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【書き起こし】ラリー・ペイジ「不可能を度外視する健全」「リスクをもっと背負おう」と語る

森澤

2017/07/04(最終更新日:2017/07/04)


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 今や知らない人はいない検索エンジン「Google」は2人の大学生によって創設された。ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏である。とてつもなく成功した企業、検索エンジンを創立した彼らの当初の気持ちは、いかなるものだったのだろうか。

 今回はCorporate Valley社が提供するスピーチ動画を書き起こしする。彼は「立ち上げ当初の不安」「自身のモットー」「リスクを背負う大切さ」「レバレッジの重要性」「Googleの最終目標」について語った。

「不可能を度外視する健全さ」


(会場拍手)

通常、この場で生徒が話すことはないでしょう。だからここで話せることを光栄に思います。ほとんどの生徒が知り合いだよ(笑)。ですから、ここに来るのがとても楽しいし、すばらしいイベントだと思います。開催していただき、ありがとうございます。

セルゲイとともにGoogleを立ち上げた時、今となってはやってよかったのは明白ですが、当時は不安を抱いていました。本日はその話をします。

みなさんが生徒であるように、僕たちはただの大学院の一生徒に過ぎず、博士課程習得生活に満足していました――結局卒業はしていませんが(笑)。もっともスタンフォード大学でスピーチした時、復学書類をくれたけどね。

(会場笑)

当時は、不安でしかたなかった。「学位が取れない」「こういう会社を始めるけど、上手く行かないかもしれない」「両親もすごく不満」だったり。たくさんの問題がありました。

生徒として、経験していたのはリーダーシップトレーニングです。教えられたいくつかのことは「失敗を恐れない」「素早く失敗すれば、いずれ成功できる」ということ。これを心に留め、僕は「不可能を度外視する健全さ」というモットーを掲げることに。

もしかしたら不可能かもしれないけど、成し遂げられると思うことを書き出しました。そのモットーは僕の頭から離れず、試みたすべてのことに関連していました。

Google社を立ち上げなかった可能性も十分にありました。このような状況にいる人は、あなた方の中にもいることでしょう。「もう少しリスクを負うべきか」「何か試みたいかどうか」だったり。

僕たちも上手くいかないことはたくさん試みました。Googleは上手く行きましたが、そうでなかったのもたくさんあります。でも、それで気負いすることはなかった。多くのことを試みてましたから。だから、人生においてリスクをもう少し負うことを推奨します。数を重ねていれば、いい結果が得られます。

レバレッジの大切さ

もう1つ言いたいことがあります。僕はレバレッジがとても大切だと思う。僕が幸運だったのは、父親がコンピューターサイエンスの教授で、幼少期からコンピューターに触れていたことです。

どうしてか、僕はコンピューターが様々なことをできることに早めに気付きました。僕は怠け者ですし、コンピューターが色々してくれるのはいいことだと感じました。そのようなことから、レバレッジを得ることができます。

すごかったのは、起業した時3人しか従業員がいないのに対して、僕らの検索エンジンには数百万人の利用者がいたこと。ある時、誤ってサイトに電話番号を載せてしまいます。電話が殺到し、仕事にならなかったので、電話番号を取り除きました。しかし、コンピューターはそれらの人々を個々に対応ができたのです。それで人々に役立つことも可能だった。

あなた方にも、レバレッジがある分野は世界中多く存在すると思う。1、2人の人間、すぐれたアイデア、努力が本当に世に変化をもたらしうるのです。そのことを忘れないのと、それを探すことが大事なんです。

Googleの目標

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Googleの目標は世界中の情報を整理し、人々がアクセスできるようにし、便利にすることです。大掛かりで、長期間かかる不可能に近い目標ですが、他の人々が興味を持ち、手を貸してくれるような目標でもあります。

驚きましたのは、より難しいことをする方が、かえって簡単なこともあるということです。他人が興味を持ち、それらの人たちから支援を受けることができますから。大きな課題解決にはすごまじい支援を受けられる一方、ささいな問題にはささやかな支援しか得られません。

現在、Googleは100カ国語で利用可能。他にもレバレッジをどこで得られるか話そうと思います。

エンジニアには頑張ってもらいAIを作ろうとしていましたが、彼らは偶然にもとても優れたスペルチェッカーを作ったのです。AIを作るのに必要な技術を使って。これは現在Googleに搭載されており、ミススペルしたら――僕はよくミススペルします。全くスペリングができなくてね(笑)――それを訂正し検索してくれてとても助かるのです。

これは「検索の質」という観点において、とても重要です。より大きな課題(AIを作ること)を念頭に置いて作られたスペルチェッカーはたくさんの言語に対応できます――製作者が習得していない言語でさえも。それはウェブの情報を主軸としているからです。とってもクールだし、そういうのを作るのはとても興味深い(笑)。

(会場笑)

僕たちの本当の目的というのは究極の検索エンジンを作り上げることです。それは、世界中のことを理解し、質問を打った時にまさに欲していることを理解し、瞬時に正しい答えを導き出すようなものです。例えば僕が「今日スピーチで何を言えばいいか」と打てば、正しい答えをくれるような(笑)。

(会場笑)

それがAIというものです。AIであるということは知能が優れているということです。何がすばらしいかって、より優れた検索エンジンを作ろうと試みるにつれ、AIの知能指数を高めることができること。エンジニアにとって、これは楽しいことです。それは楽しい科学的探究なんです。

最後に、僕たちはエクイティを公開する前に株を割り振ることができてよかったと思います。それによって、7,000,000ドル、従業員やほかのリソースを確保できた。

僕たちが今しようとしているのは、同じようなイノベーションやレバレッジを、お金を使わずに行うことです。一般的な非営利団体がしたようなことではなく、「社会起業家みたいなことはできるのか」「未だビジネスが存在しない場所でビジネスをし、イノベーションを起こせるかどうか」とかですね。それを楽しみにしています。

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