1. 石野純也のモバイル活用術:QRコード決済に出遅れたau。4月開始の「au Pay」の秘策と課題とは

石野純也のモバイル活用術:QRコード決済に出遅れたau。4月開始の「au Pay」の秘策と課題とは

 キャッシュレス決済普及の切り札として注目を集めるQRコード決済だが、大手キャリアも続々とこの分野に乗り出している。

auも4月に「au Pay」のサービスを開始

 ドコモは、昨年4月に「d払い」のサービスを開始。ソフトバンクも、ヤフーと合弁会社のPayPayを作り、100億円を投じたキャンペーンで認知度を大きく上げた。PayPayは2月12日から、100億円還元キャンペーンの第二弾を実施する予定だ。

 この分野で出遅れていたauも、4月には「au Pay」のサービスを開始する予定だ。auは、三菱UFJ銀行とじぶん銀行を設立したり、プリペイドカードとポイントを紐づけた「au WALLET」を早くから導入していたりと、金融系サービスには積極的だったが、QRコード決済の導入には時間がかかっていた。

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KDDIは4月から「au Pay」を開始する

楽天と連携で「100万か所でスマホ決済が可能」

 ただ、後発ゆえに、巻き返しの秘策も考えているようだ。

 1つが、楽天との提携。KDDIは、楽天の携帯電話事業に対し、当面の間、ローミング用の回線を提供するが、逆に楽天とは決済プラットフォームや物流の基盤を共有していく。楽天は「楽天Pay」のサービスを展開しているが、この対応店舗では、au Payも利用できるようになる。

 そのため、au Payは後発ながら、サービス開始当初から「100万か所でスマートフォンの決済ができることになる」(KDDI 代表取締役社長 高橋誠氏)

 競合となるLINE PayやPayPayなどのQRコード決済サービスも加盟店の開拓に力を注いでいるが、楽天Payと相乗りすることで、au Payはサービスインの段階から同じ土俵に上がって勝負できるのは大きい。ユーザーにとっての利便性も高くなりそうだ。

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楽天とプラットフォームを相乗りするため、サービスイン当初から100万店舗以上で利用可能になる

残高1000億円超のau WALLETが追い風に

 また、au WALLETの残高の大きさも、au Payに対する追い風になりそうだ。

 au Payは、au WALLETと連携することが前提。auで貯めたポイントを消費するためのリアルな接点として設計される見通しだ。そのため、他社のサービスと異なり、まずユーザーにチャージさせる必要性が薄くなる。手持ちのポイントを使うことを促せばいいからだ。

 KDDIの高橋氏によると、この残高が1000億円にのぼるという。「au WALLETの残高が1000億円超たまっているのは非常に大きなことで、QRコード決済で使い勝手をよくして、循環を加速させていく」と期待をのぞかせる。

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1000億円を超える残高があることが大きいと語るKDDIの高橋社長

 アプリ自体も新たなものを作るのではなく、「すでに900万人が利用しているau WALLETアプリから、すぐに始められるようにする」(同)。

 利用者の認知度を上げるには、PayPayのように膨大な額を閉じたキャンペーンが有効だが、すでにauユーザーに行き渡っているアプリを活用するため、こうしたコストも抑えられる。後発ながら、ロケットスタートを切るための環境は整っているというわけだ。

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au Payは、au WALLETアプリから利用できるようになるという

オープン志向になれるかが、普及のカギ

 ただ、au WALLETに紐づいているため、利用者はau限定になる可能性もあり、そこが不安材料といえる。ドコモのd払いやソフトバンクグループのPayPayは、キャリアを問わない、通信とは独立したサービスとして展開されている。LINE Payや楽天Payも、キャリアとは無関係で、利用者に制約はない。

 ユーザーを囲い込むための手段になってしまうと、利用者の広がりには限界が出てくる。オープン志向になれるかが、普及のカギになりそうだ。

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