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トリプルカメラはやっぱりすごかった!iPhone 11シリーズを徹底解説【石野純也のモバイル活用術】

石野純也

2019/09/17(最終更新日:2019/09/17)


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アップルは、9月10日(現地時間)に米カリフォルニア州クパチーノで、iPhone 11シリーズを発表した。大きな特徴は、カメラの刷新。iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxの3機種とも、35mm判換算で13mmの超広角カメラを搭載した。

iPhone 11シリーズ発表!11はXRより安価に

それぞれの位置づけも変化した。iPhone 11シリーズでは、液晶ディスプレイを搭載する6.1インチのiPhone 11が、3機種の中心になる。

4から続くナンバリングを、正式に受け継いだのがiPhone 11だ。モデル自体は昨年発売されたiPhone XRの後継機だが、その役割が廉価版からややシフトしていることがうかがえる。

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超広角カメラに対応し、スペックもアップしたiPhone 11
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有機EL搭載2モデルは、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxにその位置づけを変えた

iPhone 11を中心に据える戦略は、価格にも表れている。アップルによると、より多くのユーザーに使ってもらいたいといった理由で、iPhone XRより価格を引き下げ、64GB版の価格を699ドルに設定したという。

日本での価格は7万4800円。絶対額で見ると、決して安いとはいえないが、チップセットに「A13 Bionic」を搭載し、超広角カメラにも対応したハイエンド端末の値段として考えれば安価であることに間違いない。

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iPhone 11は699ドルから。日本円でも昨年のXRより1万円安くなっている

Pro、Pro Maxには望遠カメラが搭載

これに対し、有機ELを採用した5.8インチ、6.5インチのiPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxは、プロ用をうたう上位モデルと、その大画面版と位置づけられた。

より高機能な端末が必要な人のために、高輝度でコントラスト比の強い有機ELを搭載し、望遠カメラも搭載した2機種を用意したというわけだ。

iPhone Xの後継機としてiPhone XSが登場し、その大画面版のiPhone XS Max、廉価版のiPhone XRを用意した昨年に比べ、それぞれの端末の役割が明確になったと言えるだろう。

超広角カメラは追随を許さぬUIが魅力

3機種に共通するのが、13mmの超広角カメラだ。ワンタッチで画角の広い、ダイナミックな写真を撮れるのが特徴だが、それだけでは他社の後追いになる。

iPhoneらしいのはそのユーザーインターフェイス。標準カメラを起動すると、同時に広角カメラが起動し、それぞれの画角の違いを一目で確認することができる。どちらのカメラで撮った方がいいのかが分かりやすいというわけだ。

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13mmの超広角カメラを搭載
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標準カメラで撮っている際にも、超広角カメラの画角が見える

カメラのズームの切り替えも、非常にスムーズだ。

実際には撮るカメラそのものを切り替えているにも関わらず、ズームをしてもそれを感じさせない。超広角カメラから標準カメラ、望遠カメラへと、文字通りシームレスに切り替わっていく。ユーザーとしては、あたかも一眼レフカメラで、ズームレンズを操作しているかのような感覚で写真を撮ることができる。

しかも標準カメラで撮った際に、裏で超広角カメラの写真も同時に撮影し、そのデータを保持することができる。

UI上で見えているだけではなく、実際に撮影までしているのだ。このデータは編集時に利用可能。たとえば、傾きを直したいときや、人物が切れてしまっていて少し写真を広げたいときなどに、超広角側で撮ったデータが活用される。

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超広角で撮った写真を保持して、編集で利用できる

自動で切り替わるナイトモードで暗所撮影も改善

iPhoneの弱点と言われていた、暗所時の撮影性能も大きく改善した。暗所では自動的に「ナイトモード」に切り替わり、露光時間を伸ばしてノイズの少ない写真を撮ることができる。

正確に言えば、これは露光時間ではなく、複数枚の写真を撮って、それを機械学習の力で合成しているという。そのため、手持ちで2秒程度のシャッター速度になっても手ブレがなく、鮮明でノイズの少ない写真を撮ることができる。

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暗い場所では、自動的にナイトモードに切り替わる

こうした処理を支えるチップセットも、先に挙げたようにA13 Bionicに進化した。A12 Bionicより、CPU、GPU、ニューラルエンジンのそれぞれが強化されており、こうした処理能力はカメラ機能の向上にも生かされている。

ほかにも、Dolby Atmosへの対応や、LTEの高速化など、さまざまな点が進化している。Proモデル2機種については、ディスプレイの表現力もさらに豊かになり、18Wの急速充電にも対応した。

5Gへの対応は来年まで見送り

一方で、当初の予想通り、5Gへの対応は見送られている。日本ではまだサービスが開始されていないが、欧米や韓国、中国などでは、続々と各キャリアが5Gのサービスを展開している。

それに対応する端末も徐々に増えており、ハイエンドモデルでは標準搭載に近づきつつある。クアルコムはミドルレンジ向けのチップセットにも5Gを対応させる方針で、2019年中にはスマホも登場するといい、端末のレンジも広がっている。

iPhoneの5G対応は来年まで待たなければならないが、5Gが世界各国で急速に拡大していることを踏まえると、早急な対応が必要になりそうだ。


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