1. 社内トイレ情報誌を12年間毎月発行、NEXCO東日本の「トイレマニア」の仕事のこだわりと情熱の原点とは

社内トイレ情報誌を12年間毎月発行、NEXCO東日本の「トイレマニア」の仕事のこだわりと情熱の原点とは

高速道路を管理・運営するNEXCO東日本には、「トイレマニア」と呼ばれる社員が在籍しているという。

彼らはトイレの設計から完成後の維持までを担っているのに加え、12年にわたって、トイレに関する社内情報誌「あさがお」を毎月発行するなど、並々ならぬトイレへの情熱を持って働いているそうだ。

快適なトイレを提供するための仕事へのこだわりについて、トイレマニアであるNEXCO東日本 関東支社 管理事業部施設課の都丸武樹さんと建設事業部施設建設チームの小泉泰一さんに話を聞いた。

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提供:NEXCO東日本/左:都丸武樹さん、右:小泉泰一さん

進化を続ける高速道路のトイレ

24時間365日稼働し、多種多様な人々が利用する高速道路のトイレ。

以前はいわゆる用を足すための最低限の施設だったが、近年は快適で便利な空間を追求したトイレが次々と登場。個室の空き状況が一目でわかる案内板の設置や利用案内の多言語化など、時代に合わせた進化を続けている。

荷物置きをトイレの鍵と一体にし、荷物を取らないと鍵を開けられない仕組みの「忘れ物防止トレイ」を導入した北海道内8カ所のSA・PAでは、年間80件程あった忘れ物を年間4件まで減らすことに成功したそうだ。

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提供:NEXCO東日本/忘れ物防止トレイ

毎月給料日にトイレ情報誌を発行

トイレマニアたちは日々どのように働き、快適なトイレをつくっているのか?詳しい話を聞いた。

-----「トイレマニア」は何人いるのですか?

「トイレ情報誌『あさがお』を作成している12人の編集員が『トイレマニア』です。

あさがお編集部員のメンバーは『ベンキョウ〈便興〉会』と称し、トイレの建設や管理業務に携わる社員を中心に構成しています。

関東支社の施設課社員の他、東日本各地へ異動していった社員も含む、総勢12名の編集部員の持ち回り制で編集しています。」

-----トイレに関する業務のみを担当しているのですか?

「トイレに関する業務のみを担当しているのではなく、高速道路に関わる施設(建物・電気・通信等)全般を業務対象の範囲とし、道路情報板や料金所等の施設の建設、維持修繕や災害復旧に関する業務、ETC設備に関する業務なども行っています。」

-----トイレ情報誌「あさがお」は毎月発行しているのですか?

「はい、毎月(年12回)発行しています。

社員全員が覚えている給料日をあさがお発行の日にすることで、社員に『給料日=あさがおの日』と定着させることができました。」

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提供:NEXCO東日本/あさがお144号

業務で得た情報を社員全員に共有

-----もともとトイレに関心があり、自ら希望してトイレ担当になったのですか?

「トイレの建設や管理に携わる施設社員が編集員になりました。

トイレの建設や管理に携わる中で得た正しい情報を、あさがおを通じて社員全員に提供しています。」

-----トイレの設計から維持までを担うにあたってのやりがいを教えてください。

「トイレの建設や改修にあたっては、清掃員へのヒアリングや他機関のトイレ事例の調査などを行い、より良いトイレ作りを目指します。

目指した通りにトイレが完成し、お客さまからお褒めの言葉をいただいたり、清掃員から清掃しやすいという言葉をもらう時は、とてもやりがいを感じます。」

-----大変なことは何ですか?

「トイレの維持管理においては、公共トイレという特性上24時間365日使用されるため、手入れを怠ればすぐにお客さま満足度の低下に繋がります。

なかでも大変かつ大切なことは、トイレの設備が故障した際にいかに迅速に対処するかです。

そのための連絡体制や補修体制を整え、24時間365日気を抜くことなくトイレ機能の維持に努めています。」

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提供:NEXCO東日本/多機能トイレ

「共感」をつくり、全体で取り組む

トイレ情報誌「あさがお」では、高速道路における最近のトイレ情報・取り組みや編集部員の業務の中での気づきや知識など、トイレに関する情報だけを、12年間休まずに発信。

ユニークな取り組みと興味深い内容が話題を呼び、現在は9000人以上の読者を持つ大プロジェクトに成長したそうだ。

-----仕事への熱意の理由・こだわりを教えてください。

「トイレ情報誌『あさがお』の発行を毎月継続しているのは、高速道路をご利用されるお客さまのトイレに対するCS向上、高速道路の“いいトイレ”づくりを実現するためです。

『あさがお』を発行した当時は、高速道路をご利用の『お客さまの声』のうち、お褒めの言葉も不満の声も、トイレに対するものが非常に多くありました。

2005年の民営化以降、高速道路の“いいトイレ”づくりは、当社においても重要課題でありながら、社内ではトイレに関する知識がない社員が大多数いました。

“いいトイレ”づくりを行うためには、一人でも多くの社員に“いいトイレ”の考えに共感してもらい、会社全体で取り組む状況をつくる必要がありました。

そのためのコミュニケーション方法として、月1回『あさがお』を発行する取り組みを始めました。

また、読者の方から『出来る限り続けてください!』や『毎月楽しみにしています』といった励ましのお声をいただくことも継続する励みとなっています。」

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提供:NEXCO東日本

イチオシトイレは「海ほたるPA」など

-----イチオシのトイレを紹介していただけますか?

「『東京湾アクアライン  海ほたるPA』です。

4階男子トイレは海に向かって窓を設けているので、海を眺めながら用を足すことができます。

1・2・3・5階のトイレも2019年4月20日にリニューアルオープンし、快適に生まれ変わりました。」

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提供:NEXCO東日本/海ほたるPA 4階男性トイレ

「『東北自動車道 蓮田SA(上り線)』のトイレもイチオシです。

NEXCO東日本最大規模のトイレで、2019年7月29日にオープンしました。蓮田市の花“スイレン”をイメージした円形を取り入れたデザインで、トップライトや光庭により自然光を取り入れた、開放感と清潔感が溢れる明るいトイレです。」

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提供:NEXCO東日本/蓮田SA(上り線)

設備では、先述した、忘れ物を“減らす”でなく“無くす”ために開発した「忘れ物防止トレイ」がイチオシだという。

現場の人が働きやすい環境づくりも大切に

-----快適なトイレを提供し続けるために、日頃から心掛けていることはありますか?

「1にも2にも清掃です。

トイレは清掃中もお客さまがご利用されますが、清掃中も快適なトイレとなるよう、清掃方法を乾式清掃に見直しております。

また、お客さまに清掃している姿を見せない工夫もしています。新設や改修した一部のトイレでは、トイレを分割できるレイアウトとすることで、一部をお客さまにご利用いただき、もう一方を清掃することができるようになりました。」

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提供:NEXCO東日本

清掃員の作業環境の改善にも力を入れているという。

「完成したトイレがいかに素晴らしいデザインや最新の設備を使用していたとしても、清掃を怠れば快適なトイレ空間を維持することはできません。

その大切な清掃作業に従事されている清掃員の方々の清掃しやすい環境を整えることが、丁寧な清掃を行っていただくことに繋がり、ひいてはお客さまのトイレに対する満足度の向上に繋がると考えています。

清掃作業に直接関係する環境整備(例:清掃中である旨を周知する電光表示板や清掃機械用のコンセントの設置等)の他、間接的に関係する“清掃員の方がしっかりと休息できる環境の整備”も行っています。」

いいトイレを提供するために、部署を超えて会社全体を巻き込んだ取り組みを行うトイレマニアたち。その工夫と熱意が、日々快適さを増す高速道路のトイレを支えている。

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