HOMEインタビュー 【取材】10年以上も住宅展示場を地域に無料開放するハウスメーカーのこだわり

【取材】10年以上も住宅展示場を地域に無料開放するハウスメーカーのこだわり

白井恵里子

2019/11/29(最終更新日:2019/11/29)


このエントリーをはてなブックマークに追加

岡山市に本社を置く住宅メーカーのライフデザイン・カバヤ株式会社は、同社が出展する住宅展示場全15棟を、地域のコミュニティスペースとして無料開放している。

地域に根付いた企業として、地域の人々の暮らしを多用に支援することを目的としているという。同社の広報担当者に、詳しい話を聞いた。

11年前に開始した貸出事業

ライフデザイン・カバヤは現在、中四国4県(岡山、兵庫、広島、香川)に住宅展示場を出展しており、全ての住宅展示場で無料の貸し出しを行っている。

同社の住宅展示場は、総合展示場とは異なり、基本的にロードザイト(幹線道路など通行量の多い道路の沿線)に建てられているため、各展示場の判断で臨機応変に活用してもらうことが可能という。

そのため、季節のイベントや親子イベント、母親たちの集い、稽古事など活用例は多種多様だ。

【取材】10年以上も住宅展示場を地域に無料開放するハウスメーカーのこだわり 1番目の画像
提供:ライフデザイン・カバヤ

―住宅展示場の貸出を始めたきっかけ、経緯を教えてください。


「住宅展示場は、土日や祝日は来場のお客様で混み合うことが多いですが、平日は、比較的来場が少ないのが実情です。


地域の繋がりが希薄化しているといわれる今日、住まいづくりに携わる住宅会社として、地域のコミュニティづくりの手助けが何か出来ないかと考え、この平日の時間を活用した住宅展示場の貸出を11年前より始めました。


最近はカバヤホームの住宅展示場の無料開放がだんだん浸透してきているのか、利用者様も多くなり、リピーターの方も増えて好評の声を頂いています」

個人情報はもらわない

住宅展示場といえば、利用者が住所や年収等の個人情報を提供する光景がよく見られる。

同社がレンタルする際は、住宅販売に関する営業活動は行っておらず、利用者がそのような情報を提供することはないという。

中には集まりの主催者側に承諾を得てアンケートに協力してもらった前例もあるそうだが、もちろん強制ではない。

住宅展示場には常駐の事務員がおり、予約等の電話対応や当日の対応は、この事務員が行う。

―無料貸出事業を始めてから、会社にとって変わったことや、良い影響をもたらしたと思えることはありますか?

「当社の住宅展示場の開放による場所の提供を通じ、地元の方をはじめ多くの方との輪が広がっているのはとても嬉しいです。

マタニティイベントやママ会、お稽古等が開催されており、微力ですが、新たな地域コミュニティのきっかけとなれているのではないかと考えています。

また、「入りづらい」イメージがある住宅展示場の敷居を下げ、気軽に出入りが出来る身近な住宅展示場に近づいていると思います。実際、住宅展示場の無料開放で開催されたイベントに来られていたお客様で、受注につながったケースもあります」

【取材】10年以上も住宅展示場を地域に無料開放するハウスメーカーのこだわり 2番目の画像
提供:ライフデザイン・カバヤ

―会場貸し出しに関する費用面はどのように運用しているのですか。


「当社は場所の提供は行いますが、基本的に主催されるイベントは主催者様(クライアントの方)にお任せしておりますので、人件費はかかりません。


住宅展示場はいつでも、どなたでも、ご見学が可能ですので、管理費も光熱費も特に上乗せになることはないのです。


各住宅展示場の事務所には、事務員をはじめ、営業担当者もいますので何かありましたらお声掛けして頂くようにしています」 


入りづらいイメージがある住宅展示場を一般開放することで、住宅展示場の間口を広げ、同社が地域の人々にとって身近な存在となることも目指す。


同社は今後もこの取り組みを継続していくという。 

ライフデザイン・カバヤ住宅展示場

利用方法:希望する住宅展示場に開催日時、内容の詳細を連絡して予約

URL:https://lifedesign-kabaya.co.jp/kh/free_open/

貸出可能日時:月~金曜日(要相談) 10:00~18:00

利用可能人数:教室の場合15人程度

利用料:無料


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード