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「メリットは数え切れないほどある」ペットの“忌引き休暇”を推奨する米企業に話を聞いてみた

沢海 輝

2016/04/08(最終更新日:2017/02/09)


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愛する人と永遠の別れは辛いもの。それが例え動物だからといって悲しみが軽くなるわけではない。以前IRORIOでもお伝えしたが、昨今海外では、ペットが亡くなった際に有給で休みがもらえる忌引き休暇制度を取り入れる企業が増えてきているという。そこで今回は、同制度を導入しているアメリカのある企業に、その仕組みや利用する社員の反応について話を聞いてみた。

ペットの死で有給休暇1日付与

ワシントン州シアトルに本拠地を置くTrupanionは、ペットのための医療保険会社。加入数は27万“匹”を誇っており、北米で2番目に大きなペット保険企業だ。
Trupanion

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同社では、社員の飼っているペットが亡くなった場合、慶弔休暇として有給の休みを1日分付与するそう。同社の広報担当Trang Nguyenさんに話を聞いてみた。―いつ頃からこの制度を実施しているのですか?理念は当社が始まった時からあったのですが、正式に導入したのは5年前からです。以降、現在までに12名以上がこの制度を利用しています。―導入したキッカケは?社員の士気向上のためです。当社の社員は動物が大好きで、ペットは家族の一員のようなもの。ペットを失う痛みは、子どもを亡くすのと同じくらい大きいときもあります。
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社員の精神的安定を大切にしたいというところから、制度導入のインスピレーションを得ました。

鳥やフェレット、うさぎも対象

―制度を利用した社員からの反応はどうでしたか?愛するペットを失った悲しみを受け入れる時間が得られるとして、皆とても喜んでいます。社員の中には、ペットの死でショックを受けている子どもと一緒にいるためにこの制度を利用した者もいました。―対象は犬や猫だけですか?その他の動物は?特に制限は設けていません。
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犬や猫だけではなく、馬や鳥、フェレットやうさぎを飼っている社員もいるためケース・バイ・ケースで判断します。愛するペットを亡くした時に受ける精神的なショックを考慮するので、もし喪失感が大きく業務に支障がでるようであれば、(ペットの種類を問わず)ゆっくりと休んでもらいたいと考えています。

悪いところゼロ、イイとこばかりの制度

―メリットとデメリットを教えてください。今のところ、デメリットはありません。逆にメリットは数え切れないほどあります。この業界で働いていると、ペットの死を思い出してしまうタイミングがしばしありますが、悲しみを乗り越える時間をしっかりと設けることで、仕事の生産性を欠くことなくいつもの業務に復帰できるのです。社員数の多い会社ですが、すべての社員がこの制度をとても尊重してくれています。

休暇の日数を増やす可能性も

現時点では悪いところが見つからないというTrupanionの特別休暇制度。ペットの健康と密接に関わっている同社ならではの福利厚生ではあるが、社員のパフォーマンス向上のためには精神面のケアが欠かせないというのは、どの業界でも同じことが言えるだろう。Trupanionでは今後、ペットの忌引きで付与される休暇日数を増やすことを検討しているそうで、Nguyenさんは、「社員が悲しみを乗り越える過程を全力でサポートし続けます」と語ってくれた。

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