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石野純也のモバイル活用術:INFOBARって知ってる?復活したデザインケータイ「INFOBAR xv」

石野純也

2018/07/13(最終更新日:2018/07/13)


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石野純也のモバイル活用術:INFOBARって知ってる?復活したデザインケータイ「INFOBAR xv」 1番目の画像

 約15年前、折りたたみケータイ一辺倒だった中に突如として発売され、“デザインケータイ”とも呼ばれたINFOBARが、最新技術をまとって復活する。

 新モデルの名称は15周年のローマ数字であるXVにちなんだ「INFOBAR xv」。発売は秋を予定する。

KDDIが秋に発売するINFOBAR xv

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 8月末までまだ時間はあるが、それまでの間は、クラウドファンディングを実施。

 自分の名前を支援者一覧の中に表示できるようにしたり、INFOBARのデザイナーである深澤直人氏が作ったケースがもらえたりといったリターンを用意した。

 INFOBAR xvは、潔く機能を省いた端末だ。スマホ全盛のなか、あえて「4G LTEケータイ」として開発されており、タッチパネルやアプリストアも搭載されない。

 4G LTEケータイもOSのベースはAndroidのため、LTEでの通信やVoLTE、LINEなどのアプリは利用できるが、スマホと比べると拡張性は低い。電話や簡単なメッセージだけで十分という人に向けた端末といえる。

 INFOBARのデザインとしておなじみのタイル状のキーは、フレームレスになり、より当初のデザインコンセプトであった「info.bar」に近づいた。デザインを担当した深澤直人氏によると、15年の技術の進歩によって、「初代のコンセプトを(製品として)実現できた」という。

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キーの周りにフレームがなく、印象としてはコンセプトだったころのinfo.barに近い

 ディスプレイは3.1インチ、ワイドVGAと、初代INFOBARよりもスペックは大きく上がっている。カメラも800万画素。スマホに比べるとスペックは低いが、かつてのINFOBARからは大幅に底上げが図られている。

 LTEに対応し、通信速度が大幅に向上している点も、かつてのINFBARの差分といえるだろう。5月に3キャリア同時にスタートした「+メッセージ」にも対応する。

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現時点で実機は未完成だが、15年の歳月を経て、スペックも大きく進化した

 カラーはINFOBARの象徴ともいえる「NISHIKIGOI」に加えて、「NASUKON」「CHERRY BERRY」の3色を用意した。

 INFOBARはスマホとしても作り続けられてきたが、タッチパネルを前提とした設計になってしまい、最大の特徴ともいえるタイル状のキーが搭載されてこなかった。4G LTEケータイとして割り切ったINFOBAR xvは、まさに原点回帰と言えそうだ。

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ナスの色味を取り入れた「NASKON」
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「CHERRY BERRY」はピンクに近い色を組み合わせている

 ただ、アプリが使えなかったり、Googleアカウントで電話帳などの各種データを同期できなかったりするのは、やはり不便だ。

 スマホが主流になっている状況のなか、INFOBAR xvがどこまで受け入れられるかは未知数な部分もある。KDDIでau Design projectを率いる砂原哲氏によると「規模感としては、非常にたくさん作る端末ではない」といい、ある種ニッチな層を狙っていることがうかがえる。

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復活を望むファンの声に後押しされ、製品化が決定したという

 同氏によると、“INFOBARらしさ”を求め、いまだにフィーチャーフォンの「INFOBAR 2」を利用しているユーザーもいるという。

 昨年開催された、au Design projectの展覧会には、11日間の会期中に約4000人が訪れ、同プロジェクトの復活を望む声も寄せられていた。INFOBAR xvは、こうしたファンの声に応えた端末といえるだろう。


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