「スキルアップのために転職も視野に入れているけど、タイミングが掴めない」「いつかは起業したいけど、まだ早いかな…」と、なかなか次のキャリアに踏み出せないでいる人は少なくないのでは?
自分の目標に向かって大胆にキャリアチェンジし、ステップアップしている若手ビジネスパーソンは、どのようなタイミングで何をどう考え、次のキャリアに踏み出しているのでしょうか。
meyco株式会社 代表取締役社長の山本真也さん(25歳)は、新卒で入社した会社をおよそ半年で退職し、その翌月に会社を設立。現在は社長として、デジタルマーケティング事業を展開しています。
自分のビジョンの実現に向けて、どのようにキャリアを選択してきたのか?その根底にある想いとは?山本さんに取材しました。
ヒトの可能性を証明する「meyco」
meyco株式会社は、「ヒトの可能性を証明する」というビジョンのもと、日本国内から中国市場まで、幅広いデジタルマーケティング事業を展開する、2018年11月創業のベンチャー企業。
昨年5月には、日本企業の中国進出にあたってのカギとなるKOL(インフルエンサー)施策をサポートする中国人インフルエンサーとのマッチングサービス「KOLIVE」をローンチしました。
通販企業やD2C企業の中国進出のハードルを大きく下げる成功報酬型のサービスです。
目指すものは違っても、想いは変わらない
代表取締役社長の山本真也さんは1995年7月生まれ、現在25歳。
2018年3月に関西学院大を卒業し、大学3年の頃からインターンをしていた株式会社サイバーエージェントに新卒で入社。同年10月に退社し、11月にmeyco株式会社を設立しました。
-----もともとはどのようなキャリアを思い描いていたのですか?
山本さん:テニス選手になりたいと思っていました。
プロテニス選手として有名な錦織圭選手のように、“自分の夢を追いかけてがんばり、その姿を見た周りの人に「自分もがんばろう」と思ってもらえるような存在”に憧れ、自分もそうなりたいと思ったからです。
-----いつ頃から、どのような経緯で起業を志すようになったのですか?
山本さん:大学1、2年生の頃です。
怪我や外部環境の変化により、どのようなキャリアを進むか考えていた頃、ある経営者の方と会う機会があり話を聞いているうちに、経営者は“仕事を通じて自分のビジョンを達成し、その姿を見る周りの人に勇気を与えることができる“という点において、これまで自分が目指していたテニス選手と同じだと気づき、経営者になりたいと考えるようになりました。
ビジネスに活きたインターンでの学びとは
そうして、まずは大学に通いつつ、バーの経営や国際交流イベント団体の運営に着手。
しかし、上手くビジネス化することができず悩んでいた時に、大学の先輩から「やるならITだ」「ITのインターンを経験してみてはどうか」とアドバイスをもらい、ITやベンチャーの世界に飛び込み、事業立ち上げなどについて学べそうな企業のインターンに複数参加したそうです。
-----インターンをすることで、どのようなメリットがありましたか?また、その経験は今、どう活きていますか?
山本さん:本格的な就職活動をする前に“企業が求めているもの”を知ることができたのが大きなメリットだと思います。
例えば、インターンを通して、株式会社=“営利企業”だと実感できたことで、その後、ビジネス関係の話をする時に「どうやったら利益につながるか」「ビジネスの全体像を踏まえた上で、各フェーズにどう取り組み、もし失敗したらどうカバーするか」といった相手に納得してもらえる話し方ができるようになりました。
会社選びの決め手は“そこで働いている人”
山本さんは就職活動で、外資系コンサルティングファームや営業力に定評のある国内メーカーなど、複数の企業から内定をもらったそう。
その中から、「経営者になるという自分のビジョンに近づけるか」という視点で、最終的にサイバーエージェントと営業力に定評のある国内メーカーの2社に絞ったそうです。
-----サイバーエージェントを選んだ決め手は?
山本さん:その会社で働いている“人”です。
それぞれの会社の内定者懇親会に参加し、人事や社員の方々とお話をして、その会社で働いている人たちのモチベーションやベクトルを探りました。
その結果、自分のやりたいことをモチベーションに働いている人が多いと感じられたサイバーエージェントのほうがより自分と相性が良いだろうと判断し、就職先として選択しました。
ビジョン実現への道筋を考え直し、起業
-----新卒入社した会社を退職し、起業した理由を具体的に教えてください。
山本さん:それまで思い描いていたキャリアプランの実現が難しくなり、自分のビジョンを実現するための経路を考え直す必要があると思ったからです。
当時、自分は“世の中の常識を変えること”を実現するという思いを抱いており、そのためには大きな挑戦が必要となることから、市場として「日本だけではなく、グローバルで勝負したい」という想いを強く持っていました。
そのビジョンの実現に向けて、“就職先企業で国内外の経験を積んでからアメリカでビジネスをする”というキャリアを思い描き新卒社員としてスタートを切りましたが、諸事情によりそれが難しくなり、それなら、“まず日本でビジネスを興し、そのビジネスでアメリカ進出する道もあるのではないか”と進路を考え直し、会社を退職して起業することにしました。
新卒入社時に抱いていた「世の中の常識を変える」という思いは、今でも変わっていません。それが一番自分にとってワクワクすることですし、社会に対してもインパクトを与え、貢献もできることだと考えています。
-----キャリアチェンジを決断するにあたって、大切にした軸や価値観は?
山本さん:自分に嘘をつかず正直に、やりたいことをやることです。
今、この時間は人生で一度しかありません。また、自分に嘘をつくことは、自分に関わりのある周りの人々にも嘘をつくことにもつながります。
ですので、「自分は今、何をしたいのか?」を考え、自分に素直に正直に、一分一秒たりとも無駄にしないように心がけています。
「ありがとう」と言ってもらえるビジネスを
-----これまでを振り返って、「これはやってよかった」「おすすめ」と思う経験は何ですか?
山本さん:起業に向けて、いろいろな経営者に会って話を聞いていた時期に、“お金を稼ぐにあたっての本質”を学ぶことができた経験があります。
ある経営者の方から、今から3時間以内にお金を稼いでくるようにと言われ、慌てた僕はとりあえず街中で一発芸をしてお金(チップ)をもらったのですが、その時にお金をくれた人から「がんばって!」と声をかけられました。
3時間後、もらったお金を持って経営者の方のところに戻り、その話をしたところ、「次は“ありがとう”と言ってもらえるお金のもらい方をしよう」とアドバイスされ、ハッと目が覚め、「ありがとうと言われる仕事を生み出したい」「周りに喜んでもらえるようなビジネスをしたい」という想いが強くなりました。
また、この経験を経て、相手に喜んでもらうために不可欠な“相手のことを考える大切さ”をより心がけて行動できるようになったことも、今のビジネスに活きています。
がんばっている仲間の存在も原動力
「自分が夢を追いかける姿を見て、周りの人に“自分たちもがんばろう”と思ってもらえる存在になる」というビジョンに向けて、手段も道筋も柔軟に変えながら進んでいる山本さん。
その力強さの原動力はどこにあるのでしょうか。
-----ビジョンの実現向かって、がんばり続けられている理由は?
山本さん:お客様からの「ありがとう」の言葉、そして仲間の存在です。
我々は主にtoB事業を展開していることもあり、法人のお客様と向き合うことが非常に多いのですが、どのお客様もビジョンやこだわりを持って精力的に事業に取り組まれております。
また、お客様が取り扱っている商品も魅力的なものが多いことから、“この商品を求めている人に届けることができれば、幸せになる人が増えるだろう“と確信しながら日々業務に取り組んでいます。
我々の仕事は、お客様の商品を求めている人に届け、感動を生むこと。それが実現した時に、お客様からかけられる「ありがとう」の言葉こそが、僕ががんばり続けられている最も大きな理由です。
-----仲間の存在には、どのように励まされていますか?
山本さん:社内はもちろん社外にも、目標や挑戦していることは違いますが、自分の夢や目標に向かって本気で邁進している人々がいます。彼らの輝いている姿を見るたびに、「仕事を通して、そういった人を世の中に一人でも多くつくりたい」という想いが強くなり、がんばる気力が湧いてきます。
まだ何者にもなっていない僕らだからこそ夢を与えられるのが仕事だと思
一歩でも踏み出すことが大切
-----最後に、「夢を実現したい」「自分の可能性を証明したい」と考えている同世代にメッセージをお願いします。
山本さん:重要なのは、一歩でも踏み出すことです。
「踏み出すのが怖い」「どうせできない」と諦めてしまっている人も多いかもしれませんが、やってみれば意外とできることは、結構あります。
また、僕は、どちらかというと一歩踏み出しがちな性格なので失敗も多いですが、振り返ると失敗も含めて自分の経験になっています。
-----なかなか勇気が出ない人が、一歩踏み出すコツはありますか?
山本さん:周りに宣言してみてはいかがでしょうか。
周りに言うことで、やらざるを得ない状況に自分を追い込むことができます。
山本さんが代表を務める「meyco」という社名の由来は、make new common(新しい常識をつくる)。変化する時代の中で、新しいものを生み出していきたい、という想いが込められているそうです。
テニスの夢が潰えた時や新卒入社した会社で思い描いていたキャリアプランの実現が難しくなった時に、立ち止まるのではなく、その道を選んだ本質に立ち返り、素早く次のステップに移ることで、自分の目指すビジョンの実現にスピーディーに近づいている山本さん。その姿勢は、私たちに勇気をあたえてくれます。
その瞬間はベストだと判断して選んだ道でも、途中で状況が変わったり、さらに良い道が見えてきたりするのはよくあること。
「自分が今いる場所は、ビジョンとずれているんじゃないか」「もっと他に道があるのでは?」と思った時は、「こうなりたい」「これを実現したい」という軸をしっかり持った上で、次のステップにキャリアチェンジすることを検討してみてもいいかもしれません。
出典元:meyco
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