1. マクドナルドの創業者はホンモノか?ニセモノか?巨大バーガーチェーンの裏側に迫る企業ドラマ

マクドナルドの創業者はホンモノか?ニセモノか?巨大バーガーチェーンの裏側に迫る企業ドラマ

 昨年度の総売り上げが24億ドル超、店舗数が3億店舗超、従業員数が375,000人と言われている、ファーストフード・チェーンのパイオニア「マクドナルド」。世界最大と呼ばれる理由が端的に分かる数字だ。

 しかし、同社の創業者として記されている企業家のレイ・クロックが、実はマクドナルドを最初に開業した人物ではないのは周知の事実である。そのあたりの経緯を詳らかにするのが話題の企業ドラマ「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」だ。

創業したのはマクドナルド兄弟だった

マクドナルド兄弟。
 そもそも、マックを開業したのはマックとディックのマクドナルド兄弟。だからマクドナルドなわけで。

 1940年代、2人は地元カリフォルニア州サンバーナーディノに当時としては画期的な注文して30秒でお客の手元にハンバーガー&ポテトフライ&ドリンクが出される“スピート・サービス・システム”と、コスパに優れたセルフサービスを売りにしたバーガーショップ、マクドナルドを開店。ある日そこに、シェイクミキサーのセールスマンとしてやった来たのが、後に創立者を名乗ることになるクロックだった。

企業家、レイ・クロックの作戦

 その時すでに52歳だったクロックは遅れてきたビジネスチャンスを手繰り寄せるように、マック兄弟に店舗のフランチャイズ化を提言。

 地域で開催されるビンゴ大会や教会を訪れた一般市民に経営者になることで得られるメリットについて熱く説いて回り、結果、チェーンは一気に拡大。と、このあたりまではクロックの性急なビジネス展開に後から兄弟が追随するという形で推移していく。

両者の間に決定的な亀裂が生じる

 両者の間に決定的な亀裂が生じるのは、クロックが新店舗出店の際、価格高騰が望める土地を購入することで巨額の利益が得られる不動産投資ビジネスへのシフトを決断した時だ。

 その際、不動産収入を管理する別会社が設立されることになり、愛着のあるチェーンの創業精神とはあまりにかけ離れた状況に失望したマック兄弟は、遂に270万ドルで全権利をクロックに譲渡することを決意する。


そこにはビジネスモデルの本質が

 レイ・クロックのサクセスストーリーに関しては、“成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝 世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者”(プレジデント社)に詳しいが、クロック側だけでなく、兄弟側の視点も平等に取り入れることで、ビジネス界の闇に光を当てているのが本作「ファウンダー」だ。

 ただ、美味しいハンバーガーを安く、早く、気軽に、1人でも多くの人に提供したかった本当の創業者と、アメリカで生まれ、アメリカにしかなかったマックを、今、僕らが通う駅前の、つまり世界規模のマックへと拡大させていった実質(自称?)創業者の攻防は、どちらが是か非かはさて置き、時代と共に変容するビジネスモデルの本質を突いていて、同じ世界でしのぎを削る者にとって参考になるかも知れない。

クロック役は怪優、マイケル・キートン

マイケル・キートン炸裂!
 クロックを演じるのは毎作“イっちゃってる感”が半端ないマイケル・キートン。今回も、何かに憑かれたように成功を渇望する中年企業家の暴走を、ギラギラした目と皺だらけの顔で体現して強烈な存在感を発揮している。

 演技の仕上がりは「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」に勝るとも劣らないレベルだ。

 参考のために、劇中でクロックが言い放つビジネス哲学を以下に幾つか記しておこう。

「チャンスを見逃しているヤツが多すぎる。大胆な発想と決断が大事」
「生涯一箇所に止まるか? ライバルを殺して飛び立つか? それが分かれ目だ」
「才能や学歴は問題じゃない。根気と信念で勝負しろ!」

【作品情報】
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
7月29日(土)、角川シネマ有楽町、角川シネマ新宿、渋谷シネパレスほかにて全国ロードショー
© 2016 Speedee Distribution, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する