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ネットでスポーツを観る時代、制するのはどのサービス?「DAZN」vs「スポナビライブ」徹底比較

菊池喬之介

2017/04/11(最終更新日:2017/04/11)


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by theseanster93
 待ちに待ったプロ野球が開幕した。長いペナントレースを勝ち抜くお気に入りのチームの躍進を想像するだけで、胸が高鳴ってくる。

 今回、プロ野球開幕ということでペナントレースのお供として紹介したいのが、スポーツ特化型の動画配信サービス

 昨年から本格化したネットを介したスポーツ中継の筆頭サービスである「DAZN」と「スポナビライブ」を比較したい。

これからはネットでスポーツを見る時代に

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出典:sports.mb.softbank.jp
 「DAZN」「スポナビライブ」。ともに2016年から開始したスポーツ特化の動画配信サービス。従来、サッカーやプロ野球の放送を視聴するには、「スカパー」や「WOWOW」などの有料放送と契約するのがスタンダードだった。

 しかし、その潮流もスマホやタブレットなどでの視聴へと変わりつつある。その変化の象徴が、DAZNとスポナビライブだ。

 2016年は動画コンテンツのネット化が、スポーツ中継にまで及んだ年といっていいだろう。そして、今年は1年間サービスを提供し続ける初めての年。両サービスの競争が加速する。

 それでは、国内最大の人気を誇るスポーツであるプロ野球の開幕に際して、両サービスの徹底比較を行っていこう。

DAZN:コンテンツの“豊富さ”で圧倒

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出典:www.dazn.com
 コンテンツの豊富さでいうとDAZNに軍配があがる。

 グローバル展開しているDAZNはJリーグに加え、アメリカ四大スポーツからモーターレース、ボウリングなどのマイナースポーツまで配信

サッカー

  • J1〜J3全試合
  • ブンデスリーガ1部全試合、2部は主要試合
  • セリエAは1節につき最大8試合
  • リーグアンは1節最大2試合
  • ドイツ、イタリア、イングランド、スペイン、フランスのカップ戦
  • W杯、南米、欧州、北中米カリブ海予選

野球

  • プロ野球:DeNA、広島の主催試合
  • MLB:1試合日に4試合放送(英語実況が2試合)

テニス

  • WTAプレミアトーナメント、WTAインターナショナルトーナメントの全試合
  • ATPツアー250シリーズ

その他スポーツ

  • バウケットボール(MLB)、格闘技、ラグビー(国内外リーグ)、モーターレース、NFL、NHL、ゴルフ、ダーツ、ボウリング、ビリヤード、フィッシング、バトミントン、スカッシュ、馬術、水泳、陸上、ロードレース
   サッカーに関しては、Jリーグだけでなく海外の主要リーグも多く放送。NFL、NBAを始めとする海外のビッグリーグも充実しており、海外スポーツという点においては、右に出るサービスはない。

スポナビライブ:国内人気の高いスポーツを多く配信

  一方のスポナビライブも負けていない。数では劣るものの、国内スポーツのファン向けのコンテンツを多く用意している。

サッカー

  • プレミアリーグの全試合
  • リーガ・エスパニョーラの全試合

野球

  • プロ野球:10球団(巨人、広島除く)の中継
  • MLB:1試合日に4試合放送

テニス

  • ATP250シリーズ:15大会(全40大会)
  • ATP500シリーズ:12大会(全13大会)
  • マスターズ:9大会(全9大会)
  • ワールドツアーファイナル;1大会(全1大会)
  • 全豪オープン

その他スポーツ

  • バスケットボール(Bリーグ)、格闘技、大相撲、なでしこリーグ、アメリカズカップ(ヨットレース)、卓球
 例えば、DAZNのプロ野球、配信はDeNAと広島の主催試合のみだが、スポナビライブは巨人、広島を除く10球団の試合を配信。

  国内で最も人気のプロスポーツであるプロ野球の配信において優っていることは、大きなアドバンテージだ。

 テニスでは国民の注目を集めている錦織圭の試合、また国内に根強いファンがいる大相撲の全取り組みを配信することからも、国内のスポーツファンをターゲットにした配信内容となっていることがわかる。

 両コンテンツから判断すれば、海外スポーツ、Jリーグが観たい人ならDAZN。プロ野球や大相撲を観たい人はスポナビライブをおすすめする。

こんな人におすすめ!

  • サッカー、海外スポーツ、マイナースポーツも観たい人は「DAZN」
  • プロ野ファンなら間違いなく「スポナビライブ」

料金比較

 両サービスともこれだけ豊富なコンテンツを有していながら、利用料金は良心的だ。DAZNは月額1,480円(税抜)、ドコモユーザーなら980円(税抜)で利用できる。スポナビライブも月額1,480円(税抜)、ソフトバンクユーザーなら980円(税抜)と価格競争は拮抗している。

 この価格がどれだけ安いかは、同様のサービスを提供している有料テレビ媒体と比較してみればわかる。

 選択するパックによって価格は変動するが、スカパーなら「スポーツセレクション」で月額2,916円(税込)、「プロ野球セット」で3,980円(税込)。それにプラスして基本料金421円(税込)が加わるので、だいたいひと月で3,000円〜4,000円(税込)ほどの利用料金がかかる。

 さらに、DAZNとスポナビライブは新規加入したユーザーに限り、加入月の利用料金が無料だ。スポーツファンなら一度試してみても損はない。

操作性ではスポナビライブに軍配

 ここまで表面的なサービス内容を紹介してきたわけだが、やはり実際に使ってみなければわからない——ということで、利用してみた。

DAZN:操作性、回線状況ともに改善の余地あり

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 まず利用したのはDAZN。会員登録をした後、アプリをダウンロードする。アプリを開くと黒を基調とした海外らしいスタイリッシュなデザインに、おすすめ配信やジャンルが表示されている。

 他のアプリや一般的なウェブサイトと違って横スクロールを多く使わなければいけないので、初めて使ったときは操作性はあまりよくないと感じた。個人差もあるが、慣れないと使いにくい。

 肝心の配信動画はどうかというと、コンテンツの豊富さを押し出しているだけあって、多種多様な動画を視聴できる点はプラスポイントだ。
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 ただ問題なのは、回線状況。ユーザーの状況によって変わってくるものではあるが、DAZNの回線状況は改善の余地がある。

 推奨画質から低画質になる頻度が高く、酷いと停止してしまう。プロ野球を1試合視聴した間に3、4回は停止してしまった。

 現時点では、視聴中のストレスは少なからずあると考えておいたほうがいいようだ。

スポナビライブ:細やかな配慮が高評価

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 一方、操作性、回線状況で高評価をつけたいのがスポナビライブだ。

 スマホアプリはシンプルかつ扱いやすいデザイン。横スクロールでジャンルを変更し、縦スクロールでそのジャンルの動画を探す。

 さらに、配信動画はスポーツの試合だけでなく、スポーツ情報番組まであるのもスポーツファンとしては嬉しい。また、動画だけでなくスポーツニュースもアプリ内で観ることができるのも高評価。

 まだまだスポーツ中継だけにとどまらない細かな付加価値がある。自身のお気に入りのチームを登録することができるのだ。

 会員登録を済ませてアプリを開くと、お気に入り球団の設定画面が表示される。私もファンであるプロ野球球団を設定。そうすると、トップページにお気に入りチームの関連動画が表示される。
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 動画を視聴する際にも工夫が凝らされている。スポナビライブが最も力を入れているプロ野球の場合、動画の下にスコアや個人成績が表示される。

 他のスポーツを視聴する際も、個人成績、日程表、順位表などを見ることができるなどユーザーへの配慮がなされている。

 回線も速く視聴に問題が生じることがないこともプラスポイントだ。プロ野球1試合を視聴しても、一度も停止することがなかった。

 個人的な意見ではあるが、スマホアプリの操作性に関してはスポナビライブの方が優れているように思われる。

 ますます競争が激化する予感のスポーツ中継配信サービス。「低価格で豊富なコンテンツをどこでも楽しむことができる」そんな視聴方法が享受できることは、スポーツファンとして嬉しい限り。

 まだ試したことがない方は、この際に体験してみてはいかがだろうか。きっとスポーツ視聴の幅が急激に広がるはずだ。

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