1. 「面白いことをしたい一心だった」ITバブル崩壊後ウィキペディアを創設したジミー・ウェールズが胸中を語る

「面白いことをしたい一心だった」ITバブル崩壊後ウィキペディアを創設したジミー・ウェールズが胸中を語る

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by Knight Foundation

 インターネット百科事典「ウィキペディア」と我々の生活は切り離せない。好きな有名人について、知らなかった事件について、とにかく気になる情報について手っ取り早く知るのには、ウィキペディアが役立つ。

 しかし同時に、批判もある。専門的な査読がないため、大学ではウィキペディアをレポートの資料として使うことを禁じたりするなど、正確性に関しては賛否両論だ。

 ウィキペディアは、2001年にジミー・ウェールズ氏とラリー・サンガー氏によって創設された、ユーザー参加型の百科事典。公開記事数は約4千万本だ。ゆえに気になる情報は大抵、ウィキペディア上に載っている。

 今回は、ウィキペディアの創設者の一人、ジミー・ウェールズ氏の独占インタビューを書き起こす。映像は、成功者たちのビジネスアイデアを届けるCorporate Valley社による提供で、インタビューはおそらく2010年に行われたもの。

ウィキペディア創設から今後の展望

ジミー・ウェールズ氏:ウィキペディア以前は、ヌーペディア(Nupedia)というトップダウンのプロジェクトをしていた。しかし、ウィキペディアの創設からは、基本理念に則るようにしたんだ。

自分の想像よりはるかに成長したよ。国外初の拠点をインドに開くんだ。これはビッグイベントだ。

今は発展途上国の言語に専念している。英語やドイツ語、フランス語などを筆頭にヨーロッパの言語、そして中国語や日本語にはすごく強いんだけど、ヒンディー語は弱い。

2億8千万人がヒンディー語を話せるのに対し、記事エントリー数は5万本にしか及ばないからね。まだまだ先は長いね。

ウィキペディアに対する批判

ジミー・ウェールズ氏:最たる批判は、「情報の正確さ」だと思う。たしかに誤った情報は点々と存在する。どんな記事でも、我々は可能な限り最高にしたい。だからこそ、「出典が不足しています」や「中立的な観点に欠けています」と注意喚起するようにしているんだ。それが我々の信頼にダメージであることは重々承知の上でね。

ウィキペディアへの批判は『ウィキペディアへの批判』という記事を読むのが一番だよ(笑)。

ウィキメディア財団

ウィキメディア財団はウィキペディアを保有し、運営する501(c)(3)チャリティー団体だ。主に当サービスのインフラ整備をしている。

ウィキメディア財団はITバブル崩壊の産物だよ。資金なんてなかったんだ。ただ、面白いことをしたい一心だった。

多くの寄付者は非営利団体にお金を出したいと言う。納得できる話だ。結果、非営利団体として誇りに感じている。200年や500年先の人が今を振り返って「あのウィキペディアってやつはすごかった」と認めてくれるだろう。

チャリティー団体だからこそ、広告は載せていない。載せたくもないしね。運営のほとんどが、一般人による寄付で成り立っている。毎年、「寄付のお願い」をしていて、今年(※インタビューはおそらく2010年時)なんかは全記事に僕の顔写真が載せられた。

「ジミー・ウェールズ、見つめないでよ!」と言われたよ(笑)。

ウィキリークスについて

ジミー・ウェールズ氏:ウィキリークス発足当時、「秘密情報専門のウィキペディア」という呼称が使われていたのだけど、我々は何も知らされていなかった。ゆえに、従業員の誰かが先手を打ち、ドメイン名を登録したんだ。

のちに「ウィキペディアという名前を出さない」という同意を得て、ウィキリークス運営者にドメインを譲渡した。しかし、技術的な問題が起きて……。複雑で、つまらない話さ。

「ウィキ(Wiki)」という言葉はウィキペディアが始まるより遥か昔の1995年にできた一般的な用語だ。我々に権利がある名称は「ウィキペディア」と営利企業「ウィキア社」。

ただ、ウィキリークスを必ず止めるという必要性も感じていない。一般市民に混乱を招いたのは嫌だったし、僕自身の所見を持っている。もう少し情報の取り扱いに気を付けるべきだし、落ち着いた方がいい。

ウィキリークスに関しては、複雑な心境だよ。第一に、不正情報を握る人がリスク承知の上で発信する機会を持つのは、「開かれた社会」のあるべき姿だと思う。しかし同時に、僕が情報を持っていたとしても、ウィキリークスには行かないね。

だったら、ニューヨークタイムズ誌のような、信頼できるジャーナリスト団体に持ち込むよ。(笑)

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