七飯町は、震度4を記録。設備などの破損はなかったが、停電の影響で1日ほど営業を休止した。幸いにも冷蔵設備や品質管理に問題は起こらず、9月下旬から11月上旬までの仕込みの季節も無事に乗り越えた。しかし、例年通りとはならなかったのが売上だ。地震発生直後、函館への観光客は大幅に減少しました。函館山ロープウェイ乗り場など函館市内観光地の土産物店や赤レンガ倉庫街にある直営店など、観光客が訪れる場所での販売は、観光と連動して大きな影響がありました。それだけではありません。停電の影響で流通が途絶え、北海道住民の消費も生活必需品中心となり、スーパーや量販店での消費が大きく落ち込みました。これはほかのアルコールメーカーさんも同じです。(佐藤取締役)

弊社のECサイトでは、応援メッセージを添えて商品を購入してくださる方が目立ちました。出店した各地の北海道物産展でも、多くのお客さまよりお声掛けいただくとともにご購入いただいております。個人だけではなく業者からも、「こんなに注文してくれるの?」と驚くぐらいの発注があり、応援してくれているんだなと感じました。ワインだけではなく、道産品を購入して北海道を応援して下さるお客様が増加しています。10月以降は復興割の影響もあり、週末を中心に個人の観光客が増加傾向へ。販売面でも昨年の動向に近づいてきました。しかし、インバウンドも含めてまだ完全には戻ってきていないように思われます。年明け以降は報道も減って、人々の記憶から少しづつ薄れていくことでしょう。年明け以降の復興割効果や春節などによる函館圏への観光客流入に期待をかけています。
地元七飯への強い信頼
地震の影響を聞いていく中で強く感じられたのは、七飯町という土地への強い信頼だった。はこだてわいんは、創業40年を超えるワインメーカー。観光客だけではなく、函館を中心とした道南地区で愛されるワイナリーだ。観光客や地元住民の間では、すでに“函館のワイン”として定着している。▼地元では年配の人からも愛されているワイン「年輪」
七飯町など函館周辺のワイン産地としてのステータスは、これから上がっていくでしょう。七飯町ではリンゴが特産品ということもあり、シードル造りにも力を入れています。函館を名乗れるワイナリーが増えていく中で、私たちはこれからも新しいチャレンジを続けていくつもりです。▼はこだてわいんの自社畑

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