1. 西田宗千佳のトレンドノート:新iPadとiPad Pro、今買うならどのiPadが正解?不正解?

西田宗千佳のトレンドノート:新iPadとiPad Pro、今買うならどのiPadが正解?不正解?

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 3月28日、アップルは、新しいiPadを発表した。今回のiPadの特徴は、「Apple Pencilにも対応し、パワーアップしたのに価格は据え置き」であること。

 すなわち、ペンを使える、という視点で見ると、iPad Proに比べて劇的に安い製品になった、という点が注目だろう。

 新しいiPadは教育市場向けのイベントで発表されたが、別に「教育専用」ではない。アップル関係者は「広く、多くの人々に向けたiPadだ」と語っている。実際筆者も、とてもコストパフォーマンスのいい、お買い得な製品だと思う。

 では、今買うならどのiPadなのか? 性能などを比較して、ちょっと解説してみよう。

ペン対応でお買い得感高まる新iPad

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 現在、アップルが主軸に置いているのは「iPad」と「iPad Pro」の2ラインだ。

 小型の「iPad mini」は、日本を含むアジア市場くらいでしか売れておらず、現在販売されているのも、2015年秋に出た「iPad mini 4」が継続販売されているだけ。サイズ的に魅力的なのはわかるが、今は、よほどこだわりがない限り、iPadかiPad Proから選んだ方がいい。

 実際のところ、iPad miniの人気が落ちてきたのは、スマートフォンが大型化と10インチクラスタブレットの薄型・軽量化が同時に進行した結果、特に海外市場では「中途半端」な存在と認識された部分が大きい。日本としては残念なところである。

 話を戻そう。

 現状、iPadを買うならば「iPad」か「iPad Pro」かの2つの選択肢がある。これまで、両社を分ける違いは2つあった。「最新の設計で高コストなパーツ」と「Apple Pencilの採用」だ。

 前者は今回も変わっていないが、ペン対応、という点については、新iPadも対応することに変更になった。最廉価モデル同士で比較すると、価格は3万円以上異なっているが、ペンを含めた「使用感」は近く、iPadとiPad Proの差はかなり縮まった、といういい方も出来る。

 表を見比べていただければおわかりのように、2018年の新iPadは2016年版のiPad Pro(9.7インチモデル)に近い特質を備えており、2年分のスペック上昇を実感できる。

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 そもそも、iPadはスマホと違い、「スペックの陳腐化」を感じにくい性質のある機器である。筆者の周囲にも、2014年に出た「iPad Air2以降買い換えていない」という人もいる。この点は、消費者にとってはありがたいことだが、アップルにとっては頭の痛い問題でもあっただろう。

 今回のiPadは、「ペン」という大きな付加価値ができて、過去のiPadからの買い換えを促す要素の多いもの、といってもいい。

  外付けキーボードはBluetoothのものを使えばiPadでも使えるし、内蔵AppleSIMについては、海外旅行などの時でないと出番がない。そもそもWi-Fi版を買う人には関係のないことだ。

 画質ではiPad Proは明らかに優位だが、iPadもタブレット全体で見れば、平均以上の出来である。新iPadをみて「これでもいい」と思う人は非常に多いはずだ。

 筆者が唯一気になったのは、スピーカーが下部にしかなく、横持ちで映像を見る場合、音がステレオにならず「片方からしか聞こえないこと」だ。

 この問題はiPad Proでは解決されており、筆者はそちらに慣れきっている。そのため、iPadでの音の聞こえ方に強い違和感をおぼえてしまった。いまどきはスマホでも、縦・横どちらでもステレオ音声になっている。2018年版といえど、iPadは「古い設計のiPadのリニューアル版」であり、iPad Proが最新のiPadであることを感じさせる。

選ぶ時は「ストレージ容量」「カメラ」を考慮せよ

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 では、iPad Proを求めていた人が皆iPadに切り換えていいか、というと、そうでもない。

 筆者が特に大きいと思うのは、ストレージの容量とカメラの性能だ。

 昨今のiPadはなかなか「ちょうどいい」容量のストレージを用意してくれない。もっとも安価なiPadに採用されている「32GB」では、積極的に使うとすぐに不足してしまう。かといってその上は128GBで、一般的なタブレットの使い方だと多いだろう。128GBになると価格が4万8800円とかなり上がる。

 iPad Proの場合、最低容量は64GBになり、閲覧用途だと「少なめだがすぐなくなる」量ではない。動画編集やイラスト作成をするなら64GBでは足りないが、その上がいきなり256GBになって少々高価になってしまう。

 値段重視でアプリやデータの保存可能量では妥協するか、高価になることを承知で「それだけの容量を必要とする道具」と考えるか。そこで、iPadかiPad Proかがわかれる、といってもいい。「32GBでは足りないが予算は抑えたい」といった考えの場合、「128GBのiPad」か「64GBのiPad Proか」という選択になり、かなり悩ましいポイントである。

 タブレットでカメラはあまり使わない……と思う人もいるだろうが、意外に便利なものだ。書類を撮影してスキャナ代わりに使ったり、ホワイトボードやプレゼン資料を記録したり、といった使い方が便利だ、と筆者は感じている。

 iPad ProのカメラはiPhone 7のそれとほぼ同等になっていて、ちょっとしたコンパクトデジカメならいらない、と思えるほどだ。多くの人にとっては、普段使っているスマホのカメラと同等だろう。それに対してiPadのものは、それよりワンランク落ちるため、昨今のスマホカメラの品質に慣れた目で見れば「ちょっと残念」に感じる。

 体感ではそこまで差を感じないものの、CPUのピーク速度では、2017年版iPad Proは、2018年版iPadの倍くらい強力なものになっている。結局、iPadを本気で「道具」として使うなら、iPad Proのほうがおすすめできる。性能が良い分、長く使えるだろう。

 一方で「さほどヘビーには使わない」「価格優先」なら、ストレージ容量もカメラの性能も、その他の細かな機能も許容できる。だからiPadのほうがいい。

 もし中古まで視野に入れるなら、2016年モデルのiPad Proはお買い得かもしれない。機能的には一線級でありつつ、2017年版iPad Proとの差がそこそこあって、売価が下がっている可能性も高い。

 個人的には、タブレットは中古よりも、「少し良い新品」を買って長く使う、PCと同じ使い方をお勧めしたいが、店頭でiPad Proの出物を見つけた場合などは、iPadの「4万円弱」という価格と比較し、ちょっと考えてみてもいい選択肢だ。

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