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石野純也のモバイル活用術:何が変わるの?ドコモの新料金プランを解説

石野純也

2019/04/16(最終更新日:2019/04/16)


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ドコモが新料金プランの「ギガホ」と「ギガライト」を発表した。開始は6月からで、5月22日から予約の受付を開始する。ギガホとギガライトは、以前から「最大4割値下げする」と表明していたプランで、値下げ以外ではシンプルさも打ち出した格好だ。

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ドコモが新料金プランの「ギガホ」「ギガライト」を発表した

ドコモ新料金プランはよりシンプルに

新料金2つは、これまでの料金プランとは異なり、基本使用料やデータパックを個別に選択していく必要がない。前者は30GB、後者は0〜7GBまで段階的に料金が上っていく仕組みで、このどちらかを選ぶだけだ。音声通話を定額にしたい場合は、オプションをつける形になった。

ギガホの正価は6980円。ギガライトは1GBまでが2980円、以降2GBごとに料金が1000円ずつ上っていき、5GBを超えると5980円に達する。家族で契約すると2回線で500円、3回線で1000円の割引が受けられる。

現行プランのようなデータパックの容量を分け合う仕組みではなく、ファミリー割引を組むだけでいいため、こちらもよりシンプルになったといえるだろう。

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ギガホは6980円、ギガライトは2980円からとなる。上記の金額は、家族で3回線以上契約して「みんなドコモ割」を適用した場合
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家族(または親族)で3回線以上契約していると、回線ごとに1000円の割引を受けられる

ドコモ光に加入している場合も1000円割引

また、ドコモ光に加入している場合も、1回線ごとに最大1000円の割引が受けられる。家族で3回線契約し、ドコモ光に加入した場合、30GBのギガホが4980円、ギガライトが5GBを超えたときには3980円になる。

ドコモは「家族3人以上でご利用いただいている方が7割を占める」(代表取締役社長、吉澤和弘氏)というだけに、新料金プランでは、多くのユーザーが少なくとも1000円割引の恩恵を受けることができそうだ。

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ドコモ光に加入している場合も、割引は1000円

「月々サポート」はなくなるが割引は継続の意向

どちらもいわゆる「分離プラン」で、端末の購入を条件にした割引の「月々サポート」はつかない形になる。月々サポートは2年限定の割引だったが、新料金プランは「1年後、2年後に高くなるのではなく、ずっとこのタリフ(料金体系)で使っていただける」(同)という点もシンプルになった点といえる。ただし、端末割引がなくなると、iPhoneのようなハイエンドモデルには割高感が出てしまう。

これに対し、ドコモは「端末をお求めやすくするようなアイデアを検討中。新しいデバイスを発表するときに、同時に補助の体系も発表したい」という。これまでのような月々サポートはなくなってしまうが、何らかの形で、割引は継続する意向を示した。この新しい割引は、5月に開催されるとみられる新端末の発表会で明らかになりそうだ。

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端末割引も用意していることを明かしたドコモの吉澤社長

本当に安くなるかはケースバイケース

現行と比べると確かにシンプル化したドコモの新料金プランだが、本当に安くなるのかは、ケースバイケースだ。

「最大4割」というのは、あくまでベストケースで、すべての人に当てはまるわけではない。すぐに変えるべきなのは、データ利用量が少なく、かつ端末が古く、月々サポートが適用されていないユーザーだ。

吉澤氏によると、ドコモのスマートフォンユーザー全体の4割は、毎月のデータ使用量が1GB以下に収まっているという。4割値下げになるのは、このユーザーの場合だ。

現行プランだと、980円のシンプルプランにspモード利用料の300円、ベーシックパックの2900円で合計4180円かかっているが、新料金プランのギガライトだと、2980円に収まる。家族で3回線以上契約している場合、1980円と、半額近い金額になる。

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値下げ幅は、今、どのプランを契約しているかによって異なる

ほとんど値下げにならないケースも

また、30GBの「ウルトラデータLLパック」を使っていたユーザーも、9280円(シンプルプラン+spモード+ウルトラデータLLパックの合計)から6980円に値下げとなる。家族が契約していれば5980円と、3割強の値下げになる計算だ。

ただし、逆にほとんど値下げにならないケースもある。たとえば筆者の場合、20GBの「ウルトラデータLパック」を契約しているが、新料金プランには同容量のプランがないため、移行しようとすると、30GBのギガホを契約せざるをえない。料金そのものは7280円から6980円になるが、値下げ幅はわずか300円。月々サポートがなくなることも考えると、事実上の値上げになる。

新料金プランへの移行は強制ではなく、現行プランもそのまま使い続けることが可能だ。少なくとも、月々サポートが残っている間は、移行すると損をしてしまう可能性がある。発表を機に、自分の料金プランを改めて見直してみることをオススメしたい。


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