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次世代通信「5G」商用化で何が変わるのか:ジャーナリスト石野純也がドコモの5Gイベントをレポート

石野純也

2017/05/24(最終更新日:2017/05/24)


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 2020年の商用化に向け、次世代通信システム「5G」が徐々に具体化し始めた。いち早く一般公開に踏み切ったのが、5Gの標準化にも力を注ぐNTTドコモだ。

 同社は東武鉄道と共同で、東京スカイツリーに「5Gトライアルサイト」をオープン。1階部分では、展望デッキから送った6つの4K映像を、リアルタイムに表示するデモを行っている。この5Gのデモは、一般ユーザーだけでなく、東京スカイツリーを訪れれば誰でも見ることが可能だ。

NTTドコモが進める5G戦略

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東京スカイツリー1階の4K映像を使ったデモは、一般公開されている。
 NTTドコモの代表取締役社長、吉澤和弘氏は「一般の方々に見ていただき、『これってどういうことなの』といったことや、『こんなキレイなのか』といったことを実感していただきたい」と語る。

  同時に、通信の専門家ではないユーザーの意見を取り入れていく方針だ。5Gトライアルサイトを一般公開した狙いもそこにあり、「『こんなこともできるのでは』というご意見、ご感想をいただくことに意義があると思っている」(同)という。

 東京スカイツリーでは、地上350メートルの展望デッキで、8Kの映像を受信するデモも公開した。利用した周波数帯は28GHz帯で、スループットでは下り14Gbpsを記録。現状のLTE Advancedも、8月には最大788Mbpsに高速化するが、それを大きく上回る速度で、高精細な映像が受信できるようになる。

 1階部分はノキアの設備を用いていたが、展望デッキではエリクソンが協力。このようなマルチベンダー体制を取っているのも、5Gの特徴だ。
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展望デッキでは8K映像の受信を公開した。
 さらに、東京スカイツリー付近に停車した、新型特急のリバティ車内でも、5Gのデモを実施。これは、車外から5Gで電波を飛ばし、それを車内でWi-Fiに変換し、8台の端末で同時に4Kの映像を受信するというものだ。

 5GはIoT向けの用途も視野に入っており、多数の端末が同時に接続できる「多端末接続」も可能になる。タブレットは8台と少なかったが、さまざまな端末が同時に接続できるというイメージを伝えたかったというのがNTTドコモの狙いだ。
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多端末接続のデモは、新型特急リバティ内で実施。
 リバティでの4K映像を使ったデモは報道陣限定の公開だったが、一般向けには、8月31日まで、車内の「TOBU FREE Wi-Fi」に接続したユーザーにサービスを提供する。

 具体的には、「dマガジン for Biz」で雑誌が読めたり、観光パンフレットの閲覧を可能にしたりといったもので、ユーザーはこれらを無料で利用できる。利用するネットワークは現行の方式で、5Gのデモや実験というわけではないが、NTTドコモはこれを、多端末接続のイメージをつかんでもらう取り組みの1つと位置づけている。

 5Gトライアルサイトは、この取り組みに止まらず、NTTドコモは、さまざまな企業と共同で検証を行っていく予定だ。

 5月24日は、フジテレビと共同で、トライアルサイトを開設することを発表。5月26日まで、東京ビックサイトで開催される「5G Tokyo Bay Summit 2017」で、ジオラマ上にARの選手を合成した「ジオスタ」を展示する。8月4日から8月6日に開催される「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017」では、自身を撮影したデータを3D化し、アイドルのステージ上に合成する実証実験を行う。
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5月24日は、フジテレビと共同で実施する5Gトライアルサイトも発表された。
 NTTドコモは5Gの導入に向け、さまざまな企業と共同で実証実験を行っていく。

 東武鉄道やフジテレビとの5Gトライアルサイトのように、一般公開するものも少なくない。2020年に実現する世界の一端を感じ取ってみたい人は、こうした取り組みを体験してみてもいいだろう。

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