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コウノトリの里で廃業した「乙女の湯」をグランピング施設に再生へ クラウドファンディング実施中

白井恵里子

2020/01/24(最終更新日:2020/01/24)


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株式会社キリンジはこのほど、コウノトリの里として知られる兵庫県豊岡市の廃業した温泉館「乙女の湯」を温泉付きグランピング施設に再生する復活プロジェクトを開始した。

1月20日から、同社はプロジェクト資金の一部をクラウドファンディングで募集開始した。目標金額は500万円。

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「乙女の湯」を無償譲渡

温泉館「乙女の湯」は、2005年に開業。翌年には13万人の利用客でにぎわったが、2014年以降は赤字が続き、2019年8月に閉鎖した。

豊岡市長は地方活性化を目的に「乙女の湯」を希望企業に無償譲渡すると発表。1月7日、同社への譲渡が決定した。

同社は「乙女の湯」を今後10年間運営することを条件に、敷地約460平方メートルを無償で譲り受けた。また、約2000平方メートルの隣接地も年間56万円で10年間借り受ける。

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温泉付きグランピング施設へ

同社は「民間事業による地方創生」を基本指針とし、既存建築物の再生利用による宿泊施設のプロデュース・運営管理を行うベンチャー企業だ。

今回の無償譲渡を受け、施設の一帯を温泉付きグランピング施設として再オープンすると発表した。

グランピングとは、単なるキャンピングと異なり、ホテル並みのサービスや設備を利用しながら、快適に大自然の中で過ごすことができる宿泊体験のこと。同社が発表した計画によれば、施設の一帯を、飲食テナントや温泉を含む複合施設にし、宿泊のみならず温泉だけでも利用可能とする予定だという。

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グランピング施設としては、デッキとテントを30張新設し、利用料は1人4000円~3万円を予定。年間利用者は1万人、年間売上は2億円を見込む。

プロジェクト総事業費は約8000万円。その一部となる500万円をクラウドファンディング「CAMPFIRE」で、地元を中心に支援を募っている。出資者には、お得な入浴券などの特典を用意しているという。

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同社の天川洋介社長は、豊岡市は神鍋(かんなべ)高原、久美浜などの豊富な自然、但馬牛や海の幸などの美味しい食材、そして良質の温泉などといった多数の魅力を有していることから、今回の復活プロジェクトで地方の再活性化を目指したいとしている。

豊岡市の担当職員も「単なる日帰り温泉からの脱却を望んでいます」と、今回のプロジェクトへの期待を寄せている。


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