夢や希望をもって就職・転職した会社だけど、日々の業務に追われて「いまいち仕事を楽しめない」と悩んでいる若手ビジネスパーソンは少なくないのでは?
株式会社ノースサンドの深尾友稀さん(23歳)は、2020年4月に同社初の新卒営業社員として入社。同じ職種の同期もおらず、ともすればプレッシャーや心細さを感じてしまいそうな環境ですが、深尾さんは「仕事って楽しい」と前向きに仕事に取り組んできたそうです。
若手社員としてどのように仕事に向き合っているのか?仕事を楽しむためのコツとは?深尾さんに取材しました。
世界をデザインする「ノースサンド」
株式会社ノースサンドは、「世界をデザインする」をビジョンに、ビジネスコンサルティング・ITコンサルティング・新規事業の3つのフィールドを柱に事業を展開。
コンサルティングサービスおよび新規事業を通じて、顧客一人ひとりに向き合い、着実に成果を出すことで“カッコいい会社を増やすこと”をミッションとしています。
会社ではなく、自分の力で勝負したい
深尾さんは現在、2年目営業社員として新規開拓や既存客への提案といった営業関連業務を主に担当。また、中途採用の面接官も務めているそうです。
-----ファーストキャリアとして“営業”を選んだ理由は?
深尾さん:“営業”という職種にこだわったわけではなく、“ノースサンドの営業”だから営業の仕事を選びました。
就活時は“営業かコンサルタントとして働きたい”と考えていて、ノースサンドは当初コンサルタント職で選考を受けていたのですが、選考が進む中で、「新しく新卒営業1期生の採用を考えている」と声をかけられ、チャレンジングな環境に面白さを感じたことなどから営業として働くことを決めました。
-----就活では、どのような“軸”を持って活動していたのですか。
深尾さん:ベンチャー企業を志望していました。「会社のネームバリューではなく、自分自身の力で仕事をしたい」と思っていたことが一番の理由です。
また、スピード感があり裁量の幅も大きいベンチャー企業で若いうちから多くの経験を積むことで、早くキャリアアップしたいと考えました。
チャレンジングな環境に魅力を感じた
-----ノースサンドに入社した決め手は?
深尾さん:一番の決め手は、新卒営業1期生として働けることです。
まだ若く風通しもいい会社で、唯一の新卒営業1期生として、経営陣や役員の方と密にコミュニケーションをとりながら働くことで、より多くのことをインプットしたいと思いました。
もう一つ、大きな魅力を感じたのは“人”です。
ノースサンドの社員の方々がモチベーション高く、情熱を持って仕事に向き合っていることを就活を通して実感し、「この方たちと働きたい」と思いました。
-----就活で、社員の方々のモチベーションをどうやって見極めたのですか?
深尾さん:主に面接です。
就活で会うことができる社員の方は、1社あたり多くて15~20人程度。大手企業の場合は、就活で「いいな」と思える方がいても、その方と一緒に働ける可能性は限られますが、まだ人数が少ないベンチャーだとその方たちと一緒に働ける可能性が高くなります。
ノースサンドの当時の社員数は100人くらいだったので、就活でお会いした社員の方々が情熱をもって仕事を楽しんでいる姿を見て、「1~2割の人たちがこんなに熱く仕事を楽しんでいるのだから、会社全体も同様だろう」と判断しました。
2年目の壁は「これも必要な経験」と乗り越えた
-----新入社員として、どのように仕事に取り組んできましたか?
深尾さん:「早いうちから裁量を持たせてほしい」「成功したい」と思っていたので、自分のプライベートな時間を削るのは仕方がないと考えて、業務時間外も本を読んで仕事のためのインプットを行うなど、一心不乱に仕事に向き合ってきました。
また、もう一つ意識していたのは、社内の人とコミュニケーションをとることです。
いざ一緒に仕事をする際にスムーズに動けるように、普段から空いた時間を活用して自分から積極的に声をかけるようにしていました。
-----入社してこれまで、大変だったことは?
深尾さん:入社2年目の前後です。
だんだんと任せてもらえる仕事や裁量が増えてきて、嬉しい反面、自分が周囲に与える影響の範囲が広くなったことや自分の責任が大きくなったことなどに、重圧やプレッシャーを感じるようになりました。
-----それをどう乗り越えましたか?
深尾さん:「将来はこうなりたい」というビジョンがあったので、「これは自分にとって必要な、プラスになる経験だ」と考え、「やるしかない」と割り切って仕事に向き合いました。
質より量、そこから質
深尾さんは、「質より量、そこから質」という考え方を大切にしているといいます。この言葉は、深尾さんの仕事への向き合い方にどのように関わっているのでしょうか?
-----「質より量、そこから質」とは?
深尾さん:質と量、前提としてどちらも大切だと考えていますが、若いうちや新しいことを始めた段階でまず必要なのは“量”。そして、最終的に“質”が大切になってくると考えています。
なぜなら、何かを始めたタイミングでは、“何が質の高いことなのか”をまだ十分に理解できていないと思うからです。
例えば、野球の素振りにしても、小学生とプロ野球選手では“質と量”の意味が全く違います。プロは素振りをするにあたって大切なポイントや目的を理解しているので少ない回数でも成果を得ることができますが、まだ基礎が身に付いていない子どもは、コツやポイントを理解するためにまずは回数を重ねる必要があります。
仕事も同じです。何が大切なのかを理解するためにも、まずは量をこなして模索することが大切なのではないでしょうか。
アウトプットを増やせばインプットも増える
深尾さんはまた、自分の成長のためにTwitterを活用しているそうです。
深尾さんのTwitterアカウントには、過去の成功体験に捉われてやり方を変えられない人に向けて「成功した理由は良い“手段”だったからではなく、状況に合わせた手段を“考える”ことができたから。そのため、同じやり方を続けるよりも、同じようにまた“考える”ことで良いものが生まれるのではないでしょうか。」と呼びかけるツイートなど、ハッとさせられる気づきがたくさん投稿されています。
-----どうすれば、このように日々たくさんの気づきを得ることができるのですか?
深尾さん:僕がTwitterを始めた理由の一つに、“アウトプットの機会を増やしたい”という想いがありました。
社会に出てまだ日が浅いのでインプットすることが多いですが、それを本当に自分のものにするためにアウトプットの機会を増やしたいと思ったからです。
そうして、学んだことをアウトプットするサイクルを半強制的に作ったことで、“ツイートするために情報収集しよう”とインプットへの意欲も高まり、気づきの機会が増えていきました。
-----気づきを得るために心がけていることはありますか?
深尾さん:アンテナを張っておくことと、会話量を増やすことです。
プライベートや業務時間後などに、アンテナを張ることを意識して人とたくさん話すことで、インプットの量が増えるのはもちろん、次第に自分のアンテナが磨かれて、「この話は大切だ」と気づけるようになるなど、インプットの質も上がってきたように思います。
これも、先ほど話した“質より量、それから質”と重なる部分がありますね。
「自分は仕事を楽しむ」と決めて実行
-----「仕事って楽しい」とおっしゃっていますが、仕事を楽しむためのコツは何だと思いますか?
深尾さん:まずは、“自分が何にモチベーションを感じるのか”を知ることだと思います。
自分のモチベーションを理解しないままいろいろなことを手探りでやってみるのではなく、まず自分のモチベーションを理解する。そうして自分のモチベーションが見つかったら、仕事と自分のモチベーションの共通項を見つけ、そこに集中することで、仕事を楽しめるようになるのではないかと思います。
-----自分のモチベーションを、どうやって見つければよいですか?
深尾さん:僕の場合は、就活時の自己分析でした。
「自分が何を楽しいと感じたか」「何に達成感を感じたか」をピックアップし、その共通項を見つけることで、自分のモチベーションを探りました。
-----最後に、「仕事を楽しみたい」と思っている同世代に向けてメッセージをいただけますか。
深尾さん:仕事を楽しみたいのなら、「仕事を楽しみたいなぁ」とぼんやり思うのではなく、「自分は仕事を楽しむ」と本気で決めて、行動に移すことが大切なのではないでしょうか。
本気で“仕事を楽しむこと”に向き合って行動してみるだけで、きっと大きな変化が訪れると思います。
唯一の新卒営業1期生というプレッシャーに負けず、前向きに仕事に取り組んでいる深尾さん。「仕事を楽しみたい」「自分のビジョンを実現したい」という強い想いのもと、SNSも活用して積極的に成長している姿に勇気をもらいました。
今、楽しさを見いだせていない日々の業務の中にも、要素を小分けして探してみれば、自分のモチベーションと重なる部分があるかもしれません。仕事を楽しむために、まずは“仕事”と“自分のモチベーション”の共通項を探してみてはいかがでしょうか。
出典元:NorthSand
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