1. 繰り返される悲劇に終止符を:「開かずの踏切」解消に奮励する鉄道会社

繰り返される悲劇に終止符を:「開かずの踏切」解消に奮励する鉄道会社

 どこの町にもある開かずの踏切。政府は2022年までに改善すると明言したが、7年経っての進捗はどうか。高齢社会となり、事故にあう年代も変化。早急な対策が求められている。

 今回は、事故のない安全な街づくりのために、高架や地下を用いて鉄道を走らせる鉄道会社と政府・地域の努力を追う。

“減らない”事故の原因は「踏切の仕様」にあった

 踏切事故の減少を目標に政府と企業をはじめとする団体は努めているが、努力はなかなか実らない。
出典:www8.cao.go.jp
 内閣府の調査によると平成7年~26年の10年間では、平成7年の450件をピークに踏み切り事故は減少しつつある。しかし、急激な減少は実現できず、横ばいの状態が続いている。

 また、年齢別の調査でも見えてきたことがある。平成22年~24年の調査によると、事故にあった人の全体のうち約5割が60~80歳の高齢者。事故の特徴として「渡りきれない」ことが挙げられている。高齢者に合わせた環境作りが求められている。

 踏切に設置されたセンサーが車などの大型物にしか反応しない。踏切の外に設置された緊急ボタンは、自分で押すことができない……様々な問題点を改善する必要がある。

高架をつくろう!東京都のパターン

 踏切事故がなかなか減らないことを受け、「高架をつくる案」と「駅ごと地下に埋めてしまう案」の2つが浮上。まずは、高架をつくることにした東京都を見ていこう。

 京王電鉄京王線・笹塚~仙川駅間の25か所の踏切は「あかない」ことで有名。待ちきれない通行人や渡り切れなかった通行人による事故が多発している。

 これを受けた東京都は「安全性と渋滞の解消、地域の再開発」をスローガンに掲げ、連続立体交差事業を開始。

 京浜急行電鉄や京成電鉄、小田急電鉄、西武電鉄、京王電鉄を巻き込んでの大規模なプロジェクトに大きな期待がかかっており、過去に成功した例も紹介して住民に理解を求めている。

 成功例として挙げられる、JR中央線・武蔵小金井駅、京王電鉄京王線・府中駅は高架下の有効利用で話題を集めている。なかでも保育所は、二馬力といわれる世の中にあっていると好評。

 他にも図書館やデイサービスなどと、商業施設に留まらぬ活用法が成され、住民の生活を彩っている。

地下に埋めよう!大阪府のパターン

 高架をつくる東京都に対して、大阪府は地下鉄にする選択をした。2015年スタートした大阪駅・北地区開発の第2段階「うめきたプロジェクト2」では、地下化をすることで踏切を解消するだけではなく、高さ制限のある道路と鉄道の交差部分の解消を図る。

 約540億円かかっている大規模プロジェクトは、うめきたプロジェクト1を引き継いだもの。プロジェクト1が上々の成果を出した結果だろう。

 2期に分けて行われたうめきたプロジェクトでは駅だけではなく、付近の地域をまるごと開発することをテーマとしている。新型商業施設「グランフロント大阪」の建設のほかに、道路の切り替えもされた。

海外の主流は「地下鉄」

 ロンドンやニューヨークなどの都市部では、地下鉄が主流。日本のように地上を走る列車は、都市部を離れないと見られない。

 地下を使うのは空間の有効利用なだけではなく、安全性を高める選択なのかもしれない。しかし、列車から外の景色が見られなくなるのは少し寂しい気もする。


 2022年までに「開かずの踏切」をなくすことを目標に、各団体は日々励んでいる。もはや鉄道だけの話ではなく、地域を再開発し、活性化する方へと転換してきている。

 小さな子供からお年寄りまで、快適で安全な社会が訪れるのを楽しみにしている。

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