HOMEビジネス 【書き起こし】目標設定が下手な人必見!心理学者が教える「目標設定の破綻」「代替案と習慣設定」

【書き起こし】目標設定が下手な人必見!心理学者が教える「目標設定の破綻」「代替案と習慣設定」

森澤

2018/02/20(最終更新日:2018/02/20)


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【書き起こし】目標設定が下手な人必見!心理学者が教える「目標設定の破綻」「代替案と習慣設定」 1番目の画像

 多くの人にとって、目標設定は負の連鎖を生み出している。不相応の目標を設定し、達成できなければ自己嫌悪に陥る。身の丈にあった目標を設定し達成しても、それによって何かを得られるわけではない。

 そのようにして設定した目標を諦めた人も、達成した人も、新たに目標設定して、同じことを繰り返す。 

 経済学、心理学をニューヨーク大学の経営大学院で教えるアダム・オルター氏は、従来の目標設定を真っ向から否定する。

 彼は「目標設定が破綻している理由」「システム設定の大切さ」を必要な情報を提供するサイトBig Thinkで語った。

『目標設定は永遠に続く苦行。代わりにシステム設定を学ぼう』

オルター氏:目標設定は、多くの点において破綻している。

目標の仕組みはこうだ。「これを達成することが成功の目印になるから、それを早く到達するためにはなんだってする」と自分に言い聞かせること。

もしそれが長期的な目標であるならば、達成まで自分が“不成功の状態”にいることを意味している。

ゆえに経過を自己評価しているうちは、目標不達成による負のフィードバックしか得られない。

あるいは近づいていくうちにポジティブなフィードバックを得られるかもしれない。しかし、求めている目的があるのなら、到達までにはたくさんの不成功が存在する。

決め手はこれだ。到達できても、そこに待っているのは重度なガッカリ感。

ビジネスやスポーツの分野で成功している多くの人に目標達成したときの気持ちを説明してもらうと、「到達してみたらとんでもなくあっけなかった。目標に辿り着いた瞬間、新たなことや目標を探さずにはいられなかった」と言うだろう。

目標到達の瞬間に、何かとてつもなくあっけないものがあるのが、それは部分的な要因だからだ。

目標達成自体に利益がある場合を除いて、それはただの目印にすぎず、自分にとってあまり得にならないし、精神的な成長も望めない。

それが最終的に意味するのが、「新しい目標を探さすこと」だ。

エレベーター式で上がっていく目標設定

多くの人がそうであるように、「人生=目標達成するための連続」ととらえるのであれば、人生は目標を達成できず不成功している期間、目標達成にガッカリし、次に行く期間。つまり、目標上昇の連続にすぎない。

スマートウォッチやFitbit(身につけることによって健康状態を記録する活動計量時計)や運動時計がいい例だ。

この類の時計を購入したとき、多くの人々は10,000歩を目標に設定するだろう。これを達成すると時計が鳴り、少しの間いい気分になるが、次に襲ってくるのは少しばかりの空虚。そして徐々に目標は上昇していく。

彼らは1,000歩ずつ目標を上げる――ストレスの病気になるまで。目標はそこにあって、彼らは内なる悲鳴よりも目標に反応するからね。

要するに、この行為にはどこか不足感があるんだ。目標がエスカレートし、どんどん激しくなっていくのは、達成したときの見返りがないから。

だから私は、一般的に目標設定というのは破綻していると思う。

“目標”の問題点の1つは、目的地への到達方法を教えてくれない点にある。だったらシステム(習慣)を用いた方がいい。

習慣の中で最善を尽くす

オルター氏:目標ではなく習慣を用いることの背景にある考えは、習慣は次のようなことを示す。「私は作家で、目標は本を書き上げること。だけどそういう風にはとらえない。いずれは10万文字まで書くけど、私の習慣は毎朝1時間コンピューター画面と向き合い、何かしら書くこと。出来は関係なく、文字数を評価したり、達成すべき基準を設けたりもしない」。

「毎日1時間パソコン画面の前に座るのが私の習慣で、最善を尽くす」それだけさ。

何が言いたいかというと、習慣を設け、それに準ずれば、何かしら達成していること。長い間目標を達成するまで、本質的には不成功の状態である目標とは違い、習慣は守りさえすれば何かしらの形で毎日成功を収められる。

最終的に行き着くところは一緒だけど、こっちの骨組みの方が断然効果的だよ。求めているようなポジティブなフィードバックを期待できるし、習慣は精神衛生上、いいんだ。

「これが自分に自信を持つ方法で、それは自分が望む最終状態へ向かっている」という具合にね。目標は違う。はるか遠くから見ていて、近づかなければならない目印を設定するだけ。

システム(習慣)は特定の結果や成果に向けて、現実と関わり合うのに、より優れた方法だ。


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