1. オリンピック誘致でも暗躍したロビイストを描く「女神の見えざる手」はブランド通も必見の艶やかさ!

オリンピック誘致でも暗躍したロビイストを描く「女神の見えざる手」はブランド通も必見の艶やかさ!

 ハリウッドスターとハイブランドの付き合いは長い。

 オードリー・ヘプバーンとジバンシー、グレース・ケリーとエルメス、ジェニファー・ローレンスとディオール、リリー=ローズ・デップとシャネルが、イメージモデル、またはミューズという形で互いにコラボして来た。

 同じくスイスの高級時計及びハイジュエリーブランド、ピアジェから“インターナショナル・アンバサダー”に任命されているのが、ジェシカ・チャステインだ。

主役のジェシカ・チャステインはファッショニスタ!

 近年、ウサマ・ビン・ラディン殺害計画の全貌を描いた「ゼロ・ダーク・サーティ」(12)や、クリストファー・ノーラン監督のSF映画「インターステラー」(14)などで女優として活躍する一方、ファッショニスタとしても脚光を浴びているチャステインが、ピアジェのイヤリングとサンローランのスーツで画面に華々しく登場し、見事ゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネートされた最新作が「女神の見えざる手」だ。

スピルバーグも食指を動かした秀逸な脚本

 2015年の“ブラックリスト”(映画化されていない優れた脚本)の1本に選ばれた脚本は、ジョナサン・ペイラが英語教師をしながら書き上げたもので、それを一読したスティーヴン・スピルバーグがいち早く監督を願い出たほど。

 結局、メガホンは「恋におちたシェイクスピア」(98)のジョン・マッデンの手に渡るが、ペイラは本作で脚本家デビュー作が映画化されるという幸運を手に入れる。

 これ程の話題作の脚本は複数で分担するのことが多いハリウッドで、新人が1人で担当するというのも実は稀なことだと言われている。

ロビイストは全米に3万人もいる?

ピアジェのイアリング
 さて、映画業界が注目する中、完成した作品は、ジェシカ・チャステイン演じるヒロイン、エリザベス・スローンが、敏腕ロビイストとして雇い主のためにあらゆる手段を尽くして敵を論破していくプロセスが、ほぼ全編に渡って描かれる。

 ロビイストとは、オリンピック誘致やアメリカ大統領選で“暗躍”した影の交渉人。

 特定の団体のために政党や議員に働きかけ、あらゆる戦略を尽くして世論をコントロールする個人または集団のことで、語源は活動の主戦場である控え室=ロビー。現在、全米にはこのロビイストが3万人もいるとか。つまり、花形職業なのだ。

銃規制法案を巡る熾烈な攻防が展開

 生え抜きのロビイストであるエリザベスが、銃規制法案を廃案に持ち込みたい団体からのオファーを受け、いつもの敏腕ぶりを発揮するかと思いきや、一転、所属する大手ロビー会社を辞め、何と、敵対する銃規制推進派に回ってロビー活動を再開する。自分の意に沿わない仕事はしたくないという理由で。

 ならば、エリサベスは清廉潔白かと言えば、そうじゃない。

 自分の戦略を実行するためなら、部下を道具に使うことも厭わないし、仕事で乾き切った体をエスコートサービスから派遣されて来た一夜限りの男に預けることもしばしばだ。

ロビイストの信条は「先を読む」こと

 やがて、エリザベスの行きすぎたロビー活動に違法性が指摘され、勝敗が法廷へと持ち込まれた時、刻一刻と攻守が入れ替わった銃規制を巡る熾烈な攻防は、いったいどんな結末を迎えるのか?  “ブラックリスト”に載った脚本の秀逸さが炸裂する幕切れで浮かび上がるのは、ロビイストが信条とする「常に先を読んで先手を打つ」というビジネス哲学。

 それは、ロビー活動に限らず、一般社会でも遵守されるべき有効な戦法ではないだろうか?

サンローランとピアジェがバックアップ

サンローランのスーツ&ブラウス
 終始隙がないエリザベスのスキルとライフスタイルを雄弁に物語っているのが、冒頭で紹介したワードローブの数々だ。

 仕事着として着用する黒のテーラードスーツと白いプチカラーのブラウス、そして、抱えるバッグは、2016年までサンローランのクリエイティブ・ディレクターを務めたエディ・スリマンがデザインした逸品。

 プチカラーはスリマンがメンズでも多用したアイテムだ。サンローランはオフィシャルとして衣装協力していて、ピアジェと共にエンドロールにその名がクレジットされている。

他にも人気ブランドが続々登場する!

マイケル・コースのコート
 他にも、マイケル・コースのキャメルのコート、ジャン・ヴァティスタ・ヴァリの花柄のブラウス、ヴィクトリア・ベッカムのワンピース、オスカー・デ・ラ・レンタのガウン、バーバリーのトレンチコート、そして、アレキサンダー・ワンやセルジオ・ロッシのパンプスなど、劇中には人気ブランドが次々登場。

 また、ダイヤモンドをあしらった腕時計、アンティークのイヤリング等、ピアジェから提供された高価な小物たちが、多忙を極めるエリザベスの日常を艶やかに彩る。

 女性に相応しいテーラードスーツを最初に世に送り出した老舗メゾン、サンローランと、ハイジュエリーのパイオニア、ピアジェが、今をときめくロビイストのライフスタイルを雄弁に物語る、極上のヒューマンサスペンス「女神の見えざる手」。

 映画好き、ブランド好き、そして、仕事人間として見逃す手はないと思うのだが。

【作品情報】
「女神の見えざる手」
10月20日(金) TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
配給:キノフィルムズ
©2015 EUROPACORP - FRANCE 2 CINEMA

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