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アメリカを超えるインドの経済成長は、オリンピックにまで影響を与えられるのか?

Ai Maeda

2017/03/23(最終更新日:2017/03/23)


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 「カバディ、カバディ、カバディ……」。みなさん、カバディというスポーツをご存じだろうか。

 小学校の教材として用いられることもあるカバディは日本において知名度が高いとは言えない。日本ではあまり知られていないこのカバディだが、実は南アジア諸国で数千年の歴史を持ち愛されているインドの国技。

 そんなカバディが近年、インドの経済成長を背景に、知名度を上げてきているというのだ。今回は、将来五輪種目になる可能性のある不思議なスポーツ「カバディ」が、今後どのようにビジネス展開していくのかを考えていこう。

狩猟から生まれたスポーツカバディ

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 カバディは数千年の歴史を持ちインドの国技でもある、狩猟をモデルにつくられた攻撃と守備が表裏一体型のスポーツだ。

 紀元前、獣に素手で向かい声を発声しながら動物を威嚇し、獣を捕らえる狩猟法法があった。その武器を持たずに戦うモデルが、カバディとして南アジアを初めとして広がった。

 カバディは独特の響きでブームとなったが、全世界においてサッカーやバスケットボールのようにメジャーなスポーツではないのだろう。だが、カバディはほとんど道具が必要ないため、スポーツとしてプレイしやすいのが魅力の一つだ。

ワールドカップには日本も出場している

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 カバディの試合中は攻撃側の選手であるレイダーは「カバディ」と言い続けていなければならず、もし途中で言うのを止めてしまった場合は失格となる。レイダーが敵の衣服や身体に触れて自分の陣地に戻ることができたら1点入り、敵に捕まって陣地に戻ってこれなかった場合は敵側に1点入るというルールだ。

 2016年には第3回ワールドカップがインド、アフマダーバードで開催された。

 W杯に参加したのは主催国であるインド・バングラディシュ・タイ王国・をはじめとする国々にあわせオーストラリア・アメリカ合衆国・イングランドなど、日本も参加した。アジアに限らぬ参加国を見ると、カバディが特定の地域で愛されていた時代は終わるように感じる。
 
 日本は2010年のアジア競技大会で3位、2007年のワールドカップで3位(銅メダル)という優秀な成績を残している。カバディの発展を目標に日本カバディ協会もつくられ、これからますます勢いがつくスポーツと言えるだろう。

競技人口はどのくらい?

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 カバディの競技人口は世界で1,000万人を超えている。

 マイナーなスポーツだといわれているが、種目全体の競技人口としては多いのだ。日本においても5,000人はいるとされている。世界における野球の競技人口は3,000万人らしいので野球人口の約1/3ではあるものの、そこまで「マイナー」というわけではなさそうだ。
 
 日本では「灼熱カバディ」という漫画が一役を買い少年をはじめとしてカバディの知名度や人気が上がってきている。ビジネス的な視点から見ると、道のりは未だ遠いが、インドの経済成長と共に世界中の認知度が上がることで、オリンピック「カバディ」出場への期待も膨らむことだろう。
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出典: Amazon.co.jp

カバディをショービジネスにすることができるか

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 カバディがワールドカップまで開催することができるようになったことには、主催国・国技としているインドの経済発展が深く関わっている。

 世界銀行によると、2013年のインドの経済成長率は5.0%とあり2.2%だったアメリカの倍だ。このままインドが経済発展を続ければカバディの知名度も上がり、将来的にはオリンピック種目になるのではないかと言われている。

 アジア圏での開催時が有力候補とされ、セパタクローとカバディのどちらが選ばれるか接戦が繰り広げられるともされる。

  だが、ここで問題となってくるのが、チケットが果たして売れるのかどうかということだ。確かにカバディは歴史も人気もあるスポーツではあるが、オリンピックはビジネス面での影響が重要視される。

 チケットがなかなか売れず割引価格を提示した前回のリオオリンピックのようになってしまうのは、開催国の誰もが望まないだろう。

 カバディが種目に選ばれ、尚且つ人気を上げるには、まずは世界的な知名度を野球やサッカーのように向上させることが求められている。

 カバディをショービジネスとして輝かせられるかどうかが、今後オリンピック種目に認定されるか否かの分かれ道となるだろう。

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