HOMEビジネス 【書き起こし】Twitter創業者ジャック・ドーシーQ&A「社名の由来」「ユーザーによる恩恵」編

【書き起こし】Twitter創業者ジャック・ドーシーQ&A「社名の由来」「ユーザーによる恩恵」編

森澤

2017/12/04(最終更新日:2017/12/04)


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【書き起こし】Twitter創業者ジャック・ドーシーQ&A「社名の由来」「ユーザーによる恩恵」編 1番目の画像

 “Twitter”の語源が「鳥がさえずること/取るに足らないことをぺちゃくちゃ話すこと」であることを皆さんはご存じだろうか。多くの方々は“Twitter”をソーシャルネットワークサービスの“ツイッター”としてしか認識していないだろう。

 前回に引き続き、Twitter社の創業者の1人、ジャック・ドーシー氏はオクスフォード・ユニオンのQ&Aにてオーディエンスから質問を受ける。

 今回彼は「Twitterという名前、ツイートという動詞の由来はなんでしょうか?」という質問に対し、真摯に回答した。

Q:Twitterという名前「ツイートする」という動詞の由来を教えてくれませんか?

※00:00~5:22より抜粋

ドーシー氏:今や「Twitter」は世界中に知られているブランドだ。実際、「コカ・コーラ」と同等、もしくはそれ以上に認知されていると思っている。

「コカ・コーラ」と違ってちゃんと意味があるけどね。「飲料」のみを指すコカ・コーラとは違うんだ。

(会場笑)

でもどちらも、人々に対して象徴していることがある。大衆が意味や用途を自分自身で見いだし、そのものに対する自身のアイデアを付随させるんだ。おまけに彼らはそのアイデアに対し、所有意識を持つ。

「Twitter」という名の由来

Twitter社を立ち上げた当初、我々は物理的に感じられるものを作りたかった。アップデートを受信したとき――当時は“ツイート”ではなく“アップデート”と呼んでいた――携帯が鳴る。

バーチャルな空間で行われたことが現実世界にまで及ぶのはすごく興味深いことだと考えたんだ。コードを1つ書くだけでビズ(創業者の1人)の携帯を鳴らせられるのは1人のプログラマーとしても、とても面白かったよ。

ビズは「おおっ」と驚き、携帯を取り出しメッセージを受信したことを確認。それが最高にイカすと思ったから、それにまったく劣らない名前を与えたかった。

“Jitter(神経質に振舞う)”や“Twitch(けいれん)”という名前を考えたのだけれど、どちらもいいイメージはないよね。どちらかといえば避けたいものだ。

(会場笑)

Olo社の創業者でありTwitter初期の発展に貢献したノア・グラスが辞書を開き“Twitter”という単語を発見した。

それは実際にTwitter社以前から辞書に載っていた言葉で、「短く取るに足らない情報の発信」や「鳥のさえずり」を指す。

辞書の定義を見て、「まさに僕たちがしていることにピッタリだ!」と喜んだ。辞書から名前を採用し、スタンダードなWeb2.0(ユーザー参加型のウェブサービスの総称)企業よろしく、母音を取り除いて「Twttr」という名前で始めた。

しかし、なにもFlickr社やWeb2.0会社のトレンドに便乗するためだけにそういう風にしたわけではない。

僕たちがテキストメッセージを基盤にしていたから、という理由もある。というのも、アメリカ合衆国の省略コード(SMSなどに使われるコード)は5桁で、僕らは「twttr」というコードを取得したかったんだ。

ところが申請したところ、どうやらティーン・ピープル誌がそのショートコードをすでに取得しているらしいことが判明。

だから取り除いた母音をもとに戻し、僕たちにとってなんの意味も成さない「40404」というコードで申請した。利用可能だったからね。

そういうわけで僕たちの会社名は「Twitter」になり、「鳥のさえずり」という意味からネット上で見つけた鳥のイラストレーションを採用し、それがロゴとなった。

ユーザーたちの発案

そしてTwitterのユーザーが「ツイート」という言葉をつくったんだ。我々の発展の多くはユーザーのおかげ。サービスの使い方は彼ら自らが考案した。@ユーザーネーム、ハッシュタグ、リツイートなど……。

新しく、興味深いのは「ツイートスト―ム」というコンセプトで、それは全体で1つのことを意味する連続ツイート。これらすべてはユーザーが発明したものだ。

ユーザーが個性や自身の発案、副産物を持ち込めるようなブランドを作るのはとても有意義だよ。それはただ製品を作っただけではなく、プラットフォームを作ったことを意味するからね。そのプラットフォームに基づいて、ユーザーは独自のものを作り出すことができる。

そしてユーザーがその独自の使用法に所有意識を持つと、工夫しながらそれを使い続けるようになるんだ。

僕たちはこの社名や鳥のロゴを持てて幸運だった。鳥のロゴは、会社の人間にだけTwitterを象徴しているのではなく、世界中の人々にTwitterを象徴している。

とても誇りに思っているよ。


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