1. 世界中で続々と非犯罪化される「大麻」:そのメリットとデメリットは日本に当てはまるのか

世界中で続々と非犯罪化される「大麻」:そのメリットとデメリットは日本に当てはまるのか

 ドナルド・トランプ氏がアメリカ合衆国大統領に決まった2016年11月の選挙の裏で、実は大麻/マリファナに関する選挙も行われていた。

 全米9州で行われた選挙ではカリフォルニア州をはじめとする州で医療を含む大麻の非犯罪化が可決され、これによりアメリカでは21州が大麻の非犯罪を認めることになった。

 ベルギー・ポルトガル・スペイン・チェコなどの国が大麻を非犯罪化した影響を受けてだと考えられるが、先進国はなぜ大麻を合法化するのか。また、日本はこれから大麻を合法化する可能性があるのだろうか。

 大麻を非犯罪としたいくつかの国・州と、16年11月から現在までの大麻による青少年への影響も交えて考える。

大麻が非犯罪化された理由

 大麻を非犯罪化した国で有名なのは1番最初に可決したオランダだが、他にもベルギーなどの国が非犯罪化している。公共の場では吸わないことをルールとし、鉢数を限定しての栽培許可やジョイント(大麻タバコ)の携帯を許可しているのだ。

 大麻犯罪が多い国の政府はあえて許可をすることで、刑罰では縛り付けずコントロールしようとしているようだ。ウルグアイなど麻薬カルテルが社会問題となっている国では、カルテルの撲滅を目標に安価の大麻を売るために非犯罪化したという面もある。

 また、大麻に害があることに変わりはないが、その害はタバコやアルコールと同等とする研究者もいる。ドイツのドレスデン工科大学疫学調査ユニットDirk・W・Lachenmeier博士は大麻の危険性はアルコールの1/114という研究結果を発表し、世界を驚かせた。

 同氏の研究によると、大麻はアルコールを含むドラッグのなかで最も危険性が低いとされる。どころか、アルコールはヘロイン・コカインというドラッグを抑え最も危険性が高いと示されているのだ。

非犯罪化による青少年への影響

 文部省の調べによると、アメリカの15歳以下の青少年の大麻使用率は34.5%と先進国の中でも非常に高い水準である。この状況で大麻を非犯罪化すれば青少年への影響が避けられないのではないかと考えるのだが、実際はどうか。

 マサチューセッツ州に本拠地をかまえる研究機関:全米経済研究所(National Bureau of Economic Reasearch:NBER)が1993年~2011年までの間に既に非犯罪化していた州を対象に調査した結果によると、大麻の非犯罪化による青少年の使用増加は確認することができないとされている。

 非犯罪化と使用増加の関連はないとされてはいるが、今回さらに許可する州が増えたことで変化が起きる可能性はないのだろうか。

日本でも非犯罪化する可能性はあるか

 「2020年の東京オリンピックまでに日本でも大麻が解禁される」「TPPにより解禁される」との噂が流れたが、現実的に考えて日本での解禁はあり得るのだろうか。

 まず、TPPはトランプ氏によりアメリカの脱退が示されたため法としての施行が難航している。オリンピックまでにというのは世界都市へと飛躍するならば先進国にならって可決しようという区切りで示されたものであり、具体的に法案成立を目指し議論が交わされているわけではない。

 だが、医療大麻の解禁を望む人もいるのが現実だ。凶悪なドラッグとしてのイメージが強い大麻であるが、先述したように先進国では「医療」として用いられる場合も多い。大麻はヘルニアの激しい痛みや末期ガンの苦痛緩和に効果があるとされ、2015年には神奈川県の末期ガン患者が痛みから逃れるのを目的に大麻を所持し逮捕されるという事件も発生した。


 現在、日本では大麻を非犯罪化する可能性は低いといえる。しかし大麻の医療使用が求められているのも事実であり、これからの研究が重要視されるだろう。研究により確実に効果があるとされれば合法化される日も来るのかもしれない。

 先進国が次々と大麻への規律を緩めるなかで日本政府がどう動くのか、注目していきたい。

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