1. アカデミー賞レース第4弾|最年少での主演男優賞受賞に注目が集まる「君の名前で僕を呼んで」

アカデミー賞レース第4弾|最年少での主演男優賞受賞に注目が集まる「君の名前で僕を呼んで」

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 2月に突入して賞レースは一気にヒートアップして来た。先日発表された第70回全米監督組合賞(DGA)は、予想通り「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロに。

 しかし、賞レースのクライマックスを飾るアカデミー賞(R)の投票者は俳優が最も多いことから、作品賞は演技陣が充実している「スリー・ビルボート」に行くのでは?との見方もある。「シェイプ」VS「スリー」のデッドヒートは全く予断を許さない状況だ。

性差を超えて魅了される夏の日の恋

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 そんな中、大穴として異彩を放っているのが「君の名前で僕を呼んで」。

 昨年末から発表が始まった全米及び各国の映画賞で、計192ノミネート、うち48受賞(1月12日時点)という高確率を誇る作品だ。

 1983年の北イタリア、ロンバルディア地方を舞台に、家族が所有する古いヴィラに住まい、ひと夏を気ままに過ごす17歳の少年、エリオと、大学教授をしているエリオの父に誘われ、ヴィラにやって来た24歳のアメリカ人大学院生、オリヴァーの恋を描く恋愛ドラマである。

 1980年代、北イタリア、男同士のラブロマンスetc、どの要素を切り取っても、一見オスカーフレンドリーではない本作。しかし、性欲は日々破裂しそうでも、まだ恋愛の意味すら知らない少年が、怠惰な夏休みに突然涼風を伴い乱入してきたセクシーでハンサムな年上の男にすべてを委ね、ぶつけていくプロセスは全編が動く絵画のように美しい。

 夏の太陽が降り注ぐ田舎道を並走する2台の自転車、閑散とした街の中央広場、水着一枚でまどろむ昼下がりの日光浴、アルプスから染み出た池での水浴び、草原での抱擁とキス。そんな一瞬一瞬を目撃しながら、観客はいつしか、過ぎ去った青春と、夏の日の思い出に引き戻されていく。傷つくことを恐れなかった無防備な少年時代へと。

ロンバルディアの風景と粋なファッション

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 何しろ、この映画、細部がいちいちおしゃれなのだ。

 ロンバルディア州クレマの整然とした町並みや、ガルダ湖南岸のカトゥッロ洞窟、ベルガモ大聖堂等、撮影クルーがロケハンで厳選したまるで時間が止まったような風景は勿論、何をするでもなく過ぎていくヨーロッパ知的中産階級の夏休みの過ごし方、そして、エリオが着る少し生地が疲れたラコステのポロシャツや、1980年代から人気を博すフィドディドの漫画がプリントされたTシャツなど、コスチュームからも目が離せない。

 イタリア人監督のルカ・グァダニーノは、彼にとってのディーバ、ティルダ・スウィントンを主役に「ミラノ、愛に生きる」(2009年)ではジル・サンダーやフェンディを、同じく「胸騒ぎのシチリア」(2015年)は人気デザイナー、ラフ・シモンズを登用して来たヨーロッパ映画界最強のファッショニスタ。いつもブランドの知名度に依存し過ぎないグァダニーノの洗練された衣装センスは、この最新作でも大いに発揮されている。

史上最年少でオスカーを狙うシャラメ!

 監督が「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)での演技を観て惚れ込んだというオリヴァー役のアーミー・ハマーは、惜しくも助演男優賞候補から漏れたものの、エリオを演じるためにイタリア語とピアノとギターを特訓し、劇中で披露する主演のティモシー・シャラメには、史上最年少、22歳でのアカデミー主演男優賞の期待がかかる。

 2人が画面から放つ自由で時にコミカルな雰囲気なしに、この物語は普遍的な説得力を持ち得なかったことは、誰の目にも明らかなのだ。

アカデミー賞受賞期待度(★5つ評価):★★★★☆

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【作品情報】
「君の名前で僕を呼んで」
4╱27(金) TOHOシネマズ シャンテ他 全国ロードショー
公式ホームページ:http://cmbyn-movie.jp/
配給:ファントム・フィルム
提供:カルチュア・パブリッシャーズ╱ファントム・フィルム
©Frenesy, La Cinefacture

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