HOME特集 やけになって受けた依頼がキャリアの転機に。ウクライナで人気の女性画家が壁アートを描くわけ

やけになって受けた依頼がキャリアの転機に。ウクライナで人気の女性画家が壁アートを描くわけ

Ericolatte

2019/07/28(最終更新日:2019/07/26)


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提供:Lilit Sarkisianさん

ウクライナの首都・キエフを拠点に活躍するアーティスト兼イラストレーターのLilit Sarkisianさんが手掛ける、壁一面に大きく咲き誇る花々を描くウォールアートが素敵だと話題を呼んでいる。彼女はホテル、レストラン、カフェ、結婚式場、サロン、そして個人の邸宅などからオーダーを受け、この印象的なアートで空間を彩る。Instagramでは5万4000フォロワーを誇る、大活躍中のLilitさんにアートへの思いを聞いた。

重要なのはクライアントとの意思疎通

───デザインはどのように決められているのですか。
オーダーをくださるお客様は、私のアートをよく知っている方で、私のことを完全に信頼してくださっています。普段は、お客様が完成図面のイメージを提示し、「これを描いて!」と後は私に一任してくださいます。これはアーティストとして、この上ない喜びでもあります。私の全ての作品に、パワフルなエネルギーがあふれているからこそだと思います。
Lilit Sarkisianさんより提供

Lilit Sarkisianさんより提供

壁の素材や、サイズ、全体の複雑さなどによって異なるものの、1作品にかかる期間は平均およそ1週間だという。───作品へのこだわりや、大切にしていることを教えてください。
私が大切にしていることは、手掛ける作品が、自分の内にある世界を表現しているということだけでなく、オーダーをくださったお客様の世界とも一致するということです。結局のところ、私が作品を描き終わったら、その後にその作品と一緒に過ごすのはお客様なのです。作品の質に関しても、こだわりをもってやっています。作品は私の名刺であり、顔であり、私はそれに誇りをもっていたいと思っています。作品を描く行程の中で、お客様とのコミュニケーションも大切にしています。お客様の価値観とマッチすることができない場合は、いくらお金を支払うと言ってくださる時でも、大抵はお断りしています。
Lilit Sarkisianさんより提供

Lilit Sarkisianさんより提供

商業イラストレーターを経て現職に

柔らかいタッチと優しい色合いの花々で部屋を彩る彼女の作品は、今でこそ完成された素晴らしいアートだが、最初から確立されたものではなかったという。───Lititさんのこれまでのキャリアについて教えてください。
8年間、世界的たばこメーカーのフィリップモリスやペプシコーラなどといった、いくつもの世界的有名ブランドで、商業イラストレーターとしてキャリアを積みました。しかし、どこかの時点で、ふと「紙面を超えたい」という衝動に駆られるようになりました。もっと大きなスケールで作品を創ってみたくなったのです。しかし、そんな機会はどこにも転がっていませんでした。そんな時、キエフのコーヒー店から初めて店内のウォールアートを頼まれ、私はやけになって承諾してしまったのです。そういったこともあり、私はその後自分が求めていることをはっきりと認識し、ウォールアートをもっとやりたいと思うようになりました。それからは、次々とオーダーを受けるようになり、今ではたくさんの仕事をいただいています。2~3年前からウォールアートを仕事として手掛けるようになりましたが、ありがたいことに、2019年末までスケジュールはいっぱいです。
Lilit Sarkisianさんより提供

Lilit Sarkisianさんより提供

───これまで困難だったことなどはありましたか。
私はアートの教育を受けたわけではなく、全て独学でしたので、最初は困難ばかりでした。最初は無料で雑誌や大企業のために作品を描いていて、私自身、どうしたら自分のアートでお金をいただけるようになるのか分からず、クライアントにだまされたことも多々ありました。すごく厳しい期間でしたが、「何もしない人だけが間違いを犯さない」ということわざが表すように、過去に色々な経験をしたからこそ、今の私があると思っています。私はそれを誇りにも思います。
決して順風満帆ではなかったようだが、困難な道を乗り越えてLilitさんは、自分自身の力で、自身のビジネス、信用、そしてブランドを築き上げた。彼女は最後に、ファン、クライアント、パートナー、そして自分のことを取り上げる編集者やジャーナリストへの感謝の気持ちを語ってくれた。彼女の挑戦はまだ始まったばかりだが、すでにこの先が楽しみだ。

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