1. ヒュー・ジャックマンの「ウルヴァリン」はこれで見納め。感動と共に終わる“人間ドラマ”の味わい方

ヒュー・ジャックマンの「ウルヴァリン」はこれで見納め。感動と共に終わる“人間ドラマ”の味わい方

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 ミュータント=突然変異体という新鮮なワードを広めるきっかけにもなった「X-MEN」(00)から、すでに17年の月日が経ってしまった。

 そして、同シリーズが生んだ魅惑のキャラ、ウルヴァリンことローガンも、人並みに時間の洗礼を受け、今や生きる目的を喪失している。そんな終末ムード満載の中で語られるスピンオフの最終章が、タイトルもずばり「LOGAN/ローガン」だ。

過去2作とは大きく異なるテイスト

 数あるマーベルヒーローの中でも、怒りを感じた途端、体内に埋め込まれたアダマンチウム合金の爪であらゆる物を切り裂いてしまうローガンは、そのルックスといい直情的なキャラといい、ファンの間で人気は傑出している。

 だからこそ、2009年にはスピンオフ第1弾「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(ウルヴァリン誕生秘話)や、2年後には第2弾「ウルヴァリン:SAMURAI」(ウルヴァリン in JAPAN)が作られてきたわけだが、最新作のテイストは過去2作とは大きく異なる。

近未来のメキシコ国境で出会った少女

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 舞台は2029の近未来。メキシコ国境近くの廃工場に住まい、しがないリムジン運転手として日銭を稼ぐローガンが、年老いて衰弱し、自慢のテレパシー能力を抑制できない同居人、エグゼビア(ミュータント学校の設立者)から、謎めいた少女ローラの安全を死守するよう頼まれる。

 実はローラこそが、今や絶滅の危機に瀕したミュータントにとって唯一の希望だったからだ。こうして、ローガンは幼気な子供たちに生体実験を施し、人間兵器に作り替えようとするトランシジェン研究所から辛くも連れ出されたローラを引き連れ、研究所が放った刺客の追跡をかわしつつ、乾いた荒野を一気に走り抜けていく。

後半は芳醇な人間ドラマの味わい

 まるで「マッドマックス」を彷彿とさせるサバイバルロードは、やがて、衰えゆく者から受け継ぐ者へとバトンタッチされるスーパーパワーの行く末を暗示しながら、同時に、自ら望んだものではない並外れた殺傷能力を持ったがために、殺人者の烙印を押された超人の苦悩を浮かび上がらせ、後半は芳醇な人間ドラマへとスイッチ。スーパーヒーロー映画の限界を超えた感動を呼び起こす。

これが最後のヒュー・ジャックマン

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 すでにこれを最後に「X-MEN」シリーズからの撤退を表明している主演のヒュー・ジャックマンが望んだとおり、彼が演じるローガンは映画&コミックファンを大いに満足させ、人間としての悲哀を滲ませて記憶の倉庫に仕舞われることとなった。

 肉体的限界と、ここ数年治療に専念している皮膚癌との兼ね合いを撤退の理由に挙げているジャックマンだが、たとえ彼のようなオスカー級の演技派でも、ヒットシリーズ抜きには生き残れない今のハリウッドで、自ら鉱脈を放棄するのは勇気がいったに違いないのだが。

そして、シリーズ・マスト・ゴー・オン!


 しかし、ジャックマンの英断は結果に繫がった。「LOGAN/ローガン」は全米はもとより世界80カ国でオープニング興収1位を奪取。

 映画サイトimdbの作品評価では、「X-MEN」(10ポイント制で7.4)、「X-MEN2」(7.5)、「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」(6.7)、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(6.7)、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(7.8)、「ウルヴァリン:SAMURAI」(6.7)、「X-MEN:フューチャー&パスト」(7.1)と比較しても、過去最高評価の8.5をゲット。

 批評家サイトRotten Tomatoesでも92%というシリーズ最高評価を獲得している。故に、シリーズ・マスト・ゴー・オン。すでにファンの注目は次期ローガンが誰の手に渡るかに集まっている。

 ジャックマン本人はかつてメディアに対し、トム・ハーディにバトンを渡したいと語っていたが、さて、どうなることやら?

【作品情報】
「LOGAN/ローガン」
6月1日(木) 全国ロードショー
20世紀フォックス映画配給
©︎ 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

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