1. auのタフネスモデル「TORQUE X01」がスマホではなくケータイである背景

auのタフネスモデル「TORQUE X01」がスマホではなくケータイである背景

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 KDDIは2017年2月24日、京セラ製タフネスケータイ「TOEQUE X01(トルク エックスゼロイチ)」を発売。

 ケータイタイプの高耐久モデルとしては、2010年末に発売されたカシオ製「G'zOne TYPE-X(ジーズワン タイプエックス)」以来、約6年ぶりの新製品となる。なぜいま「ケータイ型」として発売されたのだろうか。

「TORQUE」シリーズ初となるケータイ型

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 auで販売する「TORQUE」シリーズと言えば、京セラ製のスマートフォンが頭に浮かぶ人も多いだろう。2014年には高耐久スマホ「TORQUE G01」がリリースされ、翌2015年には耐海水性能を追加するなどして強化した「TORQUE G02」も登場し、話題になった。

 「TORQUE」というブランド名称は、物体の回転力や駆動力として定義される「トルク(torque)」からきている。同ブランド機種は、米国国防総省の定める物資調達規格「MIL規格(MILスペック)」に準拠しており、過酷な環境下で使用しても故障しにくいというタフネスさがウリだ。加えて、MIL規格意外にも、京セラ独自の耐久試験が行われることもある。

 こうした流れがありつつも、「TORQUE X01」は同ブランド初となるケータイ型モデルとして登場した。もちろん、「最強」とも称されるタフネスさは踏襲している。LTE通信に対応しており、OSはAndroidベース。いわゆる「ガラホ」だ。ただし、Playストアからのアプリインストールには対応していない。

TORQUE X01が「MIL-STD-810G」でクリアしたテスト

  • Blowing Rain(風雨):降雨量1.7mm/min、6方向各30分間の降雨試験
  • Immersion(浸漬):約1.5mの水中に30分間浸漬する試験
  • Rain Drip(雨滴):高さ1m雨滴(15分)の防水試験
  • Sand and Dust(粉塵):連続6時間(風速8.9m/sec、濃度10.6g/㎥)の粉塵試験
  • Shock(落下):高さ約1.22mから26方向で合板(ラワン材)に落下させる試験
  • Shock(衝撃):衝撃試験機に端末を取り付け、40Gの衝撃を6方向から3回与える試験
  • Vibration(振動):3時間(3方向各1時間/20~2,000Hz)の振動試験
  • Humidity(湿度):連続10日間(95%RH)の高湿度試験
  • Solar Radiation(太陽光照射):連続20時間1,120W/㎡の日射後、4時間offを10日間繰り返す試験
  • HighTemperature(高温動作/高温保管):動作環境は50℃で連続3時間、保管環境は60℃で連続4時間の高温耐久試験
  • Low Temperature(低温動作/低温保管):動作環境は-21℃で連続3時間、保管環境は-30℃で連続4時間の低温耐久試験
  • Temperature Shock(温度衝撃): -21~50℃の急激な温度変化で連続3時間の温度耐久試験
  • Low Pressure(低圧動作/低圧保管):連続2時間(57.2kPa/高度約4,572m相当)の低圧動作/保管試験
  • Freeze-Thaw(凍結-融解):-10℃で結露や霧を発生させ1時間維持し、25℃、95%RHで動作を確認する試験
  • Icing/Freezing Rain(氷・低温雨):-10℃の冷却水で6mm厚の氷が張るまで氷結させる試験
 まずは、TORQUE X01を実際に触った印象について紹介しよう。

手袋でもボタン操作がしやすい

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 同機は、単にハードキーを採用しているだけではない。手袋を装着していても利用しやすいよう、ボタンのサイズや凹凸、余白などが細やかにデザインされている。冬用の手袋を装着した状態でも、ボタンの手ごたえをしっかりと感じた。ただし、スキーグローブのように分厚いものになると、少し押しづらくなる。

 また、側面にもボタンがあり、閉じた状態ならサブディスプレイを点灯可能。開いた状態ならマナーモードの設定、カメラ起動時ならシャッター操作が行える。

下部には大音量スピーカーとファンクションキー

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 端末下部には、屋外でも通知音などを聞き取りやすいよう大音量を出せる「フロントデュアルスピーカー」を搭載。端末を閉じた状態でも、スピーカーは半分ほど露出するので、音量には影響しない。数種類のブザー音を鳴らす機能もあり、例えば「クマ鈴」を鳴らして、熊避けとして利用することも可能。

 また、すぐ上には「F1」~「F3」までのボタンがあり、割り当てた機能を素早く起動できる。デフォルトだと「F1」ではLINEが、「F2」では懐中電灯機能が起動するようになっていた。メールやナビゲーションアプリ、音声レコーダーなど、頻度の高い機能を配置すれば、普段の操作はより快適になる。

アウトドアで活用できる専用アプリを8つ搭載

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 「OUTDOOR PORTAL(アウトドアポータル)」と称するアウトドア向けのアプリケーションを標準搭載。具体的には「WEATHER」「THERMOMETER」「BAROMETER」「BAROMETER WEATHER」「COMPASS」「DAILY STEP」「TIDE」「FISH INDEX」という8項目が表示される。山登りだったら気圧や温度、釣りだったら海辺の情報などを確認できるというわけだ。

 また、上記画面で「メニュー」を起動すれば、こうしたアプリで確認できる歩数やコンパス、月の出入りなどを、サブディスプレイ上に表示するよう設定可能だ。ちなみに、サブディスプレイの表示はサイドボダンを複数回押すことで、切り替えられる。

おサイフケータイにも対応

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 背面中央には、Felicaマーク。おサイフケータイ機能も利用できるので、アウトドアシーンだけでなく、普段使いでも活躍しそうだ。

タフネスケータイには狭くとも濃いニーズがある

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 同機発売前日となる2月23日には、いち早く機種を体験できるユーザーイベントとして「TORQUEタフネスチャレンジ」が開催された。

 会場で、KDDIの渡辺和幸氏(コンシューママーケティング1部 部長、写真左)と京セラの能原隆氏(通信機器事業本部 通信事業戦略部長、写真右)にインタビューをする機会を得た。

6年間タフネスケータイが出てこなかった理由は?

 「我々もスマートフォン型でタフネスなものをご用意させていただければ、ある程度お客様も“ガラケーはそろそろ卒業でスマホがいいかな”と(思っていただけるだろうと想定していました)。やっぱり、LINEが使えないとかInstagramがどうだとか、ご利用形態がソーシャルな部分を含めて広がってきていますので、ガラケー型でなくてもスマートフォン型があればお客様にお選びいただけるのかなと思っていた時期もあってですね。ちょっとその辺の判断が遅れた部分もあるのかな、と思います。

 ただ、やはり時間が経ってきて、“いやいやそう(スマホ)じゃなくてやっぱりあのカタチ(ケータイ)がいいんだよね”と仰る方が根強くいらっしゃることが分かりました。正式な数字はお伝えできませんが、いまでもG'zOneをご利用いただいているお客様もそれなりの数が残っていらっしゃる。であれば、我々としては、お客様が求められているものをキチンとご提供するのが役目だろうと。

 そういう意味ではちょっと時間が空いてしまったんですけれども、今回素晴らしい端末を発売することができたと思っています」(KDDI渡部氏)

G'zOneから意識的にコンセプトを引き継いだ部分はあるのか?

 「そういうわけではありません。ただ、KDDI様のお客様の中で、タフネスケータイをご利用の方が多くいらっしゃるということは伺っていましたので、そこで色んなお客様から“こんな声がありましたよ”というようなものは、伺いながら商品企画・開発を進めてきました」(京セラ能原氏)

海外展開モデルとの違いはどういったところにあるのか?

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 「技術開発上の違いはそれほどありません。ただ、アメリカ版のモデル(上記写真など)の場合には、法人向けに匂いが立つようになっていますが、KDDI様でお出しさせていただいているものは、コンシューマー向けのカラーバリエーションですとか、デザインの味付けなんかは意識はしています」(京セラ能原氏)

日本は一般消費者もタフネスを好むということ?

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 「ガラケー時代からタフネスモデルが一定の支持を集めてきたので、これらの機種を好まれる方も多いですね。分かりやすい例でいうと、アウトドアで山登りが隙だったり、サーフィンとか海が好きだったり、という方もいらっしゃいます。

 ただ、それだけではなくて。農業というか農家の方からの支持が非常に厚くてですね。本当に“我々からするとこれしかないんだ”、と。田んぼで使っていてぼちゃって落としても、トラクターでガタガタやってホコリまみれになって使うときにも、タフネスだったら大丈夫、と仰る方がいらっしゃる。

 グローブでも操作できるスマホはあるんですけれど、“やっぱりそこはハードキーでやりたい”というニーズがあってですね。そういうところで、非常に狭いかもしれないんですが、間違いなく濃いニーズがあります。そういったことが、脈々とタフネスというものの支持に繋がっているのかなと思います」(KDDI渡部氏)

 ちなみに、KDDIは過去にも、Xperiaの利用者などを対象にしたオーナーズイベントを開催していた。一方、今回の「TORQUEタフネスチャレンジ」では、タフネスモデルの利用者に限らず、興味のあるユーザーであればだれでも参加できるように門戸が広げられていたようだ。

 しかし、実際に蓋を開けたところ、応募者の大部分はG'zOneの利用者だったいう。なお、同イベントの定員35名に対し、応募数は500名ほど。こうしたことからも「タフネスケータイじゃなければならない」という熱心なファンがいることが分かる。

TORQUEを洗濯機で洗う光景は斬新

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 最後に少しだけ「TORQUEタフネスチャレンジ」の様子を紹介しよう。会場では、X01に対して、様々な耐久テストのデモが行われていた(上記画像は会場の様子)。

 中でも印象的だったのは、LINEのテレビ電話をつなげた状態で、洗濯機に同機を放り込みガラガラと洗っていたこと。
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 耐水+耐衝撃のテストとして度々洗濯されていたわけだが、さすがに「最強」を名乗るタフネスモデルだけはある。

 さすがに洗剤はNGとのことだったが、うっかり水に落とした程度では壊れる確率は相当低いのだろうと実感できた。

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