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インフォグラフィックで丸わかり! 話題のシロモノ家電徹底研究【炊飯器編】

今西絢美

2017/03/29(最終更新日:2017/03/29)


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 炊飯器は毎日使う調理家電のひとつ。機能も値段もピンからキリまであり、購入の際にどれを買えばいいか悩んだ経験はないだろうか。

 最近話題になっている炊飯器の多くは、かまど炊きや土鍋炊きのごはんを再現するものが多く、白米のおいしさを引き立たせるモデルが続々と登場している。

 前回の「トースター編」に続き、炊飯器のなかから3モデルをピックアップし、「釜の種類」「炊飯方式」「食感」を比較した。複雑な炊飯器の特徴をインフォグラフィックで解説していく。

炊飯器選びで押さえておきたい3モデル

バルミューダ:BALMUDA The Gohan(2017年3月発売)

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 スチームで焼き上げる「BALMUDA The Toaster」が根強い人気を誇るバルミューダの3合炊き炊飯器。圧力ではなく蒸気で炊き上げるのが特徴で、粒立ちとほぐれの良い、香ばしさのある“土鍋ごはん”に近い仕上がりになる。

 内側と外釜の二重構造になっており、炊飯時には外釜にごはんを蒸すための水200mlを入れる。「白米」「白米早炊」「玄米」「炊込」「おかゆ」の5つのモードがあり、保温機能は搭載していない。

 カラーはブラック、ホワイトの2色展開。サイズは幅275×高さ194×奥行き251mmで、重さは約4kg。水計量カップ、米軽量カップが付属する。実売価格は4万1,500円(税別)。

愛知ドビー:バーミキュラ ライスポット(2016年12月発売)

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 高気密な鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」でお馴染みの愛知ドビーが手がけた一台。鋳物ホーロー鍋と専用ポットヒーターがセットになっており、炎が鍋を包み込むかまどのような加熱を指先ひとつで任せられる。

 最大炊飯容量は5合。炊飯モードでは「白米・ふつう」「白米・おこげ」「玄米・ふつう」「玄米・おこげ」「白米・おかゆ」の5種類に対応。保温機能には対応していない。

 また、調理鍋としても活用でき、専用ポットヒーターには「中火」「弱火」「極弱火」「保温」の4つのモードを備える。炊飯、調理モードともにタイマー設定が可能だ。

 サイズは幅約259×高さ約208×奥行き約296mmで、重さは約6.9kg。米計量カップ、水計量カップ、リッドスタンド、レシピブックが付属する。実売価格は7万9,800円(税別)。

象印マホービン:南部鉄器 極め羽釜 NW-AS10

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 象印マホービンでは釜炊きのごはんを再現するべく、“羽釜”形状の内釜「極め羽釜」を採用したモデルを2010年に発売。さらに改良を加えて昔ながらの羽釜のフォルムに近づけた本モデルは、最大1,450Wの大火力と最大1.5気圧の高気圧でお米の甘み成分をアップさせる「プレミアム対流」を実現する。

 さらに、ボタンを軽く押すだけで本体のふたが自動で閉まる「スマートクローズ」機能を採用。どんな銘柄のお米でも好みの味に炊き上げられる121通りの「わが家炊き」メニューをはじめ、好みの食感に炊き上げる「7通りの炊き分け圧力」、約15分で炊き上げる「白米特急メニュー」など、多彩なモードを備える。

 最大炊飯容量は5.5合。サイズは幅約305×高さ約245×奥行き約400mmで、重さは約11.5kg。白米用と無洗米用の計量カップ、しゃもじ、しゃもじ置き、DVD、レシピブックが付属する。実売価格は10万5,333円(税別)。

徹底研究Part.1:釜の種類

 炊飯器を比較するうえで、メーカーごとに違いが大きく出るのが釜の素材や形状だ。また、釜の素材によっても価格は大きく異なる。

 まずは各モデルの釜の種類の違いを見ていこう。
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 「南部鉄器 極め羽釜NW-AS10」は、内釜に日本の伝統工芸品であり、IH加熱と相性のよい「南部鉄器」を使用。広くて浅い形状の釜は、炊飯器本体のヒーターの加熱面積が広いため熱が伝わりやすく、炊きむらが抑えられる。

 「バーミキュラ ライスポット」は、同社の鍋と同等に鋳物ホーロー素材でできている。デザインは炊飯用に刷新されており、鍋全体の丸みはスムーズな対流を実現。フタにはつまみがなく、継ぎ目のない一体構造で衛生的な状態を保てる。また、飯返しのしやすさと洗いやすさを優先し、鍋の底面には水紋状の突起がある。

 それに対し、釜の素材や形状は至ってシンプルなのが「BALMUDA The Gohan」だ。米を入れる内釜はステンレス、水を入れる外釜はアルミでできており、いずれもフッ素コートが施されている。分厚い釜にすると温めるためのエネルギーが必要になるので、少ないエネルギーを炊飯のためだけに使えるようにこのような釜を採用している。

徹底研究Part.2:炊飯方式

 炊飯方式もメーカーごとに違いが出やすい。

 今回の3モデルでいえば、「BALMUDA The Gohan」はこれまでの炊飯器にないまったく新しい加熱方式を採用している。
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 外釜に水を入れて熱することで、炊飯中だけ見えない蒸気のフタが出現する。蒸気の断熱性は非常に優れており、内側全体を包み込んで、ゆっくりと電気のエネルギーで加熱を行えるようになっている。100°Cを超えない自然な加熱でお米の表面を傷つけず、香りとうまみを米粒の中に閉じ込める仕様だ。

 バルミューダとは異なり、高温での加熱をウリにしているのが「南部鉄器 極め羽釜NW-AS10」。最大電力1,450Wの大火力で激しい熱対流を起こし、釜のお米をかき回す「プレミアム対流」を実現。これにより、「還元糖」という甘み成分を引き出し、1.5気圧の高圧力で甘みを染み込ませるという工夫も施されている。甘みだけでなく、旨味成分も引き出されるなど、老舗の炊飯器メーカーならではの炊き方といえるだろう。

 また、IHヒーターでお米を炊く「バーミキュラ ライスポット」は、同社の鋳物ホーロー鍋と同様、熱伝導・遠赤外線加熱・蒸気対流の3つの熱の伝わり方をコントロールして素材の味を引き出す「トリプルサーモテクノロジー」を採用。

 3層にコーティングされたホーローが強い遠赤外線を発生し、食材の組織を破壊することなく内側から加熱する。

徹底研究Part.3:食感

 炊飯器を選ぶうえで一番気になるのは、やはりごはんの仕上がり具合だ。

 いずれも同じ種類の白米2合を標準モードで炊飯して、食べ比べてみた結果が以下のようになっている。
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 3モデルのなかで一番しゃっきり&かために炊き上がったのが、「BALMUDA The Gohan」だ。蒸気の力で炊き上げているため、米粒は一切潰れておらず、形がきれいに残っていた。お米の味自体はあっさりしており、土鍋で炊いたごはんに近い。卵かけごはんやカレーライスなど味付けごはんとして楽しんだり、味が濃いおかずと一緒に食べたりするのに良さそうだ。

 もっとも対極の仕上がりだったのが、「南部鉄器 極め羽釜 NW-AS10」。圧力炊飯ならではの柔らかめでもちもちした食感が楽しめる。お米の甘みがしっかり感じられ、お米だけで食べたときの満足感があった。炊飯のたびに好みの仕上がりだったかどうかを記録でき、より家族が好むごはんの炊き方をカスタマイズできる「わが家炊き」メニューといった個性派な機能も備える。

 バランス良く炊き上がっていると感じたのが、「バーミキュラ ライスポット」。ごはんにツヤ感があり、ややかための仕上がりに。とはいえ、ごはんにみずみずしさがあり、フタを開けた瞬間にふわっとごはんの香りがした。一旦冷凍して電子レンジで温め直したときもこの香りは持続しており、保温機能がなくてもこれなら十分においしいごはんが楽しめるだろう。

総合評価:プラスαの機能の有無の必要性を吟味しよう

 普段、土鍋や無水鍋でごはんを炊いている人にとっては、少しかために炊き上がる「BALMUDA The Gohan」と「バーミキュラ ライスポット」は魅力的だ。

 常にガスコンロを占領せずに炊飯できるのはもちろん、火力も一切気にしなくていい。
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 BALMUDA The Gohanは炊飯のみに特化していることもあり、コンパクトなサイズ感やスタイリッシュなデザインなどが特徴だ。3合炊きなので、ひとり暮らしや2人暮らしで毎食ごはんを炊く家庭に向く。

  さらに、バーミキュラ ライスポットなら、無水調理や食材の焼き付け、低温調理といった調理鍋としての利便性も高い。料理をよくする人であれば、炊飯以外のさまざまなシーンで活用できる。

 「南部鉄器 極め羽釜 NW-AS10」は、細かいメニュー設定に対応している点が大きな強みといえるだろう。ほかの2モデルは水加減のみでごはんのかたさを調整しなければならないが、ボタンひとつでその調整が行える。また、40時間までおいしく保温できるので、毎食ごはんを炊く習慣がない家庭にもありがたい。

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