1. 6年連続で新卒離職者ゼロ。社員の半数が新卒入社の工務店が実践したコミュニケーション改革とは

6年連続で新卒離職者ゼロ。社員の半数が新卒入社の工務店が実践したコミュニケーション改革とは

注文住宅や新築、デザイン住宅を手掛ける株式会社楓工務店は、1月16日の時点で、6年連続で新卒の離職率0%を達成し続けている旨を発表した。

同社では社会全体が笑顔に包まれる「笑顔の創造」をビジョンにおき、社員と顧客の満足度を両輪であげていく様々な取り組みを行っている。

従事者の高齢化が進む住宅・建築業界において、同社では2014年から毎年新卒採用を続け、2020年1月現在、全社員の半数以上が新卒入社の社員であり、新卒の離職率0%を達成し続けているという。

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デジタルとリアルを融合した取り組み

IT化に奥手な建築・建設業界において、同社ではITを活用したテレワークや社員教育、業務の効率化に取り組む一方、チャット内で相談事は禁止するなど、リアルなコミュニケーションを創出する仕掛けを行っている。

2016年に厚生労働省が、企業と労働者について調査したところによると、「社内コミュニケーションの円滑化」「労働時間の短縮化」の対策を実施している企業では、現在の勤務先で引き続き働くことを希望する労働者の割合は高くなることがわかった。

同社は、社内コミュニケーションの活性化は離職防止のカギであり、社内コミュニケーションを個人間に丸投げせず、企業が率先して風通しがよい社内風土を構築することで、離職を防止することができると考えている。

楓流ポジティブコミュニケーション改革

楓工務店では、デジタルコミュニケーションのツールとしてチャットを使っている。

2016年からチャットは、主に情報の伝達や共有に特化して利用する一方、相談や感謝、楽しみなどの感情の共有は、対面でのリアルなコミュニケーションを積極的に図ろうと「ポジコミュ改革」をスタートした。

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例えば、チャット内で相談事は禁止であるかわりに、就業時間割に「相談タイム」を導入した。

社員同士がチャット内で相談事をする中で、感情のすれ違いが生じたり、口頭で済ませられることや緊急の案件までチャット内で処理してしまったりと、業務が滞るケースを作らないよう、就業時間は業務にコアタイムと相談タイムが設定されている。

コアタイムとは、1人1人が自分の業務に集中する時間で、緊急の相談や事前に許可を取っていない場合は相談や私語は原則禁止。

一方相談タイムは午前に1回、午後に3回設けられ、相談タイム中は上司から声をかけることで、若手も相談しやすく、直接話すことで社員同士のコミュニケーションの場となっている。

上司にとっても集中している時間帯に声をかけられ、仕事がストップするといったこともなくなり、効率のよい働き方につながっている。

相談はリアル面談でお兄ちゃんお姉ちゃん社員に

相談はリアル面談を推奨し、同工務店では「メンター・トレーナー制度」を導入した。

新入社員には、業務を指導する直属の先輩トレーナーとは別に、心のフォローをする先輩が他部署から選出され、内定期間中から仕事に対する不安を、私生活も含め解決できるようサポートする。

教育にかかる時間を減らすため、新人に必要な業務マニュアルなどはITを活用し共有する一方、メンター役の先輩は、月に1度は面談の時間をもうけ、新人が上司との関係性で悩んでいないかなど確認している。


社員の自主性を生む社風が業務に好影響

チャットなどのデジタルツールの導入により、社長がどこにいても密に社員と業務連絡を取ることができ、社長との距離感が近づいたという効果がある。

加えて、誕生月生まれの社員と社長との食事会が月に1度開催され、リアルに会話を楽しむ時間もあり、そこでは、社長から1人1人に日頃の感謝を込めた手書きのメッセージカードが渡される。

リアルなコミュニケ―ションを生むイベントとしては他にも大運動会や、社内で共通の趣味をもつメンバーが集まり、野球サークルや登山、ラーメンサークルなども誕生した。

忘年会や初詣といった季節のイベントも強制されることなく、社員が自主的に参加する企業風土があり、こうした自主性は、業務にも好循環を与えている。

デジタルコミュニケーションの便利さを使いながらも、リアルなコミュニケーションも積極的に図っていく。社員同士が関わりを持つ中で、それぞれのコミュニケーションスキルが向上し、視野も広がる。

2020年1月現在、全社員56名のうち半数以上の38名が新卒入社の社員だ。ポジコミュ改革により、若手の働きがいを引き出し、離職率0にもつながっているという。

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