1. 西田宗千佳のトレンドノート:Amazon Goを「見てきた」。

西田宗千佳のトレンドノート:Amazon Goを「見てきた」。

西田宗千佳のトレンドノート:Amazon Goを「見てきた」。 1番目の画像
 西田は現在(5月8日、現地時間)、アメリカ・シアトルに出張に来ている。目的は、マイクロソフトの開発者会議「BUILD 2017」の取材である。

 だが、それだけが目的ではない。せっかくシアトルに来たのでやっておきたいことがあった。それは、米・Amazonが2016年12月に突如存在を明らかにした「実店舗」である、「Amazon Go」を見てくることだ。
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米・ワシントン州シアトルにある「Amazon Go」。Amazonが現在テスト中の実店舗である。シアトルの象徴的な建物である「ニードルタワー」の近くにある。

カメラが「買い物行動」を把握する「レジ無し」店舗

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Amazon Goの出入り口付近。確かに「レジ」はなく、駅の改札に似たゲートがあるだけだ。
 Amazon Goは同社の作った食品専門店で、「レジのない店舗」「スマホアプリがないと使えない店舗」である。専用アプリを入れたスマートフォンを持って店舗に入ったら、あとは買いたい物をそのまま「もっていくだけ」だ。その場で食べてもいい。店外に持ち出されたり、その場で消費されたりした食品は自動的に認識され、アプリに登録済みのAmazonのアカウントへと請求がなされる仕組みである。

 実際、レジは店の出口に存在しないし、レジ待ちの人の列もない。店内に多数がしかけられたカメラによる顔認識と位置認識を組み合わせ、「商品を買った」ことを認識する仕掛けになっている。
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店の外にも「列無し、レジ無し、歩いて出てくるだけ」とのキャッチフレーズが。
 確かに、店の中のカウンターには整然と商品が並んでいるが、おなじみのレジはどこにもない。そのかわり、入り口には謎のゲートがある。

 中から出てくる人は特に支払いをする様子もなく、買った物を手に持っていたり、オレンジ色のAmazon Go特製ショッピングバッグに入れて出てきたりしている。店内には買った物を食べている人もいる。「レジがない」ことをのぞけば、アメリカにはよくある、普通の食品系スーパーマーケットのようだ。
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店内にはイートインスペースも。ここで食べたものも、レジを通すことなくきちんと「決済」される。
 日本でも「無人レジ」は検討されているし、アメリカにもバーコードを使った「セルフレジ」はある。

 だが、それらは結局、レジで店員とかかわらないだけで、レジがないわけではない。だがAmazon Goは、まさにレジがない。商品を「持って出る」だけで買ったことになるのだから。確かに買い物はスムーズそうだった。

現在は「ベータテスト」中で体験は叶わず

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現在は「ベータテスト中」。Amazonの社員しか利用することができない。
 では実際に体験してみた……と書ければかっこいいのだが、そうはいかない。Amazon Goはシアトル市内に、姿を隠すことなくきちんと運営されているものの「ベータテスト中」で一般には開放されていない。

 Amazon社員などの関係者にのみアプリと利用権が提供され、Amazon Goの中にも、社員証を見せないと入ることはできない。当然、筆者を含むプレス関係者も中には入れない。ただし、「外から写真をとるのはかまわない」とのことなので、このように記事化している次第だ。

 さきほども述べたように、「Amazon」のロゴはあるし、たしかに小綺麗ではあるものの、Amazon Goはまるでふつうの食品系スーパーだ。

 むしろ目立つのは、ランチボックスなどを作るための調理スタッフがいて、その調理の様子が外から見えることくらいだろうか。目を惹くものの、食品系スーパーでは珍しい光景とも言えない。日本的にいえば「その場で調理したお弁当が並ぶコンビニ」のイメージに近い。
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その場で調理した食品を並べるため、通りに面した形で調理スペースも。店舗としてはここが一番目立っている。
 逆にいえば、「店」としての特異性はすべて「内側」にあり、レジのないシステムこそAmazon Goそのもの……ということなのだ。

 一般公開の予定はあるものの、まだそれは先になる模様である。Amazonが「すべてのものを売る」ことを考えるなら、生鮮食料品への対応は必須だ。あたたかいものや調理したてのものを売るなら実店舗展開が欠かせないが、そこで「Amazonの利点」を活かすには、レジを「画像認識とオンライン決済」で置き換えて、買うのが楽な店を作るしかないのだろう。

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