1. 長野のケーキ専門店が生んだ「純白フラワーケーキ」が話題 制作者が大切にする想いとは

長野のケーキ専門店が生んだ「純白フラワーケーキ」が話題 制作者が大切にする想いとは

オーダーケーキ専門店「cakeworks kinpika」がTwitterに投稿した、真っ白なフラワーデコレーションケーキが「まるで彫刻のようで美しい」とネット上で話題を呼んでいる。

同店の経営者である「きん」さんを取材した。

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提供:「きん」さん

ケーキ屋やカフェで修行を積み

ネット上で盛り上がっている話題のケーキは、ポイントカラーが一切入っていない、純白の仕上がりとなっている。

「きん」さんによれば、これまでご自身も「どこかにポイントの色を入れなければ」と思い込んでいたようだが、今回、客のオーダーを忠実に再現していくうちに、真っ白で美しいこのケーキが出来上がったという。

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提供:「きん」さん

「cakeworks kinpika」は、長野県安曇野市にあるオーダーケーキの専門店。発送や通信販売は行っておらず、店舗での受け取りのみに限っている。「きん」さんは、予約の受付から製造、販売まですべて一人で行っている。

―これまでのキャリアを教えてください。

「東京にある製菓学校を卒業後、長野県松本市に数店舗ある大きなケーキ屋さんに就職。ここでイラストのケーキを担当させていただきました。

25歳でお誘いいただきカフェにパティシエとして就職。お菓子全般任せていただきました。このカフェでも引き続きイラストや似顔絵のケーキも受注しておりました。

独立はずっと意識はしていましたが、いざ年齢が上がって具体的になると、「ケーキ屋さんでの仕事をもう一度学びたい」と思い、カフェと掛け持ちでケーキ屋さんでもバイトを始めました。ピーク時には3軒のお店を掛け持ちしながら、勉強させていただきました。

2年ほどそのような状態を経てから、開業の準備に入るため地元の安曇野市へ戻りました。開業予定地付近のカフェのご厚意で、バイトとしてオーダーケーキを受けながら開業準備を進め、2018年12月に『cakeworks kinpika』をオープンいたいしました。」

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提供:「きん」さん

客のオーダーを緻密に再現

これまでのキャリアの中で、だんだんとイラストだけでなくいろいろなオーダーが増えていったという「きん」さん。そのうちに、「お花のたくさん乗ったケーキを」というオーダーを受け、それまで苦手意識のあったバラの絞りを練習し始めたのだという。

「どうせなら驚かせたい」「より繊細なお花を創りたい」という気持ちが生まれ、試行錯誤しながら現在に至る。

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―いつもどのようにケーキのデザインを考えているのですか?

「実はデザインを考えてくださるのはほぼお客様なんです。昔からゼロから何かを生み出すということが非常に苦手なのです。

最近は細かなイメージをお持ちのお客様が増えてきまして、私が悩むのは「お客様の頭の中のイメージをどれだけ引き出してあげられるか」と、「それをいかにして形にするか」というだけです。

いただいたイメージが複雑な場合は、デザインを描いてみて、配色を検討したりといったことはいたします」

「ポイントカラー」の固定概念を捨て

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ー今回の真っ白ケーキ誕生の経緯を教えてください。

「いつもTwitterwを見てくださっているというお客様から、年末の帰省のタイミングでオーダーをしたいとご連絡をいただきました。

特に何かのお祝い等ではないとのことでしたが、細かくイメージを持っていらしたので、細部の確認をしてあのような形になりました。

実はオーダーの際には、頭の固い私は『葉っぱやつぼみまですべて白で大丈夫だろうか…」と思い、「ポイントにつぼみくらいには色を入れた方がいいのでは』などとこちらから提案することもありました。お客様とご相談をさせていただき、結局、『当日作りながらバランスを見てお任せ』というところに落ち着きました。

実際、当日は途中までつぼみに色を入れてお作りしたんですが、『これはお客様のおっしゃっていた通りすべて白の方が美しいかもしれない』と思い、作り直した結果、この仕上がりになりました」

これまでの固定観念を捨てた結果、「白だけの印影がこんなに繊細で素敵になるとは」と、自身も驚き、勉強になったという。

ー真っ白ケーキに対するお客様からの反響を教えて下さい。

「陶器や彫刻のようというコメントも多数いただきましたし、『ウエディングのお祝いに最適』『自分もこれを注文したい』などというお声も多くありました。

『カメオみたい』というコメントやリツイートも多く見られて、『カメオとは?』と思い調べたりもしました。大理石や貝に浮き彫りを施した工芸品を指しているとのことで、見覚えのあるようなデザインの装飾品の画像が出てきました」


「誰かを喜ばせることができる仕事を続けたい」

―今後の展望をお聞かせください。

「とにかく野心がないのがかなり悩みでして、誰かを喜ばせられることをずっと仕事にしていたいという、ただそれだけなんです。

今後も、自分が責任をもってできる範囲で、変わらず一人一人のお客様を大切にして1台1台心を込めてお作りしたいです。

商品に関しては非常に繊細で持ち帰りにも気を遣うものとなっていますが、ただ硬くするなど味を妥協するのではなく、贈り物にしやすい形でアレンジを検討中です。

まだまだ絞れないお花や技術不足な面も多いので、少しでもできないとお断りすることを減らせるよう自分の引き出しを増やしていきたいです」

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提供:「きん」さん

築140年以上経つ土蔵を改装したという店舗で、「誰かを喜ばせたい」の一心で一人、黙々と努力を続ける「きん」さん。

野心がないとは言うものの、「昨年からやりたいと思って考えていることはある」という。彼女の今後の活躍が楽しみだ。

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