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受付システム「RECEPTIONIST」3年で導入企業2500社を突破したスタートアップが目指す世界とは

白井恵里子

2020/04/04(最終更新日:2020/04/04)


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株式会社RECEPTIONISTは、来客業務を自動化するクラウド受付システム「RECEPTIONIST」を開発・運営している。

3月16日、同社は会議スペース管理アプリ「RECEPTIONIST For Space」をリリース。会議室などの利用状況を、スペース内に設置したスマートフォンまたはタブレットで管理・把握することで、効率的なスペース管理を実現した。

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「RECEPTIONIST」は、2018年12月にリリースした日程調整サポート機能「調整アポ」に続き、今回「RECEPTIONIST For Space」をリリースしたことで、来客の日程調整、会議室予約、来客受付、会議室管理までの来客対応業務を一括して効率的に担うことができるようになった。

来客業務を中心とした業務効率化に挑み続ける同社の代表取締役CEO 橋本真里子氏を取材した。

3年間で導入企業2500社を突破

橋本氏は上場企業の受付を10年以上経験した後、「アナログな受付業務を効率化したい」「ITで効率化できた部分を人にしかできないおもてなしの業務にあてたい」という想いが生まれ、2016年1月に同社を設立。

開発したクラウド受付システム「RECEPTIONIST」は、来客者が呼びたしたい担当者の名前などを入力することで、関係者のスマートフォンに来客通知が届く仕様になっている。

受付担当者が、来客の度に担当者を探し呼び出すという時間と手間を省くことに成功したのだ。

来客のスケジュールや来客履歴の管理も可能とし、これまでの来客業務に新しい風を吹かせたプロダクトとして、現在注目を集めている。この3年間で2500社以上が導入しており、満足度・継続度も非常に高いという。

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代表取締役CEO 橋本真里子氏(提供:株式会社RECEPTIONIST)

ー着々と導入企業が増え続けているようですが、営業やアフターサービスの際に工夫しているポイントがあれば教えてください。

「営業で工夫していることは、『RECEPIONISTの価値・本質を理解してもらう為に、橋本の経歴や経験は必ず伝える』『受付システムの価値は機能の多さではなく、いかに無駄がないフローを構築できるかという事を理解してもらう』の2点です。

カスタマー対応については、専任のスタッフを置き、メールや電話で対応をしています。また、WEB上のヘルプセンターを充実させ常にブラッシュアップさせていることでお問い合わせ自体が少ない環境を作り出すことができています。

返信が早く対応にもご満足いただき、お客様満足度No.1やITreview Grid Awardでの受付部門で口コミNo.1をいただきました。」

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提供:株式会社RECEPTIONIST

ー勢いに乗っているスタートアップ企業という印象ですが、社員の方々はどのような経歴をお持ちなのでしょうか?

「現在新卒採用は行っていないので、それぞれ2〜3社を経験してから入社する中途の社員が多く、業界も様々です。

特徴的なのは、元々フリーランスや業務委託で手伝ってくれていたメンバーが正社員として入ってくるケースが多いことです。プロダクトに共感してもらえることと、在宅勤務を活用するママ社員や、大阪や山梨に拠点を置くフルリモート社員など、多様な働き方を採用していることが作用していると思います。

ライフステージに合わせて自分が働きやすい環境で働くことを推奨しているので、優秀な社員を採用することにつながっています。」

設立3周年特設サイトに込められた想い

同社は2020年1月、設立3周年を迎えるにあたり、社員自らが登場したスタイリッシュな特設サイトを公開。一人ひとりがiPadを持ち、同社が目指す世界観を表現したこのサイトは、SNSでも様々なコメントが寄せられ話題を呼んだという。

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提供:株式会社RECEPTIONIST

ーこのサイトに込められた想い、こだわりを教えて下さい。また、このサイトへの反響はいかがでしたか?

「『今まで他がやっていなかったことをやってみよう』『せっかくだったらプロダクトを表現するiPadを持って集合写真を撮りたい』と、今までとは違う形で3周年を盛り上げたいと思ったのがきっかけです。

システムというものはなかなか作り手が見えませんが、3周年という機会に、『どんな人がどんな思いで3年間進化させてきたのか』『RECEPTIONISTでどんな世界を目指すのか』を社員たち自らに登場してもらい表現しました。

私たちも楽しんで参加したのですが、見ていただいた方からは『社員さんたちが素材となって登場してるということは、自社やプロダクトへの愛情があってこそ』と嬉しいお言葉をいただきました。」

開発に至るまでの苦難

傍から見れば最初から順風満帆かのように思われる同社の事業だが、プロダクト開発にあたっては、創業時の仲間探しと資金集めに苦労したという。

「作りたいプロダクトは明確でしたが、私は受付嬢しか経験したことがありませんでした。  プロダクト作りに必要なコーディングの技術もなければ、プロダクト作りに関わったこともありません。

受付システムをリリースするためには協力してくれる仲間が必要で、さらに仲間を集めて一緒に仕事をしてもらうには資金も必要でした。

そのため起業して3カ月は受付嬢と起業家の二足のわらじを履き、資金調達と仲間集めに走り回る日々を送っていました。

プロダクトマネージャーを最初に仲間に引き入れ、私とエンジニアのパイプ役をしてくれていることで、リリース前から現在まで、本当に必要な機能を精査しながら進化できていると感じています。」



ビジネスに欠かせない存在を目指す

ー仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?

「裏表なく社員に接すること、自分の考えをシェアすること、自分にしかできないことに注力して得意な人に任せること、そして、社員の裁量に任せることです。」

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RECEPTIONIST For Space

ー今後の展望をお聞かせください。

「会社として目指しているのは『ビジネスにはRECEPTIONIST』と、『ビジネスパーソンのそばにはいつもRECEPTIONISTがいる』という世界を作ることです。

開発スピードは上がっており今後もリリースが控えていますが、あくまでも『シンプルで使いやすい』部分はそのままで、ビジネス上の非効率なコミュニケーションを効率化し、社員の生産性を上げ、個人が強いパフォーマンスを発揮できる組織作りに貢献していきたいです。

私自身は、いかにRECEPTIONISTが早く広がるかに注力していきたいです。それが私の仕事の1つだと思っています。

我々はシステムを開発する会社ではありません。ビジネスにおけるコミュニケーションを効率化するサービスを提供する会社だと思っています。

時代が大きく変わる中、我々がやるべきことは何かを常に考え、大切にしながら会社とサービスの成長を目指します。」


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