清藤秀人さんの記事一覧

  • 新ハイブリッド恐竜インドラプトルは人間を欺く?「ジュラシック・ワールド╱炎の王国」の楽しみ方

    新ハイブリッド恐竜インドラプトルは人間を欺く?「ジュラシック・ワールド╱炎の王国」の楽しみ方

    大画面を悠々と闊歩する恐竜映像が圧巻だった「ジュラシック・パーク」(1990年)から約20年後に作られたシリーズ第5作。SF作家、マイケル・クライトンの原作を基に、バイオ・テクノロジーによって現代に蘇った恐竜たちを、テーマパークで放し飼いにするというアイデアと、そのことがもたらす矛盾点は最新作にも引き継がれている。そして勿論、毎回の売りであるアップデートされた新・恐竜の恐るべきビジュアルとスキル

  • ハリソン・フォードの残像と決別!スピンオフ作品第2弾「ハン・ソロ╱スター・ウォーズ・ストーリー」

    ハリソン・フォードの残像と決別!スピンオフ作品第2弾「ハン・ソロ╱スター・ウォーズ・ストーリー」

    メインシリーズの最新作「スター・ウォーズ╱最後のジェダイ」が公開されてから、まだ半年が過ぎたばかり。なのに、早くも「ローグワン╱スター・ウォーズ・ストーリー」(これも約1年前の公開)に続くスピンオフ映画の第2弾が公開される。「作品多過ぎ」との批判は勿論あるが、今回は観ないわけにはいかないだろう。何しろ、描かれるのはシリーズで最も魅力的なサイドキャラ、ハン・ソロの、知られざる若き日の姿なのだ。シリ

  • 山火事は空からではなく地上で消せ!!森林消防隊の実話を基にしたヒューマンドラマ「オンリー・ザ・ブレイブ」

    山火事は空からではなく地上で消せ!!森林消防隊の実話を基にしたヒューマンドラマ「オンリー・ザ・ブレイブ」

    ホットショット(精鋭部隊)とは“消防界のネイビーシールズ”。山火事が発生するや否や、即行で現場に急行し、鍛え上げられた肉体と消火技術を駆使し、延焼を食い止める選りすぐられた森林消防隊のことだ。「オンリー・ザ・ブレイブ」は、アメリカのアリゾナ州、プレスコット市に実在する20人のホットショットの、文字通り命がけの消火活動を事実に基づき映画化したデザスタームービーであり、同時にヒューマンドラマでもある

  • パルムドール受賞作「万引き家族」は忘れ去られた“一家団欒”を通して直視したくない現実を突き付ける

    パルムドール受賞作「万引き家族」は忘れ去られた“一家団欒”を通して直視したくない現実を突き付ける

    今年のカンヌ映画祭で審査委員長を務めたケイト・ブランシェット以下、審査員全員一致で最高賞のパルムドールに決定した作品「万引き家族」。英語題名“SHOPLIFTER”は、そのまま「万引き」を意味する。カンヌでは過去に置き去りにされた子供たちの生活を描いて、主演の柳楽優弥が主演男優賞に輝いた「誰も知らない」(2004年)や、子供の取り違え事件を題材にした「そして父になる」(2013年)が審査委員賞を

  • R指定のマーベルヒーロー再び!「デッドプール2」も過激な下ネタ&バイオレンス満載!!

    R指定のマーベルヒーロー再び!「デッドプール2」も過激な下ネタ&バイオレンス満載!!

    個性豊かなマーベルヒーローの中でも、他の誰もやらない自虐ネタとちょっぴり過激な性描写と暴力シーンが受けて、全米ではR指定映画として史上最高の興収を弾き出した「デッドプール」(2016年)。あれから2年。期待通りR指定が付いた続編では、超人兵士計画の被験者として不死身のボディを手に入れたデッドプールことウェイド・ウィルソンの相変わらずヒーローとは思えないヘタレな活躍が描かれる。自分を“俺ちゃん”と

  • フェイクジャパンがぎっしり詰まったストップモーションアニメ「犬ヶ島」に注がれた高い美意識

    フェイクジャパンがぎっしり詰まったストップモーションアニメ「犬ヶ島」に注がれた高い美意識

    日本が舞台のストップモーションアニメ「犬ヶ島」。「鬼ヶ島」ではなく。このどこかニセモノ臭いタイトルの映画の舞台は、近未来のメガ崎市。川崎市ではなく。とまあ、エセ日本要素を挙げればきりがないのだが、監督のウェス・アンダーソンはハリウッドでも希有な美意識の持ち主。かつて、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001年)ではフィラやラコステなどのスポーツブランドをリアルクローズに用い、スポーツウェアのタ

  • 「ビューティフル・デイ」右手にハンマー左手に鎮静剤を持った必殺仕事人演じるホアキン・フェニックスがやばい!

    「ビューティフル・デイ」右手にハンマー左手に鎮静剤を持った必殺仕事人演じるホアキン・フェニックスがやばい!

    クライム・サスペンスはジャンル映画の中でも特に人気が高い。主人公が巻き込まれる怪事件の背後から、闇の世界に棲む魑魅魍魎が次々浮かび上がる恐怖の連鎖と、なかなか解き明かされない謎の究明が、終映直前まで観客の好奇心を捉えて離さないからだ。来月早々公開される「ビューティフル・デイ」も一応クライム・サスペンスに属するけれど、作品のテイストはもっと複雑で魅力的。ホアキン・フェニックス扮する元軍人で、今は行

  • 巨獣よりもザ・ロックさまの不死身度がヤバい?モンスターパニック「ランペイジ」でストレス発散!

    巨獣よりもザ・ロックさまの不死身度がヤバい?モンスターパニック「ランペイジ」でストレス発散!

    巨大怪獣が人を食い散らかし、そのパワーで町を破壊し尽くす!!「ジュラシック・パーク」(1993年)に始まり、モンスター映画の草分け的作品を最新視覚効果で蘇らせたリメイク版「キング・コング」(2005年)、そして、コングの起源を描いた「キングコング髑髏島の巨神」(2017年)へと受け継がれてきた無敵のジャンル映画が、遂にここに極まった!そう大仰にも断言できるのが「ランペイジ巨獣大乱闘」だ。内容はほ

  • シリーズ興収1兆4000億円!最新作「アベンジャーズ╱インフィニティ・ウォー」キーワードは“ケミストリー”

    シリーズ興収1兆4000億円!最新作「アベンジャーズ╱インフィニティ・ウォー」キーワードは“ケミストリー”

    マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属するスーパーヒーローたちの単独主演作と、彼らがチームを組む「アベンジャーズ」シリーズとを交互に製作し、シリーズ最高のメガヒットとなった前作「ブラックパンサー」まで、数えて全18作。その全興収は実に1兆4000億円超!! そして、シリーズの分岐点になると言われる最新作「アベンジャーズ╱インフィニティ・ウォー」が、いよいよ本日公開となった!そこで、い

  • 女子フィギュア界の闇が今明らかに!ライバル殴打事件の真相に迫る衝撃の実録ドラマ「アイ、トーニャ」

    女子フィギュア界の闇が今明らかに!ライバル殴打事件の真相に迫る衝撃の実録ドラマ「アイ、トーニャ」

    1994年のリレハンメル冬期オリンピックで誰よりも注目を集めた2人の選手がいた。それより1ヵ月前、オリンピック代表選考会を兼ねたフィギュアスケート全米選手権で、競技前に何者かに膝を殴打され、欠場を余儀なくされたナンシー・ケリガンと、後に殴打事件に関わったことを認めたライバルのトーニャ・ハーディングである。その後、アメリカ代表として共にリレハンメルにエントリーした2人が注目の的だったことは言うまで

  • VR型オンラインゲームの世界が映画に!1980年代ネタ満載のスピルバーグ作品「レディ・プレイヤー1」

    VR型オンラインゲームの世界が映画に!1980年代ネタ満載のスピルバーグ作品「レディ・プレイヤー1」

    去る3月11日にアメリカのオースティンで開催された世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル、サウス・バイ・サウスウエスト、略してSXSWでお披露目された際、来場者たちから熱狂的に支持された話題のVR映画がある。日米の1980年代“オタクカルチャー”から多大な影響を受けたというゲーム小説作家、アーネスト・クラインが2011年に発表した原作「ゲームウォーズ」を、巨匠スティーヴン・スピルバー

  • 怪獣マニア&ロボットファン感涙「パシフィック・リム  アップライジング」決戦の地は東京!

    怪獣マニア&ロボットファン感涙「パシフィック・リム アップライジング」決戦の地は東京!

    今年のアカデミー賞を制した「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロ監督が溢れる“日本愛”を注入した前作「パシフィック・リム」から5年。待望の第2弾「パシフィック・リムアップライジング」はクライマックスの舞台を富士山に設定する等、一層日本フレンドリーなSFロボット・アクションとしてファンの前に提示される。「ゴジラ」に代表される日本の特撮映画に造詣が深いことで知られるデル・トロが、太平洋

  • アフガンにいち早く足を踏み入れたアメリカ兵12人の実話が深く胸に刺さる映画「ホース・ソルジャー」

    アフガンにいち早く足を踏み入れたアメリカ兵12人の実話が深く胸に刺さる映画「ホース・ソルジャー」

    2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ。時のブッシュ政権は直ちにテロの首謀者をウサマ・ビン=ラディン及びアルカイーダと特定し、自国が主導する有志連合諸国と反タリバン政権が支配する北部同盟と協力し、“不朽の自由作戦”と称する武力攻撃を開始する。作戦は一応2014年に完了するが、昨年トランプ大統領はアフガン駐留軍を増強すると発表し、世界に衝撃が走った。さて、その“不朽の自由作戦”が遂行さ

  • オスカー女優ジェニファー・ローレンスが初フルヌードに挑戦したスパイ映画「レッド・スパロー」

    オスカー女優ジェニファー・ローレンスが初フルヌードに挑戦したスパイ映画「レッド・スパロー」

    ロシアが海外で過激な諜報活動を行っていることは、過去の事例から見ても明白だろう。3月5日には、英国西部ソールズベリーの商業施設で、英国諜報部MI6に協力していた元ロシア人スパイのセルゲイ・スクリパリ氏(66歳)が、神経剤を投与されて重体に陥ったと、英国政府が発表したばかりだ。また、2010年にはもっと世界を驚かせる事件が発覚した。ロシアの指示によりアメリカで諜報活動を行ったとして拘束された11人

  • 早くも今年最強のファッション・ムービー&心理スリラー「ファントム・スレッド」

    早くも今年最強のファッション・ムービー&心理スリラー「ファントム・スレッド」

    1人の天才的なファッション・デザイナーと、彼と恋に落ちる美しいモデルとの心理的な格闘を描いて、世界中を仰天させ、今年のアカデミー衣装デザイン賞に輝いた話題作がある。「ファントム・スレッド」だ。まずは、物語の概要を紹介しよう。舞台は1950年代のロンドン。社交界から王室にまで顧客を持つ人気デザイナー、レイノルズ・ウッドコックは、注文が来ると自宅兼アトリエに籠もり、型紙が出来上がるとそれをお抱えのお

  • ディズニー╱ピクサー最新作「リメンバー・ミー」はかつてないほど日本人フレンドリー!

    ディズニー╱ピクサー最新作「リメンバー・ミー」はかつてないほど日本人フレンドリー!

    常に設定の奇抜さと最新鋭の視覚効果を駆使した斬新なビジュアルで進化を遂げてきたディズニー╱ピクサーのアニメーション。彼らの弛まぬ努力は最新作「リメンバー・ミー」でまたも前作超えを達成している。まずは、設定。舞台はメキシコのとある町。天才的な少年ギタリスト、ミゲルは同じ町出身の伝説的シンガー、デラクルスに憧れているが、ミゲル一家では過去に起きた悲劇をきっかけに、なぜか家族内で音楽を聴くことも、奏で

  • ヒュー・ジャックマンが来日して熱くPRしたミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」

    ヒュー・ジャックマンが来日して熱くPRしたミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」

    去年、観た人の口コミでロングランヒットになり、「レ・ミゼラブル」(2012年)以来、久しぶりに日本の映画ファンにミュージカルの楽しさを教えてくれた「ラ・ラ・ランド」。主題歌の“AnotherDay of Sun”がヒットチャートの1位に躍り出るなど、ハリウッド映画が、それも大作ではない小品が、一種の社会現象になったのも実に珍しい出来事だった。その「ラ・ラ・ラ」の作詩・作曲コンビ、ベンジ・パセック

  • アカデミー賞レース第5弾|ジャーナリズムの在り方を問う「ペンタゴン・ペーパーズ╱最高機密文書」

    アカデミー賞レース第5弾|ジャーナリズムの在り方を問う「ペンタゴン・ペーパーズ╱最高機密文書」

    過去アカデミー賞(R)の監督賞を「シンドラーのリスト」(1993年、作品賞とダブル受賞)と「プライベート・ライアン」(1998年)で2度受賞している巨匠スティーヴン・スピルバーグ。2度のオスカー受賞は史上最多4回のジョン・フォード、3回のウィリアム・ワイラーとフランク・キャプラに次ぐ快挙である。そのスピルバーグが今年のアカデミー賞では残念ながら監督賞の候補から漏れたものの、堂々、作品賞と主演女優

  • アカデミー賞レース第4弾|最年少での主演男優賞受賞に注目が集まる「君の名前で僕を呼んで」

    アカデミー賞レース第4弾|最年少での主演男優賞受賞に注目が集まる「君の名前で僕を呼んで」

    2月に突入して賞レースは一気にヒートアップして来た。先日発表された第70回全米監督組合賞(DGA)は、予想通り「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロに。しかし、賞レースのクライマックスを飾るアカデミー賞(R)の投票者は俳優が最も多いことから、作品賞は演技陣が充実している「スリー・ビルボート」に行くのでは?との見方もある。「シェイプ」VS「スリー」のデッドヒートは全く予断を許さない状

  • アカデミー賞レース第3弾「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」

    アカデミー賞レース第3弾「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」

    アカデミー賞(R)は実録ものが大好き。中でも、戦争を独自の視点で検証した作品は特にオスカー・フレンドリーで、過去に「アラビアのロレンス」(1962年、第1次大戦)「プラトーン」(1986年、ベトナム戦争)、「ハート・ロッカー」(2008年、イラク戦争)と、各時代ごとに戦争の時代と、関わった人物の内面に迫った傑作が作品賞に輝いてきた。女優たちの反セクハラ、性差別撤退運動の影に隠れがちな今年のオスカ