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【LGBT】トランスジェンダーの雇用問題について考えてみた。

西原さつき

2017/05/20(最終更新日:2017/05/20)


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【LGBT】トランスジェンダーの雇用問題について考えてみた。 1番目の画像
 こんにちは、西原さつきです。

 16歳から性別を変え始めて、色んな経験をしました。

 性別を変更するためには、ホルモン治療をしたり、性別適合手術を受けたり、裁判所へ行って戸籍の変更手続きをしなければならないのです。そんな少し変わった生活を送ってきた私ですが、最も困ったものがあります。

 それは『仕事』です。とにかくトランスジェンダーはなかなか職につけません。

なぜトランスジェンダーは就職できないのか

【LGBT】トランスジェンダーの雇用問題について考えてみた。 2番目の画像
 美容業界や芸能のお仕事ならまだ偏見が少ないのでしょうけれど、大多数の一般企業ではまず面接が通りません。

 やはり社員の人数が多い企業や、歴史の長い会社であればあるほど、融通が効きにくいことはしょうがない事だとは思うのですが……。

 とにかくトランスジェンダーの多くは、職に飢えています。結果的に、水商売や性風俗の仕事が最も受け皿が広く、今現在でもそういった場所で働いている方がとても多いです。

  私の場合、広告代理店に営業として採用された経験があるのですが、それも今思えばかなりハードな職場でした。

 1カ月間ほとんど休みが無く、毎日16時間くらい働いていました。当然、心身共にボロボロになっていったのですが、転職のあても無く、ただズルズルとしがみ付いていました。

 そんな職場でも唯一の利点は「女性扱いしてもらえること」でした。それ以外は本当にしんどい会社だったのですが、他の「待遇が良いけれど男性扱いする会社」と天秤にかけた時に、この「女性扱い」がとにかく圧倒的な魅力でした。

 例えば多いのが「体と心の性別が一致していない感覚って、どんなものですか?」という質問をたまにされます。なかなか理解するのって難しいですよね。

 これを分かりやすく表現すると「望まない着ぐるみを一生被せられている感覚」が近いかもしれません。

 中身の自分に、誰一人として気がついてくれないんです。それってもう、例えそこが大勢の人たちに囲まれていても、何だか孤独ですよね。

 だから「望んだ性で接してくれる職場」というのはお給料や役職以上に、いや、それらとは比べものにならない程に魅力的なのです。

 やっと本来の自分を評価してもらえる職場。それが嬉しいのは、ある意味人間として当たり前の感情かもしれません。

 今では約13人に1人がLGBT(性的マイノリティの総称)と言われています(電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT調査2015」より)。

 そこには私のようなトランスジェンダーや、同性愛者、バイセクシャルの方も含まれています。

 13人に1人というと、日本の人口でいえば約1,000万人。

 1,000万人というとピンと来ないかもしれませんが、神奈川県の人口数が約910万人です。神奈川県民よりも多いですね。

 ニューヨークの人口が約849万人なので、少し多いかもしれません。それだけの人数の方が、この日本の職場で「本来の自分を誰も見てくれない」って感じているかもしれないのです。それって何だか、とても悲しくないですか?

 ある外資系の起業家の方がこう言っていました。「能力さえあれば、その人がどんな姿であろうが、誰を好きになろうが関係無い。仕事の結果が全て、それがプロだ」と。日本の会社はどこか閉鎖的だったり、建前を気にしたり、年功序列などの風習が残っている職場が多いように感じます。

 別にそれが一概に悪いことだとは思いません。しかし、果たして自分の職場に「仕事のプロ」が何人いるのでしょうか。

 そしてこの記事を読み終えた皆さんが「仕事のプロ」であることを、願っています。

まとめ

  • とにかくトランスジェンダーは職が無い
  • LGBTと呼ばれる人たちは、日本に約1,000万人いる(らしい)
  • 姿形や恋愛対象に関係なく、能力があれば仕事のプロ(某起業家談)
 次回は「10万人動員達成!日本最大級LGBTイベント“東京レインボープライド2017”」についてお伝えします!

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